クリニック 働きにくい 看護師

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「夜勤がないからクリニックの方が楽そう」と思っている看護師さん、多いのではないでしょうか。

実際、病棟勤務での夜勤は体力的にも精神的にもハードですし、生活リズムも崩れがちなので、それを理由にクリニックへ転職を考える人も少なくありません。

 

でも、クリニックでの仕事が「楽」だなんて、幻想に過ぎません!

 

むしろ、働きにくい要素が多く、想像以上にストレスが溜まる職場環境になりやすいのが現実です。

クリニックは少人数で回しているため、看護師の業務範囲が広がりがち。

病院なら分業されている仕事も、クリニックでは看護師がすべて担当しなければなりません。

それに加えて、院長の意向がすべてを決めるため、トップの人間の性格次第で職場の雰囲気が大きく変わります。

 

大きな組織の中で働く病院とは違い、「院長のワンマン経営」「家族経営のしがらみ」「理不尽なルール」が当たり前のように存在し、看護師にとって働きにくい環境になりがちなのです。

また、クリニックに来る患者層も病院とは異なります。

入院が必要な重症患者は病院へ行くため、クリニックには「通院可能な元気な患者」が多くなります。

その結果、「待ち時間が長い」と文句を言う人や、「医者の言うことより自分の考えが正しい」と主張する厄介な患者にも対応しなければならず、ストレスが溜まる場面が増えます。

 

こうした働きにくい要素が満載のクリニック勤務ですが、病院と比べてどんな点が特に厳しいのか、詳しく掘り下げていきます。

 

クリニックは本当に楽なのか?看護師が直面する厳しい現実

 

「夜勤がないからクリニックは楽」という考えは、転職を考える看護師の間でよく聞かれます。

しかし、実際に働いてみると「全然楽じゃない!」と気づく人が多いのが現実です。

むしろ、日勤の業務量が多く、時間内に終わらせるためにはスピードと効率が求められます。

 

診察時間中は常に忙しく、診察補助、採血、点滴、注射、検査説明、処置、患者対応、電話対応など、看護師の仕事がひっきりなしに発生します。

病院ならば分業されている業務も、クリニックでは看護師がすべてこなさなければならないことが多く、負担がかなり大きくなります。少ない人数で回しているため、誰かが休むと業務が回らなくなることも珍しくありません。

 

さらに、クリニックでは医療行為以外の仕事も多く、受付や会計のフォローをすることもあります。

病院では医事課や事務スタッフが担当するような業務も、クリニックでは看護師が担うケースが多く、「看護師なのに雑務ばかりやらされる」と感じることも少なくありません。

加えて、休憩時間も確保しにくいのがクリニックの現実です。

 

午前診と午後診の間に休憩時間があるはずなのに、実際には書類整理や電話対応に追われて、しっかり休める時間がほとんどないこともあります。

「昼休みが2時間あるから楽」なんて言われることもありますが、その2時間をフルに休めることはほぼありません。

また、定時で終わるとは限りません。

クリニックは「診察終了時間」と「勤務終了時間」が異なることが多く、診察が長引いたり、急な患者対応があったりすると、残業が発生します。

 

それなのに「病院ほど忙しくないでしょ?」と軽く見られることがあり、外部の人には理解されにくいのがさらにストレスを増やします。

こうした厳しい現実を知った上でクリニックへ転職するならまだしも、「楽そうだから」と安易に転職すると、想像とのギャップに苦しむことになります。

 

 

 

クリニックの院長は「絶対権力者」!人間関係が働きにくさを左右する

 

病院勤務の看護師なら、上司や同僚と合わなくても部署異動の選択肢があります。

しかし、クリニックではそうはいきません。

なぜなら、クリニックは院長がすべてを決める環境だからです。

 

つまり、院長と相性が悪いと働きにくさが極端に増します。

院長がワンマン経営の場合、看護師の意見はほとんど反映されません。

「とにかく俺のやり方に従え」「気に入らないなら辞めれば?」といった態度の院長も珍しくなく、看護師が働きにくい環境に追い込まれることもあります。

また、「患者を第一に考える」という理想を掲げているようで、実際には「売上を第一に考える」タイプの院長もおり、必要以上の検査や治療を進めることを看護師が強要されるケースもあります。

 

さらに、家族経営のクリニックでは、院長の家族が経営に関与していることがあり、これがまた厄介な問題を引き起こします。

院長の奥さんが受付を仕切っていたり、経理を担当していたりすると、看護師の業務にまで口を出してくることがあり、働きにくい空気になります。

「○○先生の奥様には逆らえない」という暗黙のルールが存在し、少しでも意見しようものなら「態度が悪い」と言われる始末です。

 

また、小規模なクリニックほどスタッフの人数が限られているため、人間関係が密接になりすぎてしまうこともあります。

病院なら何十人、何百人という看護師がいて、ある程度距離を取ることもできますが、クリニックでは看護師が2~3人程度しかいない職場も多く、逃げ場がありません。

一人でも気の合わない人がいると、それだけで毎日が地獄と化します。

 

