ICU看護師 優秀 適性 役割

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ICU看護師は適性を見極めて配属したり、私のように新卒者を教育しながら配属をしていきます。

他の看護師からは優秀だね」とか言われることもありましたが、新卒でICU看護師になったばかりのころは、まったく自分が優秀とは思うことはありませんでした。

現場では日々自分の役割を意識しつつ行動する毎日。

今回はICU看護師の適性や役割についてお話していきます。

 

ICU看護師は優秀?

 

ICU看護師 優秀

 

ICU看護師を経験した後に他部署に配属になったり、転職をしたりすると「ICUにいたなら大丈夫だよね」と期待される場面は少なくはありません。

一般病棟では見ることのできない重症な患者さんを受け持つことの多いICU看護師は優秀と思われるかもしれませんが、優秀な一面もあれば、そうでもないこともあります。

 

ICU看護師は一般病棟の看護師のように7人や10人、複数人の患者さんを受け持つ経験はありませんし、慢性的な疾患や回復期にある方の看護に関する専門的知識はありません。

看護師としての専門性はそれぞれ違いますから、ICUだから優秀ということはないのではないでしょうか?

 

しかし、ICU看護師として学んだことはどの道に進んでも役に立つと感じます。

 

 

 

ICU看護師に必要な適性とは

 

ICU看護師 適性

 

ICU看護師が優秀と思われる要素は多いのも、必要な適性が個人個人明確になっているからだと思います。

では、ICU看護師に必要な適性についてお話していきます。

 

 

自分で必要なことを考えて行動できる力

 

ICUでは看護よりも治療が優先されることが多いと感じることがあります。

自ら患者さんにどんな看護ができるか?考えてケアをしていける行動力が大切です。

 

 

自分の考えを他者に伝える力

 

ICU看護師は医師と同等の知識が必要になることもあります。

患者さんの状態を見て、これからどうなっていくのか予測し、医師に「こうしたほうがいいと思います」と自分の考えを提案する力が必要です。

 

 

臨機応変に動ける対応力

 

ICUの患者さんは常に生命危機状態にあります。

急変しないように全身状態を観察していきますが、まったくないわけではありません。

何かあったときに臨機応変に動ける対応力が必要です。

最初はスピードに慣れず対応できなくても、経験が増えていくことで身に着けていくことができます。

 

 

勉強しつづける力

 

ICU看護師 勉強

 

ICUではさまざまな患者さんが入院しています。

経験が増えても初めて受け持つ疾患の患者さんに出会うことが多くあります。

医療は日々進歩しており、最新の情報を知ることも患者さんに適切な医療、看護を提供するためには重要です。

経験年数が増えても勉強し続けることのできる力が求められます。

 

 

アセスメント能力、判断力

 

ICUの患者さんは自分で身体の異常を知らせることができないことが多く、看護師の判断にゆだねられています。

モニターの数値だけでなく、呼吸音や腸蠕動音、皮膚の色や暖かさ、五感を用いて観察し、アセスメントできる能力が必要です。

 

 

協調性があること

 

ICU看護師 協調性

 

ICUでは患者さんをより良い状態になるように医療・看護を提供します。

一人で対応できないことは多く、チームとして困っているスタッフがいれば手助けをし、患者さんの状態が変わったらみんなで協力して状態をより良くできるように努力します。

スタッフみんなで目的を達成するために行動できる協調性が必要です。

 

 

ストレス解消がうまくできること

 

ICUは特殊な環境です。

緊張感があり、患者さんの命を預かる責任のある仕事です。

ストレスが多い環境のなか、ストレスをため込みすぎないよう日々の生活で調節できる力は不可欠です。

おいしいものを食べたり、お出かけをしたり、趣味に時間をつかったり、自分のための時間を作り、ストレス解消がうまくできることが大切です。

 

 

患者さんのことを考えて積極的にケアができること

 

ICUの患者さんは意識がなく、自分で身体の異常を伝えることができない場合が多くあります。

患者さんには何が必要なのか考え、自ら積極的にケアをしていく力があると望ましいです。

 

 

 

ICU看護師の役割とは

 

ICU看護師 役割

 

ICU看護師に必要な役割についてお話していきます。

 

 

診療の補助と日常生活の援助

 

基本的な看護師としての役割は他部署と同じです。

ICU看護師も診療の補助と日常生活の援助を行います。

 

