大学病院 看護師 採血できない

看護師 免許証 資格 白衣の探偵

 

大学病院の看護師は採血できない!」って聞いたことはありませんか?

 

今現在看護師を目指している方なら、「採血ができない看護師ってありえない!」と考えてしまうかもしれません。

 

実際に働いていた私が、大学病院で見てきた看護師の実態を解説していきます。

 

大学病院の看護師は採血できないって本当なのか?

 

大学病院 看護師 採血

 

看護師の主な業務の1つとして、採血を思い浮かべることが多いですよね。

採血は、働く場所によって頻度が高い、ほとんど実施しないといった差がある看護技術です。

中でも、大学病院で働く看護師は採血ができないのではと思われることが多々あります。

 

それは本当なのでしょうか?

 

結論を申し上げると、大学病院の看護師は「採血ができない」というよりも「採血はできるが苦手な看護師が多い」と言った方が正しいでしょう。

 

大学病院で働く看護師が採血を苦手と思ってしまうのには、2つの理由がありますので解説していきます。

 

 

採血の失敗経験者

 

大学病院に入院している患者さんで採血が必要とされる場合、高確率で血管が見えにくい。

手背や足背の細い血管から採血を試み失敗し、他の看護師に助けを求めまた失敗。

最終的にごく微量の血液から検査データを出してもらったり、医師から採血してもらったりという状況になる場合も少なからずあります。

 

それが常時であれば、特に新人看護師なら間違いなく採血への苦手意識が芽生えます。

 

「自分は採血が苦手。また失敗する。」

 

そう考えているうちに採血に対して苦手意識が芽生えてしまい、採血をしなくなってしまう看護師もいるのです。

 

 

採血の経験があまりにも少ない

 

配属部署にもよりますが、大学病院の病棟看護師の場合は、外来で採血を済ませていることが多いです。

そのため、一般の入院患者さんに対する採血の実施が少ない診療科もあるのです。

 

病棟では医師の指示により、必要な患者さんへの採血だけが行われるので、必然的に看護師が採血をする頻度が少なくなります。

よって、数をこなさなければ手技の上達もせず、採血を苦手と思ってしまうのは当然かもしれませんよね。

 

このように大学病院の看護師にとって採血は、苦手意識を持ちやすい看護技術なのです。

 

しかし、大学病院では新人教育のため必ず重点的に採血を経験する期間があるので、下手だったり得意ではなかったりしても採血ができない看護師はいないと思って良いでしょう。

 

 

看護師だからと言って採血の頻度には個人差がある

 

看護師 採血

 

大学病院で働く場合は、看護師だからと言って必ず頻繁に採血をするわけではありません。

その頻度には個人差があるということを知っておきましょう。

 

まずは、採血が多い部署や診療科、逆に少ないまたは医師が採血することが多い部署や診療科についてお話していきます。

 

 

採血が得意な看護師になれる環境

 

大学病院内で採血が最も多い部署は採血室、健診センター、外来や検査室、透析室。

採血室や健診部門は、いかに早いスピードで安全に大勢の人数をこなせるかが勝負です。

 

また、採血が多い診療科は糖尿病や腎臓疾患、血液疾患を扱う病棟です。

頻繁に血液検査をして病気の状態を観察する必要があります。

 

このような部門、診療科に配属された場合は、毎日何十人もの採血をすることになるため、採血への苦手意識が出てくるよりも、「一番得意な看護は採血です」と自信を持って言えるようになります。

 

 

採血が苦手になってしまう看護師の環境

 

一方で、看護師が採血するよりも医師の方が多い部署や診療科があります。

それは、手術室やICUなどの高度な医療が必要な部門、小児科などの血管が細すぎて失敗が許されないような診療科の場合です。

 

医師でも研修医や若手の医師よりも、ベテラン看護師の方が採血は失敗せずに出来るかもしれません。

病院によって違いますが、大学病院では看護師だけではなく、研修医の育成も行うため難しい採血を研修医が実施することも多いのです。

 

このように、配属された部署や診療科によって、採血の頻度には個人差があることが分かります。

 

 

 

実は勤務時間によって採血ができなくなる?

