病院を運営する上で欠かせない「外来看護師」の存在。
皆さんもクリニックや病院を受診するとお世話になる機会が多いと思います。
この外来看護師は誰もがなれるわけではありません。
特殊なスキルが必要になります。
本記事ではそんな外来看護師に向いている人の特徴と、外来看護師の仕事ができない人について言及し、実は離職率が高い外来看護師の離職理由について解説していきます。
外来看護師に向いている人の特徴
外来看護師に向いている人の特徴には以下の3つが挙げられます。
・業務の優先順位を立てられる人
・マルチタスクができる人
・単純作業が嫌じゃない人
どれも外来看護師にとっては欠かせない特徴です。それぞれ解説していきましょう。
業務の優先順位を立てられる人
外来看護師が行う仕事に、クリニック内や診察室の清掃、事務処理、受付、外来患者対応、健康相談、医師の診察介助など、多くの業務があります。
これらの業務は、一つひとつが独立しているのではなく、一度に仕事が舞い込んでくる場面も多々みられます。
そのため、その時々の状況でどの業務を優先的に行えば良いのか、業務の優先順位を立てられなくてはなりません。
外来看護師は一つのクリニックで3〜4人程度、診察室内にはたった1人です。
業務の判断は基本的に自分になります。
優先順位を意識し、勤務できる人は外来看護師に向いているでしょう。
マルチタスクができる人
前述したように外来看護師の業務は多岐に渡ります。
時には多くの業務を一度にこなさなければならない場面も。
そういった時に、業務を同時並行して行なえるような「マルチタスクができる方」は、外来看護師として重宝されるでしょう。
ただしマルチタスクが難しいという方でも、優先順位をつけて一つずつしっかりと解決できる人であれば、問題はないでしょう。
単純作業が嫌じゃない人
外来看護師は日により忙しさは異なるものの、基本的にその業務の大半はルーチーン作業となります。
患者一人ひとりに合わせた個別の対応だけでなく、クリニック内の清掃や事務作業など、書類関係の業務も多くなります。
そのため同じ業務を繰り返すことが嫌ではない人や、事務処理などの単純作業が嫌ではない人は外来看護師に向いているかもしれませんね。
外来看護師の仕事ができない人
上記では外来看護師に向いている人の特徴として、以下の3点を挙げました。
・業務の優先順位を立てられる人
・マルチタスクができる人
・単純作業が嫌じゃない人
では逆に外来看護師に仕事ができない人とはどのような人なのでしょうか。
私がクリニックで働いていた時に「仕事ができないな」と感じた人は、以下のような人でした。
・我が強い人
・仕事がいい加減な人
・誤魔化す人
一つずつみていきましょう。
我が強い人
我が強い人、気が強い人は一緒に仕事をしていても窮屈に感じることが多く、人間関係の軋轢を生みます。
私が働いていたクリニックでは、気の強い看護師がおり、度々スタッフや患者さんとトラブルを起こしていました。
そんな環境ではもちろんのこと、長く勤務する看護師はいなくなってしまいます。
最終的にその看護師はクリニックに退職勧告され、他の病院へと転職していきました。
外来看護師とは言え、あくまで対人業務が中心です。
多くの人が一緒に働く場ということを考慮した上で、業務に取り組むようにしましょう。
仕事がいい加減な人
外来看護師は一人で業務しなくてはならない場面も多くみられます。
そういった場面でいい加減な仕事をされてしまうと、業務に支障が出るだけでなく、患者さんにも被害が及ぶ可能性があります。
例えば、クリニックなどでは採血などの血液検査を行った時に、他の外部業者に委託して検査をしてもらうところがあります。その際に外部業者に依頼し忘れて後日となってしまった場合、以前の血液献体は使用できないため、再度患者さんから採血をさせてもらわないとなりません。
もちろん仕事は誠心誠意取り組むべきですが、外来という場は自分の仕事の落ち度を、他の誰かがカバーしにくい状況にあります。
だからこそ、仕事はしっかり行える人でないと、外来看護師の仕事はできないでしょう。
誤魔化す人
前述した「仕事がいい加減な人」に近しいところがあります。
仕事でミスした時に誤魔化すような人も外来看護師には向いていないでしょう。
そもそも医療業において、何かを誤魔化すようなことはしてはなりません。
その誤魔化しがどのようなインシデントやアクシデントにつながるかわからないからです。
仕事でミスをしたら、まずは上長に相談し、対応を仰ぐようにしましょう。
これができない方は、外来看護師だけでなく看護師としての適正もないかもしれませんね。
外来看護師が離職する理由
日本看護協会が発表した「2019年 病院看護実態調査」によると、2018年度における正規雇用看護職員の離職率は10.7%となっています。
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/research/95.pdf
分野別の離職率は掲載されていませんが、外来看護師の離職率は高めな印象です。
理由として、外来看護師の職場環境や仕事内容が関係しているようです。
外来看護師は患者さんの相談窓口でもあり、日常的にクレーマーな患者さんと接する機会が多くなっています。
私自身、看護師として勤務していた中で、クレーマー対応が精神的なストレスとなっていました。
私の勤務していたクリニックで起きたクレーマーの患者さんのお話をします。
当時勤めていたクリニックには、いわゆる「癖の強い」と言われる患者さんがいました。
男性で、年齢は30代。昔からある病気を患っており、長期間通院されている患者さんでした。
昔から通院されている方のため、クリニック側の事情にも精通しており、特に新人や経験の浅い看護師には当たりの強い方でした。
「若い看護師だと何かトラブルが起きた時に対応できない方近寄らせるな」「新人看護師だと失敗されるから採血させない」など、多くの要望を持つ方で、彼の通院に合わせ経験豊富な看護師がシフトを組んでいたことを思い出します。
経験豊富な看護師とは、関係性も深い方でしたが時には衝突することもありました。
そして通院拒否などのトラブルもあり、師長が何度も電話で対応されていました。
このようにクリニックや外来には気難しい患者さんや、癖のある患者さんの一次対応をしなくてはならず、精神的に辛いものがあります。
さらにはクリニックなどの診療時間は遅くまで開院していることも多く、これに伴い看護師の就業時間も遅くなりがちです。
場合によっては、そこからさらに残業となることも。
他にも外来看護師の仕事内容には、医師の介助だけでなく、事務作業やクリニックの清掃など、「これは看護師の仕事なのか」と言われるような仕事も多くあります。
これらに違和感を感じ、退職される看護師が多いようです。
まとめ
外来看護師に向いている人と仕事ができない人の特徴、外来看護師が離職する理由についてお伝えしてきました。
いかがでしたでしょうか。
・外来看護師に向いている人は「業務の優先順位を立てられる人」「マルチタスクができる人」「単純作業が嫌じゃない人」
・外来看護師の仕事ができない人の特徴には「我が強い人」「仕事がいい加減な人」「誤魔化す人」
・外来看護師が離職する理由は職場環境や仕事内容が影響している
外来看護師として働いてきた中で、実際に何度も退職しようと考えました。もちろん理由は記事でお伝えしたようにクレーマーな患者さんの対応や拘束時間の長さが原因でした。
本記事を参考に、外来看護師の現状を知っていただけますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。