
看護師の世界では、新人がすぐ辞める病棟が問題視されることが多いですが、本当にヤバいのは中途の看護師が定着しない病棟です。
新人なら「仕事が合わなかった」「思っていたのと違った」といった理由で辞めることもありますが、すでに経験のある看護師が「ここでは働けない」と判断して去っていくということは、病棟に深刻な問題がある証拠です。
中途採用の看護師は、他の病院での経験を持ち、比較対象を持っています。
それでも「ここは無理」と感じる理由には、独自ルールの多さ、人間関係の悪さ、過剰な業務負担、理不尽な指導などが挙げられます。
特に長年同じメンバーで構成された病棟では、新しい人が馴染めない環境が出来上がっており、結果として中途が続かないのです。
看護師が中途で転職してきてもすぐに辞める病棟には、必ず原因があります。
今回は、そんな「看護師の中途が定着しない病棟」の問題点や続かない理由について詳しく解説していきます。
看護師の中途がすぐ辞める病棟の特徴
中途の看護師が定着しない病棟にはいくつかの共通した特徴があります。
その一つが、ローカルルールの多さ。
看護師の仕事は病院ごとにやり方が異なるのは当たり前ですが、それが異常に細かいと、新しく入った看護師は戸惑います。
例えば、「申し送りのやり方が特殊」「記録のルールが独自すぎる」「夜勤の仮眠時間すら暗黙のルールで決まっている」など、合理的な理由のないルールが多いと、新しい環境に馴染むのが難しくなります。
さらに、スタッフの人間関係が悪い病棟も、看護師の中途が定着しない要因です。
特に古くからいる看護師が中心になっている病棟では、「新しい人が入ってもすぐ辞めるから関わらなくていい」と考えているスタッフも多く、必要最低限の会話しかせず、フォローもほとんどありません。
その結果、中途採用の看護師は孤立し、「ここではやっていけない」と感じてしまいます。
また、業務量が過剰な病棟も、中途の看護師が続かない理由の一つです。
人手不足の病棟では、新しく入ってきた中途採用者を即戦力として扱い、いきなりハードな業務を任せることがよくあります。
しかし、環境に慣れる時間もなく、周囲のフォローもないままでは、プレッシャーが大きくなりすぎてしまい、「ここで続けるのは無理だ」と感じて辞めてしまうのです。
看護師の中途が定着しない病棟の最大の原因は閉鎖的な環境
病棟が閉鎖的であることも、中途の看護師が定着しない大きな原因の一つです。
長年同じメンバーで働いている病棟ほど、「今のやり方が正しい」「新しい方法は不要」と考えがちで、新しく入った看護師が意見を言っても聞き入れられません。
特に「前の病院ではこうでした」と中途採用の看護師が言うと、「ここは違うから」と一蹴されるケースが多く、改善すべき点があっても何も変わらないままになってしまいます。
その結果、中途の看護師は「ここは働きにくい」と感じ、次々と辞めていくことになります。
また、新しい人が馴染めない環境が続くと、病棟内の雰囲気はますます悪化し、「どうせ新しい人はすぐ辞めるから関わらなくていい」という意識が根付いてしまいます。
このような環境では、どれだけ優秀な看護師が入ってきても長く続けることが難しくなります。
看護師の中途が続かないと病棟全体に悪影響が出る
中途採用の看護師がすぐ辞める病棟では、慢性的な人手不足が続くことになります。
その結果、残ったスタッフに過度な負担がかかり、業務の効率が悪くなります。
特に夜勤が回らない、リーダー業務を担当する人が少ないなどの問題が発生し、さらに働きにくい環境が加速していきます。
また、定着しない病棟では教育体制も整わず、新しい人が育ちにくくなります。
病棟の業務改善も進まず、結果として「人が辞め続ける→人手が足りなくなる→業務が大変になる→また人が辞める」という悪循環が生まれます。
看護師の中途が続く病棟との違い
では、看護師の中途が定着しやすい病棟はどのような特徴があるのでしょうか。
一番大きな違いは、新しく入ったスタッフを受け入れる体制が整っていることです。
ローカルルールが多すぎず、新しい意見を取り入れる柔軟性がある病棟では、中途採用の看護師も働きやすく、長く続けることができます。
また、人間関係が良好な病棟では、新しく入った看護師が孤立しないようにフォローする体制が整っています。
「わからないことがあれば気軽に聞ける」「誰に何を相談すればいいかわかる」という環境があるだけで、中途採用者のストレスは大きく減少します。
まとめ
看護師の中途が定着しない病棟には、共通する問題点があります。
ローカルルールが多すぎる、人間関係が閉鎖的である、業務量が過剰であるなど、新しく入った看護師が馴染みにくい環境が整ってしまっているのです。
また、病棟のスタッフが「新しい人はどうせすぐ辞める」と考えていると、ますます環境が悪化し、中途採用の看護師が続かないという悪循環が生まれます。
これを改善するためには、新しい意見を受け入れる柔軟性を持ち、フォロー体制を整えることが重要です。
正直なところ、私自身も「この病棟は無理」と感じて辞めたことがあります。
経験してきた職場を比較すると、定着率の高い病棟はやはり働きやすい環境が整っていることが多いです。
看護師として長く働くためには、転職の際に「看護師の中途が定着しない病棟」を避けることが何よりも重要だと思います。