年末になると、病院でも例外なく「大掃除」の季節がやってきます。
看護師の皆さんも、分担表を見て「今年もこの時期が来たか…」とため息をつくことがあるのではないでしょうか?
普段の業務に加え、大掃除というイベントが加わると、正直なところ少しげんなりしますよね。
そして、この大掃除で必ずと言っていいほど発見されるのが、「何でこんな所に?」と思わず声を出してしまうような不思議な物体たちです。
今回は、その「不思議な物体」がどのように病院で発見されるのか、また、それらが生まれる原因についてお話ししたいと思います。
「なんでこんな所に?」が飛び交う年末掃除の現場
病室やスタッフステーションを掃除していると、壁や天井、時には家具の裏や隙間に「何か」が見つかることがあります。
その正体は、乾いた血液、謎の茶色い汚れ(察するに便かも?)、そして薬品の飛び散りなどです。
例えば、病室の壁紙に点々と付着した赤いシミを見つけると、「点滴の針を抜いた時に勢いよく飛んだんだろうな」と想像するのですが、それがなぜ天井近くにまで飛び散っているのか、未だに謎です。
足でも生えているのかと疑いたくなることもありますよね。
ある時、個室の壁一面に茶色いシミが飛び散っていたことがありました。
その部屋を担当していた看護師は、「点滴の事故かと思ったけど、オムツ交換で飛んだ便の可能性が高い」と推測していました。
それを聞いた私は「いったいどんな力が働けばこんなに飛び散るの?」と軽くパニックに。
掃除をしながら原因を考えるものの、謎が解けないこともしばしばです。
天井や壁に付着したシミたちの謎
天井近くや壁の高い位置に付着した血液や点滴液のシミを見るたびに、「どうやってここに?」と頭を抱えますよね。
通常、血液や薬液が飛び散るとすれば、針を抜いた瞬間や点滴が漏れた時が考えられますが、それがどうして壁の端や天井近くまで飛ぶのか…想像すると少しホラーじみています。
患者さんによる自己処置や、急いでいた看護師が針を扱う際にミスしてしまったことが原因である場合もあります。
しかし、あまりにも広範囲に飛び散っている場合は、何かしらの物理的な謎を解明したくなるほど不思議な光景です。
たまにその跡を見て「ここで何が起きたの?」と同僚たちと真剣に話し合うこともあります。
謎の茶色い汚れの正体
大掃除で見つかる茶色い汚れ、これもまた看護師たちにとってはおなじみの「不思議な物体」の一つです。
これが便によるものだとすれば、オムツ交換やトイレ介助の際に何らかの拍子で飛散した可能性が高いです。
とはいえ、これもまた不思議なのが、「どうしてそんな遠くにまで飛ぶのか」という点です。
以前、私が経験したケースでは、患者さんのオムツ交換中に体を動かされ、内容物が勢いよく飛び出したことがありました。
その際、かなりの範囲に飛び散り、清掃にかなり時間がかかりました。
それ以来、オムツ交換をする時は「これ以上は飛ばさないぞ」という強い決意で臨むようになりましたが、年末大掃除で発見される謎の茶色い汚れを見るたびに、「これ、去年の自分の仕業だったりしないよね…」と一抹の不安を覚えます。
冷蔵庫の裏に隠された異物たち
病院の冷蔵庫も、大掃除で驚きの発見が多い場所です。
冷所保管が必要な薬品を保管するための冷蔵庫は、年間を通じて使用頻度が高く、その中は清潔に保たれています。
しかし、冷蔵庫の裏や下には、埃にまみれた何かが見つかることがよくあります。
昨年の大掃除では、冷蔵庫の裏から古いメモ帳や使い捨て手袋が出てきました。
どうやら、忙しい業務の中で落としたものが掃除されずに溜まっていったようです。
また、薬の液漏れが冷蔵庫の奥に溜まり、独特の臭いを放っていたこともありました。
大掃除の時に冷蔵庫を動かすたび、「今年はどんなお宝が見つかるかな…」と半ば諦めながら掃除しています。
日常では気づかない細部に潜む汚れ
普段の清掃では気づきにくい場所、例えばベッドの下や備品棚の裏側にも、大掃除の際には様々なものが見つかります。
患者さんが落としたものや、スタッフがうっかり置き忘れたものがホコリにまみれて発見されることもしばしばです。
ある年の大掃除では、患者さんの使用済みのティッシュがベッドの裏から山のように出てきたことがありました。
その患者さんはゴミ箱が遠いと感じていたのか、ティッシュをベッド下に隠していたようです。
この時ばかりは、笑うに笑えない光景でした。
不思議な物体が生まれる原因
これらの不思議な物体が生まれる原因の多くは、病院の特殊な環境にあります。
患者さんの緊急対応や処置中のハプニング、忙しさに追われる看護師たちの小さなミスが積み重なり、いつの間にか「謎の汚れ」となって残るのです。
たとえば、点滴の針を抜く際に血液が勢いよく飛んだり、忙しい業務の中で何かをこぼしたりといった状況は日常茶飯事?
これらのミスを完全に防ぐのは難しいですが、少しでも改善するために慎重に業務を行うことが求められます。
看護師の知恵と苦労
看護師として、大掃除のたびに思うのは、「こんなに大変な思いをして掃除しても、またすぐ汚れるんだろうな」ということです。
それでも、患者さんやスタッフが安心して過ごせる環境を整えるために、毎年掃除に励んでいます。
大掃除の後の病棟は、やはり気持ちがいいもの・・かもしれません(笑)
大掃除を乗り切るコツ
忙しい中での大掃除を乗り切るには、効率よく分担を決め、全員で協力することが重要です。
特に、冷蔵庫の裏や壁のシミの掃除は時間がかかるので、事前に計画を立てるとスムーズに進みます。
まとめ
年末の大掃除で見つかる不思議な物体は、看護師としての業務の忙しさや緊急性を物語っています。
「こんな汚れ、どうして?」と思うこともありますが、それは私たちの仕事のリアルな一面でもあります。
ただ、毎年のことながら掃除が終わると疲労感がどっと押し寄せ、「どうして私は看護師になったんだっけ…」と愚痴りたくなることもあります。
でも、その瞬間だけです。
結局、きれいになった病棟を見ると少しだけ満足感が得られるのが救いです。
来年の大掃除では、どんな新しい発見があるのでしょうか?ちょっと怖いですが、楽しみでもありますね。
看護師の皆さん、今年も一緒に頑張りましょう!