加えて、院長の気分次第でルールが変わるのもクリニックあるあるです。

昨日までOKだったことが、突然NGになることもあり、「あれ?この前はこう言ってましたよね?」と聞こうものなら、「前は前、今は今」と突き放されることもあります。

この理不尽さが、看護師のストレスをさらに増やしていくのです。

 

 

 

看護師が少ない=逃げ場がない!クリニックの人間関係の難しさ

 

クリニックで働く看護師にとって、最大のストレス要因の一つが人間関係です。

 

クリニックは少人数で運営されているため、同じ人と毎日顔を突き合わせることになり、人間関係が悪くなると逃げ場がありません。

病院ならば、嫌な先輩がいても別の病棟へ異動できたり、他のスタッフと距離を置いたりすることが可能ですが、クリニックではそうはいきません。

看護師の人数が2~3人の職場だと、嫌でも関わらざるを得ず、一度こじれると職場の空気が最悪になります。

 

また、クリニックには「お局看護師」の存在も少なくありません。

病院では複数の看護師がいるため、お局の影響力はそこまで強くならないこともありますが、クリニックでは違います。

長年勤めているお局看護師が院長と親しい関係を築いていると、新しく入った看護師が意見を言うことすら許されず、職場のルールはすべてお局次第……というケースもあります。

「このやり方でずっとやってるんだから、あなたも従いなさい」と言われ、理不尽なルールに従わざるを得ない状況に追い込まれることもあります。

 

さらに、クリニックの雰囲気によっては、スタッフ同士の派閥が生まれることもあります。

「院長派」と「事務長派」「受付スタッフ派」といったように、看護師以外のスタッフとも距離感をうまく保たなければならず、気を遣うことが多くなります。

少しでもどこかのグループに肩入れすると、「あの看護師、○○さんの味方だ」と見られ、仕事がやりづらくなることもあります。

 

また、クリニックのスタッフは少ないため、一人が辞めると業務の負担が一気に増えるのも問題です。

例えば、看護師が1人辞めると、残ったスタッフがその分の業務をカバーしなければならず、過労気味になることもあります。

病院のように「すぐに補充」ができるわけではないので、「もう辞めたいけど、辞めるとみんなに迷惑がかかる……」とズルズル働き続けるケースも少なくありません。

こうした状況が続くと、「クリニックで働くのがしんどい……」と感じるようになり、看護師のメンタルがどんどん削られていくのです。

 

 

 

クリニックの患者は病院より厄介?「元気なクレーマー」に振り回される

 

病院とクリニックの大きな違いのひとつが、来院する患者のタイプです。

 

病院は入院が必要な重症患者や緊急対応が必要な人が多いですが、クリニックに来るのは基本的に「自力で通院できる人」です。

一見、軽症の患者ばかりで働きやすそうに思えますが、実際には病院以上に看護師のストレスが増えることが少なくありません。

なぜなら、クリニックには「自己主張が強い」「要求が多い」「待てない」患者が多く集まるからです。

 

例えば、診察の順番が来るまでじっと待っていられない患者は多く、「まだ呼ばれないんですか?」「何分待つんですか?」と受付や看護師に詰め寄ってきます。

予約制のクリニックであっても、「予約してるのに待たされるなんておかしい!」と怒り出す人もいて、その対応に追われるのは看護師です。

 

また、「ネットで見た情報」を基に医師の診断に口を出す患者も増えています。

「この薬よりもこっちの薬のほうがいいらしい」「○○のサプリを飲んでるけど、飲み合わせはどうなの?」といった質問をしてくるだけならまだしも、「この治療法じゃダメなんじゃない?」と医者にまで文句を言う患者もいます。

その結果、看護師が間に入ってクレーム対応をしなければならず、余計なストレスがかかります。

 

さらに、クリニックには「本来、病院で診てもらうべき患者」も少なくありません。

高熱や激しい痛みで来院し、「すぐに何とかしてくれ」と要求する患者もいますが、クリニックで対応できる範囲には限界があります。

しかし、患者は「ここでなんとかしてくれないと困る」と納得せず、「病院に行ってください」と言っても「そんな時間ない!」とごねられることもあります。

 

こうした患者の対応に追われると、看護師の仕事はどんどん増え、肝心の医療行為に集中できないこともあります。

結局のところ、クリニックは「病院より楽」どころか、「患者対応に神経をすり減らす職場」と言えるのです。

 

 

 

美容クリニックはもっと大変?看護師が求められる「サービス業精神」

 

最近は、美容クリニックへの転職を考える看護師も増えています。

確かに、美容クリニックは病気の患者を診るわけではないので、「命に関わる処置が少なくて楽そう」と思う人もいるかもしれません。

しかし、美容クリニックもまた、働きにくい要素が多い職場のひとつです。

 

