看護師として働いている方、扶養内になるよう気にしすぎて大変な思いをしていませんか?
パートとして働く場合でも看護師の時給は高いところが多く、意識しないとすぐに超えてしまう、という声もよく耳にします。
うっかり一定年収を超えると余計に税金を払うことになりもったいない事態にも。
本記事では、看護師が130万円を超える場合150万円以上を目指した方がいい理由や、もったいない理由、扶養内から外れるメリットなどを紹介します。
扶養内で働くなら130万円に抑えるべき!
既婚の方が税金対策を考えた場合、年収130万円を超えないようにすることが1つの目安になります
というのも、年収が130万円未満の場合は「健康保険の被扶養者」が適応されるためです。
年収130万円以上を超えてしまうと、国民健康保険に加入し、前年の所得に応じた保険料を納める義務が発生してしまい、もったいない思いをしてしまいます。
上記がいわゆる「130万円の壁」です。
130万円の壁は、働いている人の職場によって条件が異なる場合があるので、一度勤め先に問い合わせるなど確認するようにしましょう。
月10万8000円を目安に働こう
年収を130万円以下に収めたい場合は、1ヵ月あたりの収入を108,333円以内に抑えるようにしましょう
108,333円以下であれば、108,333円×12ヶ月=1,299,996円となるので、130万円を超えない計算になります。
とはいえ、108,333円を目安に働くことはおすすめしません。
急な残業や手当が発生してしまうとすぐに130万円を超えてしまうため、給料管理がかなりシビアになってしまいます。
多少の臨時収入があってもいいように、目安の金額よりも少ない収入になるよう調整しながら勤務時間を調整してみてください。
過去の収入は関係なく被扶養者になれる
年収130万円の壁ですが、これはあくまで現在の収入で過去の収入は関係ありません
例えば、会社を退職して今年の収入がすでに130万円を超えていても、無職になり収入が無くなれば被扶養者(扶養家族)になることができます。
※1~12月までの年収で計算するのではないので勘違いしないようにしましょう。
「辞めてもすぐに被扶養者になれない」と気にする必要はなく、保険料が浮くので毎月の支払いをおさえることができます。
所得税が発生する103万円の壁もある!
もう1つ税金関係に関する有名な壁に「103万円の壁」があります
これは、年収103万円を超えるとパートやアルバイトなどの非正規雇用者であっても所得税が課税されるボーダーラインのことを指します。
「103万円を超えない範囲で働きたい」場合は、1ヵ月あたり85,833円以内におさえる必要があります。
看護師の場合、他の業界と比べ時給が高いため意識しておかないとすぐに超えてしまう金額でもあります。
そのため、常に勤務時間をオーバーしないように注意しないと、余計に税金を払いもったいない思いをしてしまうかもしれません。
130万円を超えるなら150万以上にしましょう
130万円を超えて収入がある場合、150万円以上を目安にはたらくことで無駄なく収入を得ることができます
130万円を超えるとどのくらい保険料を収めなければならない気になるところです。
130万円を超えると、社会保険に加入して給料の約14%が給料から引かれることになります。
仮に月に15万円の収入の場合、毎月約21,000円が引かれることになり年間にすると約252,000円を収める計算になります。
そのため、最低でも150万円以上、もしくは160万円以上の収入を目安に労働時間を調整しておくともったいない思いをしなくて済みます。
130万円を超えそうになったら、どれくらい保険料を支払うことになるのか一度シミュレーションしてみることをおすすめします。
130万~150万円未満は損をする!
