保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか

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看護職において基本的な法律として押さえておく必要がある「保健師助産師看護師法(略して保助看法)」。

この法律は、保健師、助産師、看護師の資質を向上し、医療・公衆衛生の普及向上を図るため昭和23年に制定されました。

内容として、国家試験や免許について、業務独占、名称独占、義務などが詳しく定められています。

今回は、保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか確認していきましょう。

 

保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか

 

看護師の義務はどれか

 

看護職として必ず理解しておくべき法律、保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか。

次の4つの選択肢から1つ正解を選んでください。

1.看護研究をする

2.看護記録を保存する

3.看護師自身の健康の保持増進を図る

4.業務上知り得た人の秘密を漏らさない

 

白衣2

正解は4の「業務上知り得た人の秘密を漏らさない」ことです。

 

なぜ1~3は規定されている看護師の義務ではないのか、正解の4について、それぞれ詳しくお話しますね。

 

 

看護研究をする

 

看護研究は、保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務ではありません。

 

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ただ教育に手厚い大学病院などでは、看護師の義務ではないけれども、必ず新人時代に1つの疾患に対しての看護研究に取り組むことが多いです

 

実は、看護師等の人材確保の促進に関する法律(第6条)の看護師等の責務で、

「看護師等は、保健医療の重要な担い手としての自覚の下に、高度化し、かつ、多様化する国民の保健医療サービスへの需要に対応し、研修を受ける等自ら進んでその能力の開発及び向上を図るとともに、自信と誇りを持ってこれを看護業務に発揮するよう努めなければならない。」

と定められています。

 

これは、自分の看護スキルを向上させて国民の保健医療に貢献するためには、研修や看護研修を通して学び続けることを示しているのです。

 

 

看護記録を保持する

 

看護記録の保持は、保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務ではありません。

 

看護記録は、看護師が行った行動を全て記された記録。

 

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看護師間で共有し、日頃の看護に役立てることができたり、何かトラブルが起きた場合の法的証拠になったりするため、ある程度の期間は保持しなければなりません

 

保健師助産師看護師法の第42条では、助産師の記録として

「その助産師 において、五年間これを保存しなければならない。」

と定められています。

 

看護記録については、保険医療機関及び保険医療養担当規則で3年間、医療法施行規則で2年間の保存期間が定められています。

 

 

看護師自身の健康の保持増進を図る

 

看護師自身の健康の保持増進を図ることは、保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務ではありません。

 

ただし、日本看護協会による看護者の倫理綱領において、

「看護職が健康で幸福であることが、よりよい看護の提供へとつながり、対象となる人々の健康と幸福にも良好な結果をもたらす。」

と定められています。

 

法律では規定されていなくても、看護師が心身ともに健康でいることが看護を提供する基盤となることは間違いありません。

 

保健師助産師看護師法には記載されていないとしても、これら3つは看護師の仕事をする上で覚えておく必要がある内容と言えます。

 

 

業務上知り得た人の秘密を漏らさない

 

業務上知り得た人の秘密を漏らさないことは、保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務の1つです。

 

42条で、

「保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなった後においても、同様とする。」

と定められています。

 

白衣2

このポイントは、看護職として働いている間で得られた秘密や情報は口外しないのは当然ですが、自分が退職した後でも口外してはダメだということ

 

最近はネット上で何気なく呟いたことで、特定されて職場にバレて処分を受けるというトラブルになることもあり注意が必要です。

 

 

 

保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務とは

 

保健師助産師看護師法で規定されている

 

前項では、保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務とはどれかという問いでは、正解の1つだけを紹介しました。

 

業務上知り得た人の秘密を漏らさないことの他にも、看護師の義務として規定されていることがあります。

 

それは次のとおりです。

・就業地の都道府県知事に届け出る義務

・特定行為を行う看護師は特定行為研修を受ける義務

 

各都道府県で働く看護師がどのくらいの人数いるのか、厚生労働省が把握するために、届け出ることが義務付けられています。

2年に1度、必ず職場で記入する用紙が渡されるので、これは自分で覚えていなくても忘れずに記入することができます。

 

特定行為とは、「実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる38行為のこと」とされています。

医師の指示のもと手順書により、気管チューブの挿入、気管カニューレの交換、胸腔ドレーンの抜去、人工呼吸器の離脱など医師が行うとされている医療行為が、研修を受けた看護師も可能になります。

 

つまり保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務とは、看護師として働く上で知っておくべき項目だと言えます。

 

 

 

まとめ

 

保健師助産師看護師法で規定されている内容には、「~すべきである」と義務付けられていることが多く書かれています。

それらの内容を知らずに仕事をしていて、いつの間にか抵触してしまい訴訟になったら怖いですよね。

国家資格というのは民間の資格とは異なり、免許を有している責任は重大です。

保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれかという問いに対して、間違いなく回答できるように、一度は法律を全文読んでみることが大切ですね。