クレーマー カルテ ブラックリスト

看護師 免許証 資格 白衣の探偵

 

私たち看護師の働く病院やクリニックは人の命を救う場所ではあるのですが、悪質なクレーマーや明らかに悪影響を及ぼす患者にはそれなりの対策を取ります。

 

それがブラックリスト入り」です。

 

病院にもブラックリストの他に特殊な仕事に就いている人や接し方注意の人、病院にとって特別な人なども記号や目印を入れて分かりやすくします。

今回は、このブラックリストについてお話していきましょう。

ブラックリストに入るとどうなるのか、どのようにカルテに記載されることが多いのかなどお話をしていきます。

他にも私が忘れられない程のブラックリスト入りしたクレーマーはどのような人だったのかなど紹介していきますのでぜひ最後まで読んでみてください。

 

実はクレーマー患者は、カルテ等に書かれている?

 

クレーマー 患者 カルテ

 

患者さん自身は知らないことが多いでのですが、実はカルテには多くの情報が記載いるのをご存じでしょうか?

その人が注射や採血が苦手であることや、その人の職種であったり、性格が記載されていることもあります。

そして、クレームを言うとそれも記載されることがあります。

後にクレームを続ければ、クレーマーとして記載され、カルテに要注意人物として記載されることも・・・。



2021年1月にとったアンケート結果です。

19人という少ない回答でしたが、クレーマー対策としてカルテにブラックリストを記載する病院は存在します。

また、今回の結果で42.1%が「回答できない」という、まさに病院としてシークレットな部分であることを感じさせる結果となっています。

 

それはどのように記載されるのか、またブラックリストに入る患者さんとはどのような人なのか、入ってしまうとどうなるのかなど一緒にお話していきましょう。

 

 

カルテには職員内で伝わる目印がある

 

クレーマーに限らずではありますが、カルテには様々な目印があります。その一つがクレーマーやブラックリスト入りの患者さんです。

どれだけ小さな病院であっても患者さんが多く訪れるため、全ての要注意人物を覚えられるわけではありません。また、時間が経てば自然と記憶も薄れていくものです。

そのため、一目見て「この人は要注意だ」と把握するためにカルテに本人には分からないような目印をつけます。

例えば黒星であったり、〇の中に何かしらの文字が書いてあったりします。これは病院によって様々なので断定はできません。

 

 

余程のことがないとブラックリスト入りはしない

 

病院は病気の方や怪我をした方を見る場所なので、基本ブラックリスト登録を急にすることはありません。

ブラックリストに入るということはそれなりの事をしている人だと私は思っています。

では、病院でブラックリスト入りする程の人とはどのような人なのでしょうか。

 

ブラックリスト入りしやすい人は『クレーマー』です。

 

些細なことで文句を言う、病院の評価を落とすようなことを言いふらす、病院で大騒ぎするなど病院にとってマイナスイメージを与えかねないクレーマーはブラックリスト入れることがあります。

少し言い合いをしたということや、医師や看護師との喧嘩があったとしてという些細な問題ではブラックリストに入ることはありません。

 

 

ブラックリストに入ると、そこの病院では診ない?

 

ブラックリスト入りするということは、それだけ病院にとって悪影響を与えることや職員にとってマイナスになると判断されています。

そのため、ブラックリスト入りした患者さんはいくら通院歴が長かったとしても続けて通院させることはしません。

 

通院させることを拒むことができるの?

 

こう考える方は多いと思いますが、下記のような対応方法が厚生労働省で論議されています。

① 患者の迷惑行為
診療・療養等において生じた又は生じている迷惑行為の態様に照らし、診療の基礎となる信頼関係が喪失している場合(※)には、新たな診療を行わないことが正当化される。
※ 診療内容そのものと関係ないクレーム等を繰り返し続ける等。

厚生労働省 応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等についてより

ブラックリストに入るくらいのクレーマーは診療を拒まれることがあるということです。

来院拒否ということなので、新たな医療機関を探すことになるでしょう。

ただし、クレーマーなど厳重注意患者としてブラックリスト入り手前の人は診療を続けてくれます。

 

 

 

私が忘れもしないクレーマーとは?