「収入を計算してみたら130万円は超えるけど150万円には届かなそう」という方は、働いた分が損をしてしまう可能性があるので注が必要です
先程も紹介したように、扶養から外れてしまうと保険料の負担は給料の約14%とかなり大きい金額になります。
したがって、140万円など中途半端な年収になってしまうと、130万円の人より結果的に手取りが少なくなってしまうという逆転現象が発生してしまいもったいないです。
看護師として働いている人で「ちょうどそのあたりの年収かもしれない」という方は、年末に受け取る年末調整や給与明細からどれくらいの収入があるのか確認してみてください。
130〜150万円の間の収入の方は、勤務時間をおさえる、もしくは超えて働くといった方法をとると無駄がなくなります。
扶養を抜けるメリットにも目を向けよう
あまり知られていませんが、扶養を抜けることで意外なメリットもあります。
そこで、130万円の壁を超え扶養から外れるメリットについて紹介します。
働き方の幅が広がる
扶養から外れることで正社員・非常勤社員・契約社員といった働き方や勤務先の幅が大きく広がります。
扶養から外れるという方は、税金や保険料を気にすること無く収入を得ることができるようになります。
扶養内で働いている場合はパートなどの方が多い場合が多いので、雇用形態の選択肢が広がります。
正社員はもちろん、契約社員や非常勤職員など、自分のライフスタイルに合った働き方ができるようにまります
日本では看護師の求人は多く、売り手市場といわれています。
自分にピッタリの働き先を見つけることができれば、自分を含め家族の生活を大きく崩すこと無く収入を増やすことも可能になります。
年収を抑える必要がなくなり、給与面で条件の良い勤め先を探し、やってみたかった仕事にチャレンジしてみることもできるでしょう。
将来受け取れる年金額が増える
扶養に入っている場合、配偶者が受け取ることができる年金は国民年金(老齢基礎年金)だけです。
企業に就職して厚生年金に加入すれば、将来は国民年金と合わせて厚生年金も受給でき、将来に備えることができます。
老齢基礎年金の場合、将来受け取れる年金は約55,000円なのに対し、厚生年金に加入することで約14万円受け取れることになります。
※あくまで記事を執筆した段階での金額です。将来的に受け取れる金額は変わるので目安程度にお願いします。
このように、老齢基礎年金と厚生年金とでは、受け取れる金額に大きな差があります。
老後に少しでも備えたいという方は、扶養内から外れることを検討してみましょう
傷病手当金や出産手当金がもらえる
扶養から外れ社会保険料を支払うことで、傷病手当金や出産手当金を受け取れる対象になるメリットもあります。
傷病手当金とは、病気やケガで会社を休んだときに受け取れる手当金です。
病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するための制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
もしもの時にも安心できる要素といえます。
一方、出産手当金とは妊娠した女性が出産のために勤め先を休んだ際に、本人や家族が安定して生活を送ることができるように支払われる手当金です。
勤め先で健康保険に加入している女性ならば受け取ることができる給付金で、産前6週間(42日)と産後8週間(56日)の休暇を取得することができ、「出産手当金」や「出産育児一時金」を受け取ることができます。
将来、出産をライフプランでお考えの方にはおすすめしたいメリットです。
150万円を超えるなら正社員という選択肢も
「扶養外れてもいいからもっと働きたい!」という看護師の方、正社員を選択肢に入れることをおすすめします
看護師は重労働や変則勤務、責任の重さから正社員に対して良いイメージを持っていない方も多いでしょう。
さらには、新型コロナウイルスなどの影響で働く負担が増している職場があります。
しかし一方で、職場の定着率を上げるため正社員であっても働きやすい環境を整えるために力を入れているところが増えてきています。
「◯◯万円の壁」を気にしてもっと働けるのにブレーキをかける必要もなくなります。
正社員になることで、ボーナスを含め働いた分が収入として反映されるので、やりがいにもつながるでしょう。
・福利厚生
・ボーナス有給休暇
・時短制度
など、自分に条件に合う求人があった場合は、調べてみるといいかもしれません。
まとめ
看護師が130万円を超える場合150万円以上を目指した方がいい理由や、もったいない理由、扶養内から外れるメリットなどをを紹介しました。
看護師が扶養内で働こうとした場合、130万円の壁を考えなければいけないように勤務時間を気にして…といったように注意しなければいけないことが多いです。
もし今、生活する中で「もう少し働く時間増やしてみようかな」「もっと収入があれば生活が楽になるのに」と考えている方は、思いきって扶養内の枠から外れてみるのも方法も1つかもしれません。
現在、看護師の方一人ひとりに合った職場が見つかるよう看護師専門の転職サービスもあります。
より自分らしく、もったいない思いを減らし生活を豊かにしたいとお考えの方は今記事をきっかけに新しい働き方を初めてみてはいかがでしょうか。