毎日、たいていは朝に医師の診察があります。

医師の診察時には看護師は付き添い、その時々に合わせた対応をしていきます。

傷の処置が必要なときは物品を準備して医師にモノを渡したり、医師から患者さんに説明をしているときは先生の話を聞いて分からないところはないか一緒に振り返ったり、意思疎通のできる患者さんからの希望があったらそれに合わせた援助をしていきます。

 

 

全身状態の観察とモニタリング

 

ICU看護師 モニタリング

 

ICUにいる患者さんは状態の変化が早く、生命危機状態にあるため24時間集中的な治療とモニタリング(モニター画面をみること)が必要です。

ICU看護師が1日のはじめにやることは患者さんの頭の先から足先までを観察することです。

 

呼吸、循環、意識はどうか?モニターの数字だけでなく見た目、動き、皮膚の色など多方面から読み取ります。

状態は安定しているか?不安定か?アセスメントして必要に応じて医師に相談、報告をしていきます。

 

ICUの患者さんは意識がなく自分で何かを訴えることができない場合が多いです。

そのため、ICU看護師はモニターのアラームは患者さんの声ととらえ、患者さんの訴えがなくても先回りして必要なことを提供していきます。

全身状態をよく観察し、変化をキャッチできる力が求められます。

 

 

セルフケア能力低下に伴う身の回りのケア(清潔保持、安楽な体位)

 

ICUにいる患者さんは自分で自分のことをできる状態ではありません。

そのため、ICU看護師は患者さんに代わり清潔を保つためのケアや安楽な体位になるように援助をします。

 

意識がなく人工呼吸器を装着していることが多く、点滴の数も非常に多いため、チューブが抜けないかどうかよく確認しながら慎重に行っていきます。

ただの清潔ケア、体位変換と思うかもしれませんが、状態が不安定な方は身体を動かすだけでも血圧が急激に下がったり、呼吸状態が変わったりすることもあります。

全身をよく観察しながら安全安楽にケアを行っていきます。

 

 

特殊な治療環境による不安やストレスの軽減

 

ICUは特殊な環境です。

患者さんのベッドの周りにはたくさんの医療機器がずらりとならび、24時間モニターのアラームが鳴っています。

身体にはたくさんの点滴が繋がっています。

そんな通常とは異なる環境にいる患者さんはストレスを感じやすくせん妄を起こしやすくなります。

 

意識がある状態で人工呼吸器を装着している方では、喉の違和感や痛み、声が出せず自分の意思が周りに伝わらないことのストレスなどを抱え、これからどうなるのだろう?という不安も感じています。

ICU看護師の役割は患者さんの不安やストレスをなるべく軽減できるように支援していくことです。

 

 

環境の調節

 

自分で身の回りのことができない患者さんに代わり、ICU看護師は身の回りの環境整備を行います。

患者さんにあった気温に設定したり、明るさを調節したり、ベッドが汚れていたら綺麗します。騒音が無いように穏やかな環境を提供します。

夜間はできるだけ照明を暗くして。昼夜のリズムを作るようにします。

 

 

不安やストレスを抱えた家族への支援

 

ICU看護師 家族

 

ICUの患者さんの家族は「このままどうなってしまうのだろう?」「助からないかもしれない…」という不安や、変わり果てた姿になった患者さんの姿に驚きや恐怖感を感じることもあります。

「どうしてこんなことになったのだろう」と悩み、葛藤する家族も多くいます。

 

ICU看護師はそんな家族に寄り添い、患者さんの状態を説明したり手を触っても大丈夫ですよとふれあいと促したり、家族も一緒に治療やケアに参加できるように支援します。

家族の不安な思いやストレスの軽減のためには今どんな状態なのか、今日はどんな様子だったなどの情報提供をします。

周りに処置をした後の物品が残っていると不安に感じさせてしまうため、安心できる環境に整えるようにします。

 

家族でどんなお話をしているかなど、家族の思いを傾聴します。

家族が倒れてしまっては面会もできなくなってしまうため、「家では休めていますか?」と家族の体調の確認ICU看護師の大切な役割です。

 

 

 

まとめ

 

ICU看護師の適性や役割ついてお話していきました。

 

内容を整理していくと「ICU看護師は優秀」と思われてしまう要素はあります。

しかしながら、現場では一度も自分を優秀と思ったことはありませんでしたし、むしろ「まだまだだな~」と振り返ることが多かったです。

 

新卒のころは「優秀だね」といわれても共感することはなかったですが、経験を重ねていくうちに「優秀だね」と言われると、ちょっと嬉しくなることもあります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。