看護師業界には言ってはいけない言葉があるということをご存じでしょうか。
その言葉とは
『今日落ち着いてますね』
です。
仕事をしていて、どの職種でも仕事が落ち着いている時はあります。
その時についつい一緒に仕事をしている相手に「今日は落ち着いてますね」と言ってしまうことがあるでしょう。
それと同じように、看護師という職種も毎日が忙しいわけではなく、落ち着いている日というのもあります。
そのため、ついつい言葉として出てきてしまうことは仕方がありません。
しかし、この言葉は暗黙のルールの一つとして言ってはいけないとされています。
言ったらどうなるのか体験談も含めて紹介していきましょう。
「今日は落ち着いてますね」は口にしてはいけない
『今日は落ち着いていますね』という言葉は看護師の中で言ってはいけない言葉になっています
なぜ言ってはいけないのか、新人当初は疑問に思うこともあるでしょう。
むしろ新人当初はそれさえも知らない人の方が多くいます。
では、実際に口にするとどのようなことが起こるのでしょうか。
周囲の反応や起こる可能性の高い出来事を含め紹介していきます。
言った瞬間に想像以上の忙しさになる
「今日落ち着いてますね」という言葉を言うとどうなるのかが一番気になるでしょう。
この言葉は、まるで呪いの言葉かのように、言った瞬間に今まで落ち着いていた環境がものすごく忙しくなることが大半
病院で働いていた場合には、その日急変する患者もおらず、入院してくる人などもなく、普段より落ち着いていたことでぽろっと出てしまうことが多くあります。
しかし、この言葉を言った瞬間に、予期せぬ急変はもちろん、急な入院患者が出てくることも。
そのため、多くの看護師の仕事が増え残業はもちろん、ものすごい疲労感へと変わり、それを経験したことがある看護師たちだからこそ、『言ってはいけない言葉』という暗黙ルールがあるのです。
言うと先輩から怒られる
知らずのうちにポロっと口に出してしまうことは誰しもあります。
ただ何気なく「今日は落ち着いてますね」と言うだけで回りの看護師の表情が強張ってしまうでしょう
そして一言「言っちゃダメ!」と言った後に言われる新人看護師がほとんどです。
先輩看護師もとっさに言葉が強くなる人もいますが、それに怯える看護師もいるでしょう。
その後に何故言ってはいけないのかという説明をしてくれますが、怒るくらいであれば最初に言ってほしいと思う人も。
しかし、この言葉に関しては看護師の仕事を行うにおいて、必要な教育とも言えません。
そのため、伝えられていない新人看護師も多く、誰しもが通る道です。
夜勤中は特に注意!
看護師をしていて、必ずと言っていいほどこの言葉は夜勤では言ってはいけないという暗黙のルールが存在します。
もちろん、日勤中にも言わないに越したことはなく、控える必要があります。
では、夜勤中に言ってしまうとどうなるのでしょうか。
夜勤中は行うことが日勤勤務よりは少ないですが、そのぶん看護師の人数も制限されてしまいます。
そのため、もし言ってはいけない言葉を言った瞬間に、日勤以上に緊張感が漂うでしょう。
特に夜勤中に入院が入ってくることは落ち着いた時間は確実になくなります。
落ち着いている夜勤を過ごしたいのであれば夜勤中は特に言わないように心掛けましょう。
言ってはいけない言葉を一度は経験する
この言葉は看護師をしていれば必ずと言えるほど「言う側」と「言われる側」を経験します
そして、どのようなことになるのかという経験もするでしょう。
私も看護師を長年やってきていくつか経験をしてきました。それを元に経験談を紹介していきます。
私の経験談であり、それ以外に経験したことがある人も多いと思うので、ぜひ職場の先輩などにも一つのエピソードとして聞いてみてください。
また、言ったからとこのようなことが必ず起きるわけではありません。
起こる確率が高いということだけ踏まえた上でぜひ読んでみてください。
新人時代に必ず言ってしまう
看護師の資格を取得し、多くの看護師が大きな病院へ最初は勤めるでしょう。
私も、取得して実習先でもあった病院へ勤務しました。
最初は勤務に慣れないことから、業務が落ち着いてると感じたことは一度もありません。
これは新人看護師だからこそでしょう。
一つ一つの業務が新鮮で、覚えることも多く、「忙しい」の一言です。
しかし徐々に業務にも慣れ、周囲を見渡せる程の余裕が出てくると、ある日感じることがあります。
「今日落ち着いてる日だな」
と。そして、何気なく先輩に「今日は落ち着いてますね」と嬉しそうに言います。
これは私もやりました。
そして先輩から「言っちゃダメ!」と怒られるのです。
それに驚いて、何故なのか確認をして初めて言ってはいけないことを理解するでしょう。
これに関しては、学校でも実習でも学ぶことはないので、看護師としてデビューし、初めて学ぶ一つのこととなる人が多くいます。
慣れた後もポロっと言ってしまう
新人看護師時代にそのような経験をし、言わないでおこうと頭の中に入れてから数年たち、ふと思うことが何度もあります。
「落ち着いてるな」と。
もちろん言葉として言った瞬間にどうなるかは理解しているので、絶対に口にしないようにする看護師が多いでしょう。
しかし、気を抜いている瞬間にして独り言のようにポロっと出てしまうことがあります。
私は患者のデータ入力時に何気なく言ってしまいました。
もちろん、言うつもりはありませんでした。
そして、言った瞬間にはっと我に返り周囲に目を向けました。
すると、聞こえていた看護師の顔が強張り、私の方に向いた瞬間の緊張感はいたたまれません。
その後、入院患者やナースコールの嵐。
その日の残業はもちろん、他の看護師から笑いながらではありましたが、責められたりもしてひどく後悔しました。
言われる側になって初めて言わなくなる
これも看護師として働き始めて数年経つと、自分の後輩が何人も看護師として就職してきます。
そして、自分が新人看護師だった時と同様に新人看護師から「今日は落ち着いてますね」という笑顔をもらうでしょう。
私も看護師として数年働き、後輩が出来た時に教育係として受けたことがありました。
比較的その日は仕事が落ち着いていたということもあり、新人看護師と他愛もない話をする時間がありました。
その瞬間、一つの話題として新人看護師が「今日はいいですね、落ち着いてて」と言ってきたのです。
私はその時に、自分の新人看護師時代を思い出し、「先に伝えておけばよかった」と後悔しました
そして、怒ることはありませんでしたが、「その言葉、言っちゃだめだよ。本当に忙しくなるから」と助言をしておくと、新人看護師も驚いた顔をしていました。
もちろん、その数分後に入院患者が2人程来たことや、受け持ち患者の急変、急遽処置が必要など忙しくなったことで新人看護師も納得していました。
まとめ
「今日落ち着いてますね」という言葉は看護師として働いていれば必ずと言っていいほど言ってしまいます。
このようなことは看護師業界では『言ってはいけない言葉』として暗黙のルールとしてベテラン看護師の間では知られていますが、新人看護師はそれを知りません。
そのため、新人看護師時代に、言ったことで先輩看護師に説明を受けてもらったり、言ったことでどういう状況になるのか理解をするでしょう。
言ってしまったことは取り消せないもので、またこのような経験をすることで看護師業界の暗黙のルールというものも知ることができるでしょう。
このように多くの経験をして看護師として技術や知識ではない、社会のルールを知る良い機会にもなっていきます。