私は新卒でICUに配属になりました。
・新卒でICU看護師になるのはどうなのでしょうか?
・新人なのにいきなり重症患者をみるのは酷ではないか?
という意見もありますが、結論から言うと、新卒でICUに配属になっても大丈夫です!
実際に新卒でICU看護師になった私から、実態を暴露していきます!
新卒でICU看護師は無理なの?
私が新卒でICU看護師になりたいと話すと、周りからはこんなことを言われました。
「まずは病棟で経験してからのほうがいいよ」
「ICUじゃ看護はできないよ」
「ICUの看護師はミニドクター」
「ICUは覚えることがたくさんあって大変だよ」
ICUは新卒で配属されるのはハードルが高いという印象があるようです。
その理由はなんでしょうか?
ICU看護師は大変だと思われてしまう理由
ICUでは一般病棟では見ることのできない超重症な患者さんを受け持つことになります。
病態は一つだけでなく、複数の病態が絡み合い様々な知識が必要になるため、何も分からない新人が受け持つには難しさを感じるでしょう。
病棟を経験していればある程度の疾患や看護の知識があるため、それらをICU看護に繋げることができます。
「ICUでは看護はできないよ」という声もあります。
ICU看護師は時には医師と同じような知識が必要になります。
「現在こんな状態で、これからこうなる可能性があるのでこんなことをやったほうが良いと思います」と状態の報告と、何が必要なのか、自分の考えも含めて医師に提案をすることが求められます。
医師と同じように判断できれば患者さんの状態悪化を未然に防ぐことにもつながります。
「ミニドクター」を良い意味でとらえるか?悪い意味でとらえるか?
人それぞれ思いがあるでしょう。
患者さんが助かるのであれば、私は医師と同じような知識と判断力のあるミニドクターになってもいいのではないかと感じています。
新卒でICU看護師になると、覚えることがたくさんあって大変な思いをします。
たくさん勉強をしたい。
急性期でバリバリ活躍したい。
どこの科でも通用する力を手に入れたい。
そんな向上心がある方に向いていると感じます。
新卒でICU看護師を経験して分かる5つのポイント
大変だと思われがちなICU看護師を、新卒の私が経験してみて感じたことは。
新卒で病棟を経験していなくても問題はない!?
「まずは病棟で経験してからのほうがいいよ」という声がありましたが、一般病棟を経験していなくても問題ありませんでした。
一般病棟での経験があったほうが患者さんと関わるときに見える角度が変わるのかもしれませんが、必ず必要というわけではありません。
最初からICUという環境だからこそ、ICUで必要になる知識や技術を柔軟に吸収することができます。
また、新人だからこそ先輩からの学びのチャンスが多くなります。
一般病棟を経験してからICUに配属になると「このくらいならわかるだろう」と、新人であれば指導されることもされなくなったり、指導回数が少なくなったりします。
看護師人生の中で勉強する時間を1番長く作ることができるのは新卒のときでしょう。
新卒でICUに配属になると勉強の量は多くなりますが、ICUで学んだことはさまざまなところで活かすことができます。
ICUだからこその看護があると分かった
「ICUでは看護はできないよ」と言われましたが、ICUの患者さんだからこその看護があります。
意識不明の重体である患者さんは、自分で動くことができず、声も出ません。
そんな患者さんに対してできる看護は何があるでしょうか?
・声が出せないからこそモニターや全身状態を観察して変化に気づくこと
・褥瘡ができないように皮膚の観察や体位を整えること
・清潔ケアをすること
・家族が面会に来た時に不安な気持ちを与えないよう身の回りの環境を整えること
・不安な思いで面会にくる家族へ安心できるような声掛けをすること
等、ICUだからこその看護があります。
治療中心になることもありますが、患者さんやその家族に対してどんな看護をしようか考え、実践していく楽しさがあります。
覚えることがたくさんあってとても大変?
ICUの規模や重症度は病院によって変わりますが、私がいたICUでは呼吸器、循環器、脳神経、泌尿器、整形、消化器、精神、小児など重症であればどんな科でも来るところでした。
一般病棟であれば、基本的には呼吸器なら呼吸器だけ、消化器なら消化器だけなど、基本的には専門の科の勉強をすれば良いかと思いますが、私がいたICUでは様々な科の知識が必要。
求められる知識の量はとても多く、新人時代は覚えることがたくさんあってとても大変でした。
しかし、ICUで学んだことはその後どこの科に配属になっても活かすことができます。
患者さんの入れ替わりが早かった
ICUは24時間集中的な管理が必要になる患者さんがいる場所です。救急外来や手術室からICUに入ってきたばかりの患者さんは、看護師が常に側にいて全身状態を見ていく必要があります。
そんな集中管理が必要なくなり、急性期を脱した後はある程度の基準をクリアすると一般病棟に移動することになります。
手術後の方であれば早い人は翌日など、あっという間に一般病棟に移動します。
患者さんの入れ替わりが早く、顔や名前を覚える前にいなくなってしまうことが多くありました。
新人のICU看護師のときは、せっかく勉強してきたのに勉強内容が活かせる患者さんがおらず、アウトプットが先延ばしになってしまう事がよくありました。
患者さんに顔と名前を憶えてもらえることが少なかった
看護師であれば患者さんに顔と名前を憶えてもらいたいと思う方はいるのではないでしょうか?
ICUでは入れ替わりが早く関われる日数が少ないことや、せん妄になる方も多く、ICUに居たときの記憶があやふやだと話す患者さんは多くいます。
会話ができるようになれば一般病棟に移動になるため、患者さんに顔と名前を憶えてもらうことは少なかったです。
退院報告でICUに歩いてあいさつにきてもらえると、名前や顔を覚えていなくても、とても嬉しい気持ちになります。
新卒でICU看護師になってもやっていける人とは?
新卒でICUに配属されたい!そんな思いがある方はきっと向上心が高い方でしょう。
新卒でICU看護師になってもやっていける人はこんな人だと思います。
・忙しい環境でも大丈夫な人
・少しのことでへこたれない人
・ストレス解消が上手い人
・勉強が苦ではない人
・自分で患者さんに何が必要か考えて行動できる人
新卒でICUに配属になると、様々なことからストレスを感じることが多くあります。
・忙しい環境でも大丈夫で、少しのことは気にしない前向きさがある人
・何かあってもストレス解消できる人
・勉強をすることが苦ではない人
・自分で考えて積極的に行動できる人
は、新卒でICU看護師になっても乗り越えられるのではないでしょうか?
まとめ
新卒でICU看護師は無理なのか?私が経験してきたことを、お伝えしていきました。
「新卒でICU看護師は無理!」と言う人もいますが、それは経験したことのない人の言葉。
実際には、ICUで先に経験を積んだ方が、後々楽になると私は考えています。
もし、新卒でICU看護師になるかどうか悩んでいるのなら、今回の記事を参考にしていただければと思います。