医師 看護師 働き方改革

看護師 免許証 資格 白衣の探偵

 

「医師の仕事を看護師に振り分けるって…冗談ですよね?」

こんな話を聞いたとき、正直、耳を疑いました。

だって、看護師の仕事は今でも手一杯なのに、さらに医師の仕事までやらせようなんて、いったい誰がこんなことを考えたのでしょうか?

 

医師の負担を減らすことが働き方改革なのは分かります。

でも、それを看護師に押し付けるって、一体どういう理屈なのでしょう?

 

そもそも、私たち看護師は「医師のアシスタント」ではありません。

「看護」という専門職であり、患者のケアを中心とした重要な役割を担っているのです。

それなのに、カルテ入力、代行オーダー、患者説明までやらされる…。

これが「働き方改革」なんでしょうか?

 

今回は、この理不尽な「タスクシフト」の問題について、一緒に考えていきたいと思います。

 

看護師の仕事、これ以上増やしてどうするの?

 

今でも看護師の仕事は膨大です。

病棟に出れば、夜勤でたった数人の看護師が何十人もの患者をみることも当たり前。

急変対応、点滴管理、食事介助、排泄のサポート、転倒リスクのある患者の見守り…これに加えて記録、申し送り、家族対応までこなさなければなりません。

それなのに、「医師の仕事もやれ」と言われたら、どう考えても物理的に無理です。

 

特に夜勤なんて、医師がいない時間帯だからこそ、看護師が全ての責任を背負っているようなものです。

転倒事故が起きれば、まず責められるのは看護師。

急変時の初動対応が遅れれば、やはり責められるのは看護師。

「医師に連絡しろ」と言われても、忙しすぎて電話すらすぐにかけられない状況なのに、そこに「医師の代わりにカルテ入力」なんて仕事まで追加されたら、一体どうなるのでしょうか?

 

現場を知らない人が「働き方改革」とか言いながら、適当に仕事を振り分けるのはやめてほしいです。看護師は便利屋じゃありません。

 

 

 

「医師の仕事は看護師へ」、じゃあ看護師の仕事は誰がやるの?

 

「医師の負担を軽くするために看護師が一部の業務を引き受ける」。

確かに、医師が過酷な労働環境にあることは理解できます。

でも、私たち看護師だって人手不足で限界ギリギリなんですよ。

 

もし本気で「働き方改革」を進めるなら、医師の仕事を看護師に振るだけじゃなく、看護師の仕事も誰かに振り分けるべきじゃないですか?

 

たとえば、看護助手の配置を増やして、食事介助や排泄介助の負担を軽減するとか、事務スタッフを増やしてカルテの整理や入力業務を任せるとか、いくらでもやり方はあるはずです。

でも、現実はどうでしょう?

「医師の負担を減らそう」という話ばかりで、看護師の負担がどうなるのかなんて誰も考えていません。

そもそも、看護師だって日々の記録業務に追われているのに、これ以上負担を増やされては、現場が回らなくなります。

 

「医師の負担を減らすためのタスクシフト」が、「看護師の過労死を増やす改革」にならないことを願います。

 

 

 

そもそも看護師はもう医師の仕事をやっている

 

「医師の業務の一部を看護師にシフトする」と聞いたとき、「え?もうやってますけど?」と思いました。

 

カルテ入力の代行オーダー、患者の状態報告、薬の指示確認、家族説明、急変時の対応…。

これらの業務、実質的にすでに私たち看護師がやっていますよね?

 

たとえば、薬の指示が曖昧だったり、必要なオーダーが抜けていたりすることは日常茶飯事。

そのたびに「先生、これどうします?」と確認を取るのは看護師の仕事。

 

でも、最近はそのやりとりすら看護師が先回りして入力してしまうことも増えています。

「医師の仕事を看護師がやるのが当たり前」みたいな流れになっているけど、それって本当に正しいことなんでしょうか?

 

 

 

看護師の専門性を軽視しすぎでは?

 

「医師の負担を減らすために、看護師がやればいい」なんて簡単に言われますが、そもそも看護師は「看護のプロ」です。

私たちの役割は、患者の状態を観察し、ケアを提供し、安全に療養できる環境を整えることです。

それなのに、「医師の仕事もやってくれ」と言われたら、看護の専門性はどこへ行くのでしょうか?

 

そもそも、看護師は医師とは異なる視点で患者を観察し、ケアを提供する仕事です。

その専門性を軽視し、「ただの便利屋」のように扱われるのは納得できません。

 

 

 

まとめ

 

はっきり言って、これ以上看護師に負担を押し付けるのはやめてほしいです。

すでに私たちは、「医師の仕事」「介護士の仕事」「事務員の仕事」を兼務している状態なのに、さらに負担を増やそうなんて、どれだけ現場のことを分かっていないのでしょうか?

現場では、患者の急変対応に追われ、夜勤中は1人で何十人もの患者を管理し、少ない人手で回しているのが実情です。

そこに「医師の業務も看護師がやればいい」なんて、どこまで負担を増やせば気が済むのでしょうか?

 

「働き方改革」なんて綺麗ごとを言うなら、まずは看護師の負担を減らすことを考えてほしい。

医師の業務を減らすことばかりを考えて、看護師を都合よく使おうとするのはもうやめてほしいです。

働き方改革と言うなら、「看護師の仕事も減らしてくれるんですよね?」そう問いかけたくなります。

 

「誰かが楽をするために、誰かに負担を押し付ける」のは、改革でも何でもありません。ただの「現場の崩壊」です。

この「タスクシフト」、本当に必要なのか、現場の声をもっと聞いてほしい。

 

少なくとも、「医師の仕事を看護師に振り分ける改革」ではなく、「医療全体の負担を均等にする改革」にしてもらわなければ困ります。