公認心理師と看護師のダブルライセンスが注目されているのをご存じでしょうか?
看護師の事は誰もが知っているでしょうが、公認心理師の事を知っている方は圧倒的に少ないのではないでしょうか。
公認心理師は、精神科医や臨床心理士と比べると圧倒的に知られておらず国家資格であるにも関わらず認知度が少ないと言われています。
しかし最近では公認心理師と看護師のダブルライセンスが注目されつつあると私は考えています。
公認心理師と看護師のダブルライセンスが注目されてきている理由や、それにかかわるメリット・デメリットなどを解説していきますので是非チェックしてみてください。
公認心理師と看護師のダブルライセンスが注目されている理由
公認心理師と看護師のダブルライセンスが注目されている理由には、複数の分野にまたがる知識や技能が身についているため、患者さんにより良い医療サービスを提供できるという点が挙げられます
まず、看護師としての知識と技能は、医師や薬剤師と並んで医療チームの中心的存在であり、患者さんの治療やケアに欠かせないものです。
看護師は、身体的なケアだけでなく、心理的なケアにも関わることもありますが、状況によっては公認心理師の知識や技能が必要になってくる可能性もあります。
例えば、患者さんがストレスを抱えている場合には、看護師としてのスキルだけではなく、心理的なサポートが必要な場合もありますよね。
こうした場面で公認心理師の資格を持っている看護師なら、より適切なアプローチができるため、患者さんにとっても安心できる存在となれるわけです。
また、看護師としての業務に加えて、公認心理師としての業務もこなせることで、より幅広い分野で活躍できるようになります。
例えば、在宅医療や介護などでは、身体的なケアだけでなく、精神的なケアも求められる事もあります。
公認心理師と看護師のダブルライセンスを持つことで、より幅広い範囲で医療サービスを提供できるため、今後需要が高まっていると考えられます。
公認心理師と看護師のダブルライセンスで何が出来る?
公認心理師と看護師のダブルライセンスで何が出来るかもっとわかりやすく解説していきます。
この事を知れば、将来的にも注目されている事も改めてわかるでしょう。
専門分野の知識を組み合わせた医療ができる
公認心理師と看護師の両方の知識を持つことで、身体的な側面だけでなく、心理的な側面にも対応できます
看護師として患者さんの体調や症状を見て、必要に応じて治療方針を提案すると同時に、公認心理師として心理的なサポートやカウンセリングを行うことができます。
これにより、患者さんの健康状態を総合的に把握し、適切な治療を行うことが出来るようになります。
患者さんに対するより良い医療が提供できる
ダブルライセンスを持つ看護師は、患者さんに対してより良い医療を提供することができます。
たとえば、大きな病気の治療においては、治療による身体的な副作用に加え、心理的な負担も大きな問題となります。
ダブルライセンスを持つ看護師は、患者さんが抱える心理的な負担に対しても適切なサポートを提供することができます。
キャリアアップの機会が増える
ダブルライセンスを持つ看護師は、看護師や心理士としてのキャリアアップの機会が増えます。
たとえば、病院やクリニックなどでの診療補助や、カウンセリング業務など、より幅広い分野で活躍することができます。
また、公認心理師の資格を持っていることで、看護師にはできない、精神保健福祉士や臨床心理士としてのキャリアアップも可能なのです。
公認心理師と看護師のダブルライセンスのメリット
看護師が公認心理師の資格を持つことでのメリットをご紹介していきます
継続的な支援が可能になる
公認心理師と看護師のダブルライセンスを持っている場合、継続的な支援が可能になるというメリットがあります。
心身ともに健康であることは、誰にとっても望ましいことですが、現実には病気やトラブルに直面することがあります。
病気やトラブルに対する適切な対応は、専門的な知識と経験が必要です。
こうした場合、ダブルライセンスを持つ看護師が、病気やトラブルに関する医療的な支援を提供しつつ心理的な支援を提供することができます。
例えば、ある人が、ストレスやうつ病などの精神的な問題を抱えている場合を考えてみましょう。
心理的な支援を受けることで、その人がストレスやうつ病から回復することが期待できますし医療の面と心理的な面を同じ人からサポートしてくれる事は患者さんにとっても安心できる存在と言えるでしょう。
複数の専門性を持つことで多彩な職場が選択可能
ダブルライセンスを持っていると、多彩な職場で活躍することができます。
例えば、看護師としての業務だけでなく、公認心理師としての知識を活かすことができる精神科病院や心療内科などの施設での勤務がしやすくなります。
多彩なキャリアアップの機会がある
ダブルライセンスを持つことで、多彩なキャリアアップの機会があると言えます
例えば、看護師としての経験を活かして、公認心理師としてのスキルを磨き、心理療法士や臨床心理士の資格を取得することができます。
また、公認心理師としての経験を活かし、カウンセラーや臨床心理士としてのキャリアアップも可能です。
複数の業務で収入アップの可能性がある
ダブルライセンスを持つことで、複数の業務で働くことができるため、収入アップが見込める可能性があります。
例えば、公認心理師としての業務と看護師としての業務を両方こなすことで、より高い報酬を得ることができます。
公認心理師と看護師のダブルライセンスのデメリット
メリットをご紹介していきましたが看護師が公認心理師の資格を持つうえでのデメリットも存在しています
これから公認心理師の資格を取る事を考えているのであれば是非確認してみてください。
専門性が分散されるので中途半端な知識しかない?
