
看護師として働いていると、「オムツ代が高すぎる!」というご家族からのクレーム、皆さんも一度は経験があるのではないでしょうか?
しかし実際には、オムツ代には単なる消耗品の費用だけでなく、看護師がオムツを交換する際の人件費や処理費用も含まれていることを、どれだけの人が理解しているでしょうか。
このクレーム、どう対処すればいいのか悩んだことはありませんか?
オムツ交換のタイミングや頻度、患者さんの健康状態によっても使用量は変わります。
今回は、なぜオムツ代が高く感じられるのか、その背景と対応策について深掘りしてみます。ぜひ一緒に考えてみましょう!
オムツ代が高いと言われる理由とは?
病院で提供されるオムツの費用には、さまざまな要素が含まれています。
ただ単に「オムツそのものの価格」だけではありません。
まず第一に、看護師の人件費が含まれています。
オムツ交換は、患者さんの健康状態を把握しながら行う大切なケアの一部。
皮膚トラブルを防ぐためにも、こまめに交換することが求められます。
例えば、下痢をしている患者さんの場合、皮膚がかぶれやすくなるので、通常より頻繁に交換する必要があります。
また、処理費用も見逃せません。
使用済みオムツは医療廃棄物として適切に処理する必要があります。
これには、専用の廃棄費用や衛生管理のコストがかかります。
さらに、入院患者さんの健康状態は家でのケアとは異なります。
病院では、常に清潔を保つことが求められますので、「家ではそんなにオムツ使わなかったのに」というご家族の声があるのは仕方ないのかもしれません。
家族からのクレーム — 理解してもらうためには?
「なんでこんなにオムツ代がかかるの?」とご家族に言われたら、どう対応していますか?
ただ「必要だからです」と答えるだけでは納得してもらえないことも多いですよね。
まずは、丁寧に説明することが大切です。
例えば、「患者さんの皮膚を清潔に保つために、こまめに交換しています」と伝えることで、「なんでこんなに頻繁に?」という疑問が和らぐことがあります。
また、「入院中は健康状態が変わりやすいので、必要なケアをしています」と伝えると、理解してもらえることも多いです。
それでも納得されない場合、具体的な数字を出すのも手です。
「だいたい1ヶ月でこれくらいかかります」という予測を示すことで、事前に心の準備をしてもらうことができます。
事前説明がないと、後から「聞いてない!」とさらに大きなクレームになることもありますからね。
看護師のジレンマ — 患者さんのため? 家族のため?
正直なところ、看護師としても「またオムツ代のクレームか…」と頭を抱えたくなることもありますよね。
患者さんの健康を第一に考えて、こまめにオムツを交換しているのに、まるで無駄遣いをしているかのように言われてしまうと、心が折れそうになります。
でも考えてみてください。
患者さんの皮膚状態を守るために、適切なケアを行うことは看護師の使命です。
オムツを長時間交換せずにいると、褥瘡(じょくそう)や感染症のリスクが高まります。それを防ぐために、必要なケアをしているのです。
ご家族にも、ぜひこの点を理解していただきたいものです。
「オムツ代が高いから交換しないで」という言葉を聞くと、「じゃあ、どうしろっていうの?」と心の中で叫びたくなりますよね。
オムツの使い方 — 看護師だからこそ気をつけたいポイント
看護師として、オムツ交換の際にはさまざまな工夫をしていますよね。
例えば、陰部洗浄を行う際には、どうしてもオムツを多めに使うことがあります。それも患者さんの清潔を保つためです。
また、夜用の厚手のオムツを使っているのに、少しでも排泄があるとすぐに取り替える患者さんもいます。
これもまた、患者さん自身のこだわりや習慣によるものです。しかし、それを理解していないご家族からは「使いすぎだ!」と言われることも。
本当は、ご家族にも「清潔を保つために必要なことなんです」と伝えたいところですが、なかなか難しいこともありますよね。
病院と家庭でのオムツ使用の違い
家庭でのオムツ使用と、病院でのオムツ使用は大きく異なります。
家では、ご家族が目の届く範囲でケアをしていますが、病院では患者さんの健康状態を常にチェックしながらケアをしていますので、どうしても使用量が多くなることがあるのです。
例えば、感染症対策としてもオムツ交換は重要です。
患者さんの皮膚状態を確認し、少しでも異常があれば早めに対応することが求められます。
これを怠ると、病院全体の衛生管理に影響が出てしまうこともあります。
このような違いを、ご家族に理解してもらうのは難しいかもしれませんが、しっかりと説明することで納得してもらえることもあります。
オムツ代を減らすことはできるのか?
「オムツ代を少しでも減らしたい」というご家族の気持ちも理解できます。
しかし、病院でのオムツ使用には明確な理由があり、単純に減らせるものではありません。
例えば、ご家族の中には「家ではトイレに座らせていたからオムツの消費は少なかった」という意見を持つ人もいます。
しかし、病院に入院するほどの状態になった患者さんは、多くの場合体力が低下しており、トイレ移動が難しい状態にあります。
転倒リスクを考えると、安易にトイレ誘導するわけにはいきません。
また、「オムツの交換頻度を減らせば費用が抑えられるのでは?」という考えもあるかもしれません。
しかし、交換頻度を減らすと皮膚トラブルや感染症リスクが増加し、結果的に治療費がかかる可能性が高くなります。
ご家族が納得する形で費用を抑える方法として、持ち込みのオムツを使うことが可能な病院もあります。
ただし、病院によっては衛生管理の問題から持ち込み不可の場合もあるため、事前に確認が必要です。
まとめ
「オムツ代が高い!」というクレームを受けるたびに、看護師としてはモヤモヤした気持ちになりますよね。
しかし、私たちはただオムツを交換しているわけではありません。
患者さんの健康を守るために、最適なケアを提供しているのです。家族の負担を減らしつつ、患者さんが快適に過ごせるよう配慮するのが看護師の役割です。
それなのに、「オムツを使いすぎだ」「費用を抑えろ」と言われると、「じゃあ、どうしろって言うんだよ…」と心の中で叫びたくなるのも無理はありません。
本当に「オムツ代が高い」と思うなら、ご家族が交換の手伝いをするのが一番の解決策ではないでしょうか?
「費用がかかるから、オムツをあまり使わないで」と言うなら、家族が毎日来て交換すればいい。
でも、ほとんどのご家族はそれをしません。
結局のところ、「お世話は全部病院に任せたい。でも費用は安くしてほしい」という都合のいい話になっているのです。
結論として、オムツ代のクレームに対しては、しっかりと説明し、納得してもらう努力をすることが重要です。
それでも理解されない場合は、「では、ご家族がオムツ交換を担当されますか?」と提案してみるのも一つの方法かもしれませんね。