人のために働きたい過去の自分|今は人間関係で辞めたい!

看護師 免許証 資格 白衣の探偵

 

看護師を目指した理由を振り返ると、多くの人が「誰かの役に立ちたい」「困っている人を支えたい」といった純粋な気持ちからこの仕事を選んだのではないでしょうか。

私もそうでした。

患者さんに寄り添い、その人の生活や健康を支えることで、自分が社会に貢献できているという実感を得られる素晴らしい職業だと思っていました。

看護師は責任が大きく、人命に直結する場面も多いため、大変ではあってもやりがいがある仕事だと信じていました。

患者さんからの感謝の言葉や、ケアを通じて笑顔を取り戻す姿を見るたび、「この仕事を選んでよかった」と感じたものです。

 

しかし、現実は理想とは異なる厳しい一面を持っています。

忙しい現場、厳しい人間関係、終わりの見えない仕事量など、多くの要因が積み重なり、初心の気持ちが次第に薄れてしまうことがあります。

 

 

 

現場で直面する過酷な現実

 

私が看護師になってから気づいたのは、患者さんのケアだけでなく、膨大な事務作業や雑務、突発的な対応が日常的に発生するという現場の現実。

 

例えば、1日のスケジュールが組まれていても、急変患者の対応や、突然の指示変更で予定が崩れ、結果的に他の患者さんに割く時間が削られてしまうことが多々あります。

また、1人1人の患者さんにしっかり向き合いたいという気持ちがあっても、忙しさがそれを許さず、表面的なケアにとどまってしまうこともあります。

そのたびに、「本当に患者さんのためになっているのか?」と自分に問いかけるようになり、看護師としての自信を失ってしまうのです。

 

 

 

人間関係が心を蝕むことも

 

忙しい業務に加えて、職場の人間関係も大きなストレス要因になります。

看護師はチームで動くことが基本のため、同僚や上司、他職種との連携が欠かせません。

しかし、その中でトラブルや衝突が生じることもあります。

 

例えば、厳しい先輩からの指導が時に理不尽に感じられたり、意見が通らずに一方的に仕事を押しつけられることがあったりします。

また、上下関係がはっきりしている職場では、「このやり方で大丈夫なのだろうか」と感じても意見を言いにくい雰囲気があり、常に我慢を強いられる状況が続くこともあります。

 

私自身も、同僚との衝突や陰口、他人の目を気にしすぎることで精神的に疲弊した時期がありました。

看護師としての業務以上に、こうした人間関係のストレスが私の心を追い詰めた要因だったと感じています。

 

 

 

理想と現実のギャップが生む葛藤

 

「人のために働きたい」と思って始めた仕事が、いつしか「人間関係を気にするだけの毎日」になり、「患者さんと向き合うことが嫌になった」と感じるようになる。

これは看護師としての理想と現実のギャップがもたらす大きな葛藤です。

忙しすぎる環境では、自分の感情に向き合う余裕がなくなり、患者さんとの関係性さえも「負担」に感じてしまうことがあります。

こうした感覚に陥ると、自己嫌悪に陥りやすくなり、「私は看護師に向いていないのかもしれない」という思いが強まるのです。

 

 

 

辞めたいのに辞められない現状

 

看護師として働く中で、「辞めたい」と思う瞬間は誰にでも訪れるものです。

しかし、現実には簡単に辞められない場合が多いのも事実です。

人手不足が深刻な医療現場では、退職の意向を伝えても「代わりが見つかるまで」「あと少しだけ」と引き留められることが一般的です。

私の経験でも、退職を申し出た際に上司から「君が辞めたら他のスタッフが困る」と言われ、引き留められたことがありました。

 

その結果、自分の意志を貫くことができず、心の限界を感じながら働き続けることになりました。

辞めたいという気持ちを押し殺して働くことで、さらなるストレスが積み重なり、心身ともに疲弊していく人も少なくありません。

 

この「辞めたいのに辞められない」という状況が、看護師の心をさらに追い詰めていくのです。

 

 

 

辞める選択肢の重要性

 

辞めることは、決して「逃げ」ではありません。

むしろ、自分を守るための重要な選択肢だと私は考えています。

 

私が最初に病院を辞めたとき、まるで重荷が一気に下りたような解放感を覚えました。

背負っていた責任やプレッシャーが軽くなり、初めて「自分の心」を取り戻せた気がしたのです。

その後、他の職場で新たな環境を経験したことで、以前の自分がいかに疲れ果てていたかに気づきました。

 

辞めることで視野が広がり、自分に合った働き方や環境を見つけることができるのだと実感しました。

 

 

 

訪問看護など新たな選択肢

 

看護師の働き方は病院だけではありません。

訪問看護やフリーランスなど、さまざまな形で患者さんに寄り添うことができます。

訪問看護では、患者さん一人ひとりに向き合う時間が長く、自由な働き方ができる点が魅力です。

また、職場の人間関係に左右されにくいため、精神的な負担が軽減されるというメリットもあります。

私自身も少しですが訪問看護を経験した際、患者さんの生活に深く関わることで「本当に役に立てている」と実感する瞬間が増えました。

これが初心を取り戻すきっかけとなり、看護師としての喜びを再確認できたのです。

 

 

 

自分自身を大切にすることの必要性

 

看護師という職業は、他人を支える仕事です。

しかし、支えるためには、まず自分自身が健康でなければなりません。

自分の心や体が限界を迎えてしまえば、患者さんのために働くことも難しくなります。

だからこそ、自分の幸せを優先し、必要であれば「辞める」という選択肢を持つことが大切です。

 

「全ては金のため」と割り切る精神も、時には役立ちますが、限界を超えて働き続けることで心身が壊れてしまっては本末転倒です。

自分を守ることは、看護師としての未来を守ることでもあります。

 

 

 

まとめ

 

最後に、初心を忘れずに自分に合った働き方を見つけることが重要です。

環境が変われば、自分の気持ちも変わることがあります。

新しい職場や新しい働き方に挑戦することで、看護師としての可能性が広がり、理想と現実のバランスを取り戻せるかもしれません。

 

看護師という職業は決して楽ではありませんが、その尊さを感じられる場面は確かに存在します。

その瞬間を見失わないためにも、自分の心を大切にしながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう。