看護師として働いていると、「入院中の患者さんと恋愛関係に発展することってあるの?」という質問を受けることがあります。
この話題はドラマや映画でも取り上げられることが多く、一部の人たちの間では「憧れの関係」として語られることもありますよね。
でも、実際の現場ではどうなのでしょうか?
今回は、看護師と患者さんの恋愛事情について掘り下げてみたいと思います。
看護師仲間も「あるある」と思う部分や、「そんなこともあるの?」と驚く事例も含めてお話しします。
看護師と患者さんの恋愛、本当にあるの?
まず結論から言えば、「看護師と患者さんの恋愛が発展するケースは、あるにはあるけど非常に稀」です。
私たち看護師は、仕事として患者さんと接しており、患者さんの健康状態の管理や治療のサポートを最優先に考えています。そのため、恋愛感情を抱く機会はほとんどありませんし、それ以上に忙しいので無理です(笑)
ただ、これまでの経験や同僚の話を聞いていると、患者さんから連絡先を渡されたり、ご飯に誘われたりして恋愛関係に発展したケースがゼロではないというのも事実。
特に、退院後に連絡を取り合うようになり、その後お付き合いに発展するパターンが多いようです。
ただし、この成功率はかなり低いと言えます。
看護師としては、患者さんを仕事の一環として見ているため、恋愛感情を抱くのは難しいことがほとんど。
でも、時には「素敵な患者さんだな」と感じることがあり、それが恋愛に繋がる可能性もゼロではありません。
なぜ患者さんは看護師に恋愛感情を抱くのか?
患者さんが看護師に恋愛感情を抱く理由には、いくつかの心理的な要因があるようです。
まず、入院中の患者さんは日常生活から切り離され、心身ともに不安定な状態にあります。
そんなとき、親身に接してくれる看護師は患者さんにとって「癒しの存在」となります。
特に、毎日顔を合わせて親切にケアを受けることで、患者さんにとって看護師は「特別な存在」に映ることがあります。
これは、普段の生活では味わえないほどの優しさや気遣いを受けることで、恋愛感情に近い気持ちが芽生えるためです。
また、「病は気から」という言葉があるように、精神的な安心感が体調の回復に繋がることもあり、それが感謝の気持ちと恋愛感情を混同させる原因にもなり得ます。
たとえば、体を拭いてもらったり、食事をサポートしてもらったりする中で、患者さんが「自分にこんなに近く接してくれる人はほかにいない」と感じることがあるかもしれません。
こうした場面で恋愛感情が芽生える患者さんも少なからずいるのです。
実際に恋愛に発展した看護師と患者さんの事例
実際に、患者さんと恋愛関係に発展した看護師の事例もあります。
私が聞いたのは、退院後に患者さんから連絡先を渡され、それをきっかけに連絡を取り合うようになり、交際に発展するケースです。
ある看護師の同僚が話してくれた例では、患者さんが退院する際に感謝の言葉と一緒に「これからもお話しできたら嬉しいです」と手紙を渡してきたそうです。
その看護師は最初こそ迷ったものの、その患者さんが礼儀正しく、またケアの中で人柄の良さを感じていたため連絡を取り合うようになり、結果的にお付き合いに発展したとのことです。
その後、その2人は結婚まで至ったそうで、看護師仲間の間でも「まさかそんなことがあるなんて!」と驚きの声が上がっていました。
ただし、このようなケースは非常に稀であり、患者さんと看護師の恋愛が成立することは少ないというのが現実です。
看護師が患者さんに恋愛感情を抱くことはあるの?
逆に、看護師側が患者さんに恋愛感情を抱くことはあるのでしょうか?
正直なところ、非常に稀だと思います。
なぜなら、看護師にとって患者さんはあくまで仕事の対象であり、感情的な境界線を引いて接することが基本だからです。
それでも、患者さんの中には容姿端麗で清潔感があり、さらに礼儀正しい人がいると、看護師同士の間で「あの患者さん、素敵だよね」と話題になることはあります。
特に女性が多い職場では、そうした「イケメン患者さん」について冗談を言い合うことも少なくありません。
ただし、それが実際に恋愛感情に発展することはほとんどなく、看護師たちはプロフェッショナルとしての役割を優先しています。
もし看護師が患者さんに恋愛感情を抱いた場合でも、職場でそのようなことを表に出すのはリスクが高すぎます。
患者さんとの関係が職場に知られてしまえば、看護師としての信頼を失う可能性があるため、自分からアプローチすることは非常に難しいでしょう。
患者さんからのアプローチ、看護師はどう思っているのか?
患者さんから連絡先を渡されたり、食事に誘われたりすることについて、看護師の多くは「戸惑う」と答えます。
仕事中にそうしたアプローチを受けると、看護師としてのプロ意識が揺らぎ、「どう対応すべきか」と悩むことが多いのです。
特に、入院中に患者さんから連絡先を渡されると、その後のケアが気まずくなる可能性があります。
そのため、多くの看護師は、退院直前に連絡先を渡されるほうが負担が少ないと感じています。
看護師としては、患者さんに対して感謝の気持ちはあっても、仕事の一環として接しているため、恋愛感情を抱くことはほとんどありません。
ただし、連絡先を渡されても、それが礼儀正しく、思いやりのある形で行われた場合、看護師としても悪い気はしないという声もあります。
要は、その患者さんの態度やタイミングが重要なのです。
看護師と患者さんが付き合うためには?
もし患者さんが看護師と恋愛関係に発展させたいと考えているのであれば、タイミングとアプローチの方法が重要です。
入院中にアプローチするのは気まずさを生む可能性があるため、退院直前や退院後に感謝の言葉と一緒に連絡先を渡すのがベストでしょう。
また、看護師にとって患者さんの印象を左右するポイントは、清潔感や礼儀正しさ、そして感謝の気持ちを伝える姿勢です。
看護師にとって「この人は良い人だな」と思わせることが大切です。
その上で、自分の気持ちを正直に伝えれば、相手が応じてくれる可能性もあるでしょう。
まとめ
看護師と患者さんの恋愛が実際に起こることは非常に稀ですが、全くないわけではありません。
ただし、看護師としては患者さんをあくまで「仕事の対象」として見ており、恋愛感情を抱くことはほとんどないのが現実です。
それでも、患者さんが礼儀正しく、退院後にアプローチしてきた場合には、恋愛に発展する可能性もあります。
ただ、正直なところ、患者さんからのアプローチに戸惑ったり、気まずく感じたりする看護師も多いです。
看護師としては、プロフェッショナルな姿勢を崩さないことが何より大切です。
それでも、稀に発展する恋愛が結婚に至ることもあり、職場でその話を聞くたびに「本当にそんなことがあるんだ」と驚かされます。
とはいえ、現場の本音としては、「恋愛はあまり現実的ではないけど、患者さんからの感謝の言葉が一番嬉しい」というところではないでしょうか。