
退職届を書くとき、多くの看護師が「一身上の都合」と記載するのではないでしょうか?
この表現は非常に便利で、無難な退職理由として多くの人に選ばれています。
しかし、一部の職場では「一身上の都合」を禁句扱いすることがあります。
それを聞いて、「え、なんで?」「私、普通にそれで出してきたけど?」と疑問に思った方も多いでしょう。
この記事では、「一身上の都合」が禁句とされる背景や、看護師の退職理由に関する職場の謎ルールについて詳しく解説します。
そして、どうすれば退職時にトラブルを回避できるのかを一緒に考えてみましょう。
なぜ「一身上の都合」が禁句になるのか?まずは結論から
結論から言うと、「一身上の都合」と記載すること自体に法律的な問題はありません。
それどころか、この言葉は一般的に認められる退職理由。
ただし、看護師の職場特有の環境や上司の意識によって、これが問題視されることがあります。
多くの場合、それは「具体的な理由を知りたい」という職場側の都合によるもの。
辞める人の本音を知り、業務改善に役立てたいという建前の裏には、「退職理由を納得したい」という上層部のプライドやコントロール欲が隠されていることが多いのです。
看護師にとって「一身上の都合」が選ばれる理由
看護師という仕事は、他の職種と比べてもストレスフルでハードな業務が多い職場。
患者対応に加え、上司や同僚との人間関係、時には低賃金や過剰な残業に悩まされることもあります。
それでも多くの看護師が退職理由を「一身上の都合」として記載するのは、これがトラブル回避に最も有効な手段だからです。
具体的な理由を退職届に書くと、職場からの追及を受けたり、場合によっては引き止めや嫌がらせをされるリスクがあります。
また、転職先に前職場の悪評を広められる可能性もあり、次の職場選びに不利益をもたらすことも考えられます。
このようなリスクを避けるため、多くの看護師は「一身上の都合」という無難な言葉を選びます。
これならば詳細を深掘りされることなく、比較的スムーズに退職手続きを進められるのです。
病院特有の謎ルール:「具体的な理由を書け」という圧力!
看護師の職場では、「一身上の都合」を嫌がる文化が存在する場合があります。
理由の一つは、病院が常に人手不足であり、退職理由を分析することでその原因を突き止めたいという思いがあります。
しかし、これは単なる建前で、実際には辞める人間に「ちゃんと理由を言え」と圧力をかけ、職場の責任を回避しようとするケースも少なくありません。
例えば、「経済的な事情」「家庭の事情」といった理由ならまだ受け入れられる場合がありますが、「ここで働く気がなくなったから」「ハラスメントを受けているから」などの本音は、職場にとって都合が悪い内容です。
そのため、上司や人事担当者が退職理由を詮索し、都合のいい理由を書かせようとすることがあるのです。
このような状況は、特に地方の病院や古い体質の職場で見られがちです。
「この職場で何か問題があったのか?」と執拗に詮索されたり、「転職先はどこか?」と聞かれたりするのは、看護師の退職時によくある光景です。
「本音」を伝えた場合のリスクとその対処法
もしも看護師が退職理由として本音を伝えた場合、どうなるのでしょうか?
例えば、「ハラスメントが原因です」「労働環境が悪いです」と書くと、それが職場改善のきっかけになる可能性もあります。
しかし、多くの場合、管理職から反発を受けたり、退職手続きがスムーズに進まないリスクを伴います。
こうした場合に有効なのが、「これ以上プライバシーに関する質問をされる場合は、ハラスメントとして労働基準監督署に報告します」という毅然とした態度を取ること。
これは法的にも正当な対応であり、職場側に不必要な詮索を控えさせる効果があります。
看護師の退職理由が詮索される背景にある病院の実情
なぜ看護師の退職理由がここまで問題視されるのでしょうか?
その背景には、病院特有の事情があります。
医療現場は慢性的な人手不足に苦しんでおり、一人でも退職されると業務に大きな影響を及ぼします。
そのため、退職理由を細かく把握し、できるだけ同じ理由で辞める人を減らしたいというのが職場側の本音です。
さらに、退職理由を分析することで「問題があるのは個人の事情であり、職場の環境ではない」としたいという意図も見え隠れします。
このような背景から、看護師が退職する際に「一身上の都合」とだけ書くと、「それでは理由がわからない」と詮索されることがあるのです。
「一身上の都合」が理想的な理由である3つの理由
「一身上の都合」が看護師の退職理由として最適な理由は以下の3つです。
- 1つ目は、法律的に問題がなく、余計な詮索を受けにくいことです。曖昧でありながらも適法な表現であるため、職場にトラブルの種を残すリスクが減ります。
- 2つ目は、職場に対するネガティブな感情を表に出さずに済むことです。これにより、退職後の人間関係の悪化を避けられます。
- 3つ目は、転職活動において過去の職場の悪評を避けることができる点です。具体的な理由を伝えずに退職することで、新しい職場でのスタートがスムーズになります。
まとめ
結局のところ、「一身上の都合」は看護師にとって最も安全で合理的な退職理由です。
しかし、それを嫌がる職場や深掘りしてくる上司がいる現実にはうんざりしますよね。
看護師の仕事はただでさえ大変なのに、辞めるときまで神経をすり減らすなんておかしいと思いませんか?
正直、退職理由なんて誰にも詮索されるものではありません。
病院側が本当に人材不足を改善したいのであれば、辞める理由を追及する前に、まず職場環境を見直してほしいものです。
「一身上の都合」で退職する看護師たちが安心して次のステップに進めるよう、職場側ももう少し理解を示してくれるといいですね。