まず、美容クリニックの患者は「医療を受ける患者」ではなく、「お金を払って施術を受けるお客様」という認識の人が多いという点が挙げられます。

そのため、サービス業のような対応が求められ、「接客スキル」がないと厳しい環境になります。

例えば、「思っていた仕上がりと違う」とクレームをつける患者がいた場合、医師が説明しても納得しないことがあります。

そのときに対応を任されるのが看護師で、「カウンセリングが足りなかったのでは?」と責められることもあります。

 

また、美容クリニックでは「売上ノルマ」が課せられることもあり、看護師が施術の契約を取らなければならないケースもあります。

「医療行為をしたくて看護師になったのに、営業までやるなんて…」と感じる人も多く、想像以上にプレッシャーがかかる職場なのです。

さらに、美容クリニックでは「看護師の選考基準」が厳しくなってきており、「接客スキルがない人」「愛想が悪い人」は採用されにくくなっています。

そのため、「看護師ならどこでも働ける」と思って転職を考えている人は、痛い目を見る可能性もあります。

 

結局、美容クリニックも一般のクリニックと同様に、「思っていたよりも働きにくい」と感じる看護師が多いのが現実です。

 

 

 

クリニックは給料が安い?「思ってたのと違う」と感じる瞬間

 

クリニックへ転職する看護師の中には、「病院よりも楽なら、多少給料が下がってもいいかな」と考える人もいます。

しかし、実際に働いてみると、「給料が下がるのに、仕事量はむしろ増えた」と感じることが少なくありません。

 

病院の病棟勤務では夜勤手当や残業代が加算されるため、月給が比較的高くなります。

しかし、クリニックは基本的に日勤のみなので、夜勤手当がなくなり、その分の収入が減少します。

 

さらに、クリニックによっては固定給ではなく「時給制」のところもあり、祝日や長期休暇が多い月は給料が大幅に下がることもあります。

「えっ、こんなに少ないの?」と驚く看護師も少なくありません。

また、ボーナスも病院に比べて少ないか、場合によっては出ないクリニックもあります。

特に個人経営のクリニックでは、経営状況によってボーナスが変動することがあり、「去年は出たけど、今年はなし」と言われることもあります。

 

それなのに、業務内容は決して楽ではありません。むしろ、少人数で業務を回すため、1人あたりの負担は病院よりも増えることが多いです。

それに加えて、院長の機嫌次第で働きやすさが変わるため、精神的なストレスも大きくなります。

 

給料が下がったのに、ストレスは増えた……そんな状況に陥ると、「こんなはずじゃなかった」と後悔する看護師が増えるのも無理はありません。

 

 

 

「辞めたい」と言えない…クリニック看護師の転職の難しさ

 

クリニックで働いてみて、「やっぱり辞めたい」と思う看護師は少なくありません。

しかし、実際には辞めるのが難しいケースも多く、ズルズルと働き続けてしまうことがあります。

その理由のひとつが、「少人数の職場だから辞めにくい」という問題です。

 

病院ならば、スタッフが多いため、1人辞めてもすぐに補充されることが多いですが、クリニックではそうはいきません。

看護師が2~3人しかいないクリニックで1人辞めると、残ったスタッフの負担が一気に増えるため、「辞めると言い出せない」と悩むことになります。

 

また、院長との距離が近いため、辞める意志を伝えたときに引き止められることも多いです。

「あと数ヶ月だけ頑張ってくれ」「新しい人が見つかるまで待ってくれ」と言われ、なし崩し的に働き続けることもあります。

 

さらに、家族経営のクリニックでは、「辞める=裏切り」と捉えられることもあり、辞めるときに嫌がらせをされるケースもあります。

「せっかく育てたのに」「この忙しい時期に辞めるの?」とプレッシャーをかけられ、退職がスムーズに進まないこともあります。

 

こうした理由から、「辞めたいのに辞められない」と悩む看護師が多く、結果的にクリニック勤務が「楽ではない」どころか「働きにくい環境」と感じるようになるのです。

 

 

 

まとめ

 

ここまで、クリニックで働く看護師の現実について詳しく解説してきました。

 

「夜勤がないから楽」というイメージを持って転職すると、想像以上のギャップに苦しむことになります。

少人数での業務負担、ワンマン院長の影響、クレーマー患者への対応、低賃金といった問題が山積みで、「病棟勤務のほうがまだマシだったかも」と思う看護師も多いのが現実です。

 

もちろん、クリニックにはメリットもあります。

例えば、夜勤がないことで生活リズムが整いやすい点や、病棟勤務に比べて身体的な負担が少ない点などが挙げられます。

 

しかし、それ以上に精神的なストレスが多く、「働きやすい職場かどうか」はクリニックによって大きく異なります。

転職を考えている看護師の方は、「クリニック=楽」ではないことをしっかり理解し、慎重に判断することをおすすめします。

 

……とは言っても、今日もまた「この薬、やっぱり変えてほしいんですけど」と受付でゴネる患者の対応に追われ、ため息しか出ません。

 

はぁ……。