不穏患者 ミトン 点滴 インシデント

看護師として現場で働いていると、「これって本当に私たちの責任なの?」と思わされる瞬間が頻繁にあります。

 

不穏患者が点滴を引っこ抜く、ミトンを破壊する、果ては物を壊してしまう…。

その対応に追われた挙句、インシデントレポートを書かされる理不尽さには、どれだけ慣れても納得できません。

このような現実に直面したとき、皆さんもきっと同じ気持ちを抱くはずです。

 

今回は、こうした現場の問題について掘り下げながら、看護師が抱える理不尽な状況とその背景について考えます。

 

点滴を引っこ抜く患者たち~予防策の限界

 

「ミトンをしているのに、なぜ点滴を抜けるの?」と思うこと、ありませんか?

例えば、ミトンをしている手で器用に管を絡めて鼻腔酸素チューブを引っこ抜いたり、点滴ルートを外してしまったり…。

防止策をいくら講じても、患者さんの行動が予想を超えることは珍しくありません。

 

さらに、これに対して「再発防止策」を求められることも多いのが現場の現実です。

防ぎようがない事態に対して、どうやって具体的な解決策を出せというのでしょうか。

 

こうした患者さんの行動を完全に抑えることは不可能。

それでも、「もっと安全対策を強化して」「何か予防策を考えて」と言われると、やり場のないフラストレーションが溜まりますよね。

 

ミトンが無効であれば拘束に頼りたくなる気持ちもありますが、抑制に対する社会的な批判も強く、現場では難しい選択を迫られることが多々あります。

 

 

 

夜勤の過酷さ~「これが現実なのか?」と思わされる勤務環境

 

夜勤中、不穏患者の対応に追われた経験がある方は多いはずです。

看護師1人で何十人もの患者を見なければならない中、夜間も患者さん全員が静かに寝てくれるわけではありません。

不穏患者が暴れて点滴を引っこ抜いたり、物を壊したり、病室内を荒らす行動に出た場合、その対応だけで多くの時間を取られてしまいます。

 

そんな中、他の患者さんからもナースコールが連続で来る状況…。

まさに「現場崩壊」と感じる瞬間です。

夜勤が終わり、疲れ切った状態でインシデント報告書を書かされるとき、「なんでこんな目に遭うんだろう」と思わずにはいられません。

 

しかも、それが一度きりのケースではなく、何度も繰り返される現実に、心が折れそうになることもありますよね。

 

 

 

暴力行為を受ける看護師~「私たちの安全はどこに?」

 

患者さんからの暴力行為も看護師にとって大きな問題です。

顔を殴られる、物を投げつけられる、眼鏡を壊される…。

こうした状況は、看護師にとって命の危険を感じるほど深刻な場合もあります。

 

さらに問題なのは、壊された物品について患者家族から弁償を求めることさえ許されないケースが多いという点です。

「患者さんの人権」を守るために看護師側が泣き寝入りする現実が、理不尽さをさらに助長しています。

 

例えば、私が目撃したケースでは、患者さんが突然暴れだして壁に穴を開けたり、ナースコールを投げつけて壊したり…。

しかし、その責任は一切追及されることなく、対応した看護師がただインシデントを書いて終わり。

こうした状況に、「私たちの安全は誰が守ってくれるの?」と感じた経験は、皆さんにもあるのではないでしょうか。

 

 

 

抑制に対するジレンマ~「人権」と「安全」の狭間で

 

患者さんが自己抜去や転倒を繰り返す場合、抑制や柵を使用することを検討せざるを得ません。

しかし、それに対して「人権侵害だ」と批判を受けることもあり、現場では看護師が板挟みになることが多々あります。

患者さんの安全を守るために抑制をする必要性があっても、それを行った結果、クレームや家族からの抗議を受けることに…。

 

一方で、抑制や柵があったとしても、それをすり抜けてしまう患者さんもいるため、100%安全を保証することはできません。

 

こうした矛盾の中で、「どんな方法を取れば正解なのか?」と悩み続ける看護師が多いのではないでしょうか。

 

 

 

看護マネジメントの課題~勤務体制の見直しが必要

 

看護師の勤務体制そのものに問題を感じたことはありませんか?

特に夜勤では、「夜は患者さんが寝るもの」として勤務割りが組まれることが多いですが、現実には不穏患者や夜間徘徊が絶えない状況があります。

それにも関わらず、夜勤スタッフの人数は限られており、場合によっては1人で対応を迫られることも。

これがどれほど過酷な環境か、現場の声を聞かずして改善されることはありません。

 

さらに、応援を呼んでも期待通りのサポートが得られないこともあります。

例えば、小柄な看護師が複数人で不穏患者を抑えるしかなく、結局は物理的にも精神的にも疲弊してしまう…。

現場を理解しないマネジメントに対して、「本当にこれが最善の方法なのか?」と疑問を抱くことも少なくありません。

 

 

 

モンスター家族との戦い~看護師への要求がエスカレート

 

患者さんだけでなく、その家族からの理不尽な要求も、看護師の大きな負担となっています。

「もっとこうしてほしい」「あれをやるべきだ」といった要求に対応する中で、「そんなに不満があるなら、自宅で看護してください」と言いたくなる場面も。

しかし、それを言えば即座にクレームに繋がり、看護師側が矢面に立たされることになります。

 

看護師が現場で対応している中で、こうした家族の無理難題にまで対応しなければならない現実は、精神的なストレスを増幅させる要因の一つです。

 

 

 

予防策を求められる理不尽~「お前がやってみろ」と言いたくなる瞬間

 

点滴の自己抜去やチューブの引っこ抜きといった問題に対して、「どうすれば防げますか?」と問われると、看護師としても答えに窮することがあります。

完全な予防策がない中で、「では、あなたが現場で試してみてください!」と思わず言いたくなることも。

実際に現場で働いていない人が簡単に「対策」を求めることに、無力感を抱くのは自然なことです。

 

 

 

まとめ

 

看護師として働く中で、不穏患者や暴力行為、理不尽な要求への対応は避けられない現実です。

しかし、そのすべてを看護師の責任として押し付けられる環境には限界を感じます。

患者さんの行動や物品の破壊については、本人の責任として処理できるシステムの整備が必要ではないでしょうか。

このままでは、私たちはいつまでも「おかしいよね?」という疑問を抱え続けることになります。

それでも現場に立ち続ける看護師の皆さん、本当にお疲れ様です。