両方の資格を持つという事は、専門性が分散されるため、中途半端な知識しか持てない可能性があります。
例えば、看護師の専門分野である「薬剤管理」においては、厳密な薬剤の種類や効能を理解していることが必要です。
一方、心理師の専門分野である「カウンセリング」においては、心理学の知識やカウンセリング技術が必要です。
これらの分野に精通している場合、それぞれの分野での専門性を高めることができますが、ダブルライセンスを持っている場合、人によってはどちらの分野でも中途半端な知識しか持てないこともあります。
診療チーム内での役割が曖昧になる?
専門性が分散されることで、診療チーム内での役割が曖昧になる可能性が考えられます
看護師と心理師はそれぞれ、診療チーム内での役割が明確に定められていますが、ダブルライセンスを持っている場合、どちらの分野でも活躍することができるため、診療チーム内での役割が曖昧になってしまうことがあります。
これは、他の専門職との役割分担がスムーズに進まなくなる可能性があるため、診療の質が低下してしまうことが懸念されます。
費用と時間がかかる
公認心理師と看護師のダブルライセンスを取得することは、費用と時間がかかることがあります
まず、費用についてですが、公認心理師の資格を取得するためには、大学院や専門学校での修学が必要となります。
また、専門の教材やセミナーに参加することも必要になってくるでしょう。
これらの費用は、自己負担である場合がほとんどであり、莫大な額になることもあります。
このように、公認心理師と看護師のダブルライセンスを取得することは、費用と時間がかかります。
しかし、その分、より幅広い視野やスキルを身につけることができるため、将来的にはキャリアアップの可能性が高まるというメリットもあることを忘れずに考えていきましょう。
職場での役割が限定される
公認心理師の資格を持つ看護師は、専門的な知識やスキルを2つ持っているため、様々な現場で活躍することができます。
しかし、その一方で、職場での役割が限定されてしまうというデメリットも存在します。
例えば、ある施設において、看護師として働く場合、主に健康管理や医療行為を行います。
一方、心理カウンセリングやメンタルケアの分野では、公認心理師の役割が重要になってきます。
しかし、ダブルライセンスの場合、働く場所によってはどちらか一方の役割が優先されることがあり、もう一方の分野に関する業務を担当する機会が少なくなってしまう事があるのです。
また、職場での役割が限定されると、同時にキャリアアップの機会が少なくなってしまうことも考えられます。
例えば、看護師としての業務に専念している場合、公認心理師としてのスキルを磨くための研修やセミナーに参加する機会が少なくなってしまい、専門性を高めることが難しくなるかもしれません。
ダブルライセンスの場合、2つの分野に関する知識やスキルを持つことで、多様な業務に取り組めるというメリットがありますが、職場での役割が限定されるというデメリットもあるため、自身のキャリアアップやスキルアップを目指す際には、働き環境に影響されることがあります。
公認心理師の資格を持つ看護師の将来性
公認心理師の資格を持つ看護師は、多岐にわたる分野で活躍することができます
将来的にも注目されていくと考えられますが、どの様な場面で期待できるのか見ていきましょう。
精神科病棟や緩和ケア病棟での活躍
精神科病棟や緩和ケア病棟での患者さんには、身体的なケアだけでなく、心理的なケアが大切になってきます。
看護師の中には、患者さんの心理的な問題に対応するために、公認心理師の資格を取得する方が増えきており、患者さんの心理的な状況を把握し、的確な支援を行うことができます。
例えば、うつ病の患者さんに対しては、薬物治療だけでなく、認知行動療法や対人関係療法などの心理療法も行うことが重要です。
公認心理師の資格を持った看護師は、こうした心理療法を提供することができます。
在宅医療での活躍
在宅医療においても、公認心理師の資格を持った看護師は必要不可欠な存在となっていくでしょう
在宅医療では、患者さんとその家族が自宅で過ごすことが前提となります。
そのため、家族の介護負担が増え、患者さんの心理的な負担も大きくなることがあります。
公認心理師の資格を持った看護師は、患者さんや家族の心理的なケアを行い、在宅医療がスムーズに進むようにサポートすることができます。
保健センターでの活躍
保健センターは、地域住民の健康管理や予防医学の拠点として重要な役割を担っています。
そこで公認心理師の資格を持つ看護師が活躍することで、より充実した健康支援を提供することができます。
例えば、ストレスや不安、うつ病などの精神的な問題に悩む人に対して、カウンセリングや心理的な支援を提供することができます。
また、食生活や運動習慣などの生活習慣病予防にも関わることができます。
公認心理師の資格を持っている看護師は、その専門性を活かして、地域住民の健康増進に貢献することができますね。
健康診断施設での活躍
健康診断施設は、企業や自治体などが提供する健康診断サービスを提供する施設です。
公認心理師の資格を持つ看護師が健康診断施設で在籍することで、健康診断における心理面のサポートやアドバイスを提供することができます。
例えば、健康診断の結果によって悩んでいる人に対して、健康な生活習慣のアドバイスや、心理的な問題についてのカウンセリングを提供することができます。
また、企業などが実施するストレスチェックに関する相談にも対応することができます。
公認心理師の資格を持つ看護師は、健康診断において、身体と心の健康をトータルでサポートすることができるのです。
まとめ
公認心理師と看護師のダブルライセンスを持つ方の将来性や取り組みなどについて解説していきました。
ダブルライセンスを持つ本人にもメリットがありますが、患者さんにもメリットがあります。
勿論資格を取る事は簡単ではありませんが、今後注目を浴びる存在となっていきます。
もし、ダブルライセンスに興味があるのなら、今回の記事を参考に将来性を考えてみてはいかがでしょうか?