 

クレーマー

 

何度もお伝えしているように、色んな病院でクレーマーというのは存在します。

ちょっとした言葉遣い、態度で目をつけられ、くどくどと文句を言われてしまう医療従事者はとても多いでしょう。

私も経験がありました。

それはどんなことなのか、今でも覚えているブラックリストにも入ったクレーマーについてお話していきます。

 

 

褒めたつもりが相手のプライドを傷つけた

 

その人は女性で、旦那様は偉い位の方でした。

見た目も華やかで気品がある方で、看護師とも常に楽しそうに話しており、性格も穏やかなように私は感じていました。

とある検査指示を受け、その検査患者さん自身にやってもらうもので、初めてやる方にとってなかなか成功することのない難しい検査でした。

その説明を私がやり、実施して頂いたところ2回目にして成功。

私は驚いて、気持ちをそのまま話してしまったのです。

 

「すごいですね!うまいですね!」

 

何も変わったことを言ったつもりなかったのですが、本人にとってはそうではなかったようです。

 

「あなた、私を子供扱いしているの?」

 

鬼のような形相に私は尻込みしてしまいましたが、

 

「いえ、本当にすごいと思ったので口にしました。私も他の患者さんも2回目で成功するなんてないんですよ」

 

そう伝えると、その方はそのまま何も言わずに無言で去っていき、その後も私の何か言う言葉に対して冷たい態度になり、医師や他の看護師にも私の悪口を言うように。

 

その後、医師から

「あの人はすごく気難しい人だから気にしないで。ただ、クレームがすごいから、もう関わらない方がいい」

と言われ、カルテにクレーマーとして要注意の印がつきました。

 

 

看護師の多くが手技に失敗し患者を怒らせた

 

この患者さんは、とても血管が細く、手技をするのに難しい方でした。

看護師誰もが緊張する程です。

そのような方に限って月に2回の点滴を行うことがあり、来院するのもその人の都合なので、決まった日に来るというわけではありませんでした。

 

そんなある日、来院してきた時に限っていつもその人の点滴をできる看護師が休みでいなかったのです。

その場にいた看護師は4人。

誰かしらできるだろうと挑戦したのですが、全員針を挿入することができず、困っていると、その患者さんが痺れを切らし怒ってしまいました。

当たり前だとは思ったのですが、まさかの言葉を吐いてきたのです。

 

「誰もできないなんておかしいんじゃないの!あなた達全員下手なのよ!こんなに何度も刺されるなんてこの病院はおかしい!みんな辞めたら?」

 

と。その剣幕に私も驚いたのですが、患者さんが言い放った言葉にふつふつと怒りが。

 

「あの!」

 

と私が声をかけたところで、先輩が止めました。そして一言。

 

「私達の技術が怠らず申し訳ありません。しかし、そのように言われる筋合いもありません。」

 

そう言うと患者さんは出ていき、受付で騒ぎ出し院長が出てくる始末。

院長はその人と最終的に言い争いになりその人はブラックリストに入り。

二度と来院することはありませんでした。

 

 

 

クレーマーに一言!私の気持ち!

 

クレーマー 一言

 

私たち病院に勤める医療従事者というのは、患者さんのことを懸命に思っています。

出来る限りの治療をしたい、寄り添っていきたい、支えていきたいと。

 

ただ、私達の仕事は決してサービスだけではありません。

 

何を言われても平気というわけでもありませんし、手技などに関しては技術問題もありますが、相性というのもあります。

失敗をした時、誰よりも責任を感じ落ち込んだりもしています。

もし怒りを感じたとしても、その場で本人には言わずに他の看護師や医師に伝えて下さい。

もし本人に伝えてしまうと、その一言で看護師としての自信を無くし、辞めたいと思う人も少なからずいます。

 

クレームをするなというわけではありません。

言いたいことを我慢する必要もありません。

ただ、時と場合を選んでいただけるといいと思います。

 

そして、あまり言い過ぎると来院拒否を受ける可能性も高いので気を付けてください。

 

 

 

まとめ

 

病院はサービスでやっているわけではありません。

看護師も同じ人間。

今回の記事の後半を書いているときは、私自身ストレスを感じてしまいました。

ひどいクレームが多ければ、診察できない可能性もあります。

特に昨今はコロナ禍の影響もあって、医療従事者は本当に大変な状態であるということを感じていただければと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。