 

勤務時間 採血

 

実は勤務時間によっても採血ができなくなってしまったり、苦手意識を持つこともあるのでご紹介していきます。

前述したように大学病院では、病棟入院前の採血は外来で済ませていることがほとんどです。

そのため採血が数人しかいない日があることも普通にあります。

 

定期的に血液データを確認している患者さんは、深夜勤務の看護師が起床時に採血を担当することがあります。

看護師の人数が日勤帯より少ないので、1人あたりの採血人数は多い。

 

さらに忙しい朝の時間は失敗しても他の看護師に応援を頼めない状況なので、個人の高い採血スキルが必要になってきます。

 

また、準夜勤の専従といった制度を取り入れている病院で働いていると、その期間の1ヵ月以上は採血していない看護師もいます。

 

つまり、自分の勤務によって採血があったり無かったりと差が出てくるという事です。

 

勤務による採血の頻度は、

深夜帯
 ⇓
日勤帯

準夜勤帯

 

の順に少なくなります。

 

基本的に新人や経験が少ない看護師に実施してもらうので、1週間以上採血する機会がないという状況もよくあるのです。

 

看護師の配属部署や診療科、勤務形態によって採血の頻度に個人差があるので、「採血が好き・失敗が少ない」看護師「採血が苦手・下手」な看護師に分かれてしまいます。

 

残念ながら患者さんに「大学病院の看護師は、採血が出来ないのか!」と言われてしまうこともあります。

 

大学病院で働いている間、採血のスキルを磨き他の看護師に差をつけたい場合は採血室や健診部門に異動する以外ありません。

 

逆にあまり採血をしたくない場合は、手術室やICUなどに希望を出すのが良いでしょう。

 

このように、看護師にとって採血は頻度だけではなくスキルにも個人差が出てくる技術と言えます。

 

 

 

採血できないと看護師にはなれないのか?

 

採血 看護師

 

一般的には「看護師=採血ができる」というイメージがありますよね。

 

では、採血ができないと看護師にはなれないのでしょうか?

 

結論を申し上げると、「採血ができなくても看護師にはなれるが、採血はほとんどの看護師が経験する」と言った方が良いでしょう。

 

特に大学病院では教育制度があるので、必ず採血を経験します。

また民間病院やクリニックでは看護師の人数が少ないので、それなりに採血の技術も必要となります。

ほとんどの看護師は、看護学校を卒業した後に病院に就職し、そこで一度は採血に触れることになるでしょう。

 

自分が採血は苦手だからと、採血の頻度が少ないまたは全く無い職場に転職することも勿論可能。

 

つまり、自分の働く場所が採血を必要としない職場であれば、採血ができなくても看護師として働くことは可能です。

 

どのような職場が採血をする必要が無いのか、具体的にお話していきますね。

 

 

採血を必要としない働く場所

 

看護師になったけど「採血はしたくない!」と考えているのであれば、次に紹介する働く場所がオススメです。

 

1つ目は保育園・幼稚園、小中高の保健室、大学の健康管理室で働く場合です。

保育園や幼稚園は全ての園に看護師が常駐しているわけではありません。

しかし、学校関係では必ず校内に看護師(養護教諭の免許あり)が働き、生徒の健康管理やケガの処置などをしています。

ここでは採血を実施することはなく、連携したクリニックや病院で実施します。

 

2つ目は企業内の医務室、健康管理室で働く場合です。

企業で働く従業員の健康管理をメインに仕事をします。

そして、ここでも採血は行わず、連携している病院で実施します。

 

3つ目は老人保健施設で働く場合です。

医療行為を必要としない高齢者が入所しているところやデイサービスでは、採血は必要ありません。

こちらも連携したクリニックや病院があるので、何かあればそちらの看護師が採血を行います。

 

4つ目はツアーナースやイベントナースとして働く場合です。

旅行やイベントに同行する看護師で、単発の仕事です。

ここでも採血は必要ありません。主に利用者の健康管理を行います。

 

5つ目は治験コーディネーターとして働く場合です。

製薬会社、患者さん、医師などのコーディネーターをする役割であり治験関係の仕事をするので、採血は実施しません。

このように、採血が出来ないからと言って看護師になれないわけではありません。

 

例えば、採血が上手い看護師になりたいならば大学病院やクリニック、健診センターなどの採血をする機会が多い職場で働く。

採血が苦手と思えば、他の看護師のスキルを使った職場で働くことが出来るのです。

 

 

 

まとめ

 

今回は大学病院の看護師は採血できないのか?のお話しさせていただきました。

 

採血が出来るか出来ないかで、看護師が向いていないと決められるものではありません。

 

苦手なことを克服しようとするのも、他の技術を磨くために様々な分野で活躍するのも、どちらも看護師にとって大事なことです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。