ラウンド ナースステーション 電子カルテ

看護師 免許証 資格 白衣の探偵

 

「よし、今日は早めにラウンド終わった!ナースステーションに戻って記録を進めよう!」

 

そう思ってステーションに戻った途端、モニターアラーム、ナースコール、離床センサー、電話対応、薬剤師や医師からの確認事項が次々と押し寄せ、結局何も記録が進まないまま時間が過ぎていく…。

これ、看護師の皆さんなら一度は経験したことがあるのではないでしょうか?

 

結局、時間内は対応に追われてしまい、肝心の記録業務が後回しになる。

そして気がつけば定時を過ぎ、「また残業か…」とため息をつきながらパソコンに向かう。

この状況、果たして私たち看護師の「効率が悪い」せいなのでしょうか?

 

本来であれば、業務の優先順位をつけ、計画的に仕事を進めるのが理想。

しかし、病棟業務は予測不可能なことの連続であり、予定通りに進むことのほうが珍しいのが現実。

患者の急変、ナースコールの嵐、急な入院や退院処理など、分刻みで次々と新しい業務が発生する中で、「時間通りに終わらせる」こと自体が難しい状況にあります。

 

では、看護師の皆さんに聞きたいのですが、どうすれば効率よく仕事を終わらせることができるのでしょうか?

ナースステーションに戻るタイミングを変えれば良いのか、それともそもそもの業務のやり方を見直すべきなのか…?

 

ナースステーションに戻った瞬間、記録ができなくなる不思議な現象

 

「ナースステーションに戻った瞬間、なぜか仕事が増える」

 

これは多くの看護師が共感する現象ではないでしょうか?

 

ナースコールやアラーム対応に追われ、次々と雑務が降ってくるため、記録を書こうにも一行すら進まないこともあります。

例えば、ナースステーションに戻った直後、モニターアラームが鳴るとすぐに確認しなければなりません。

次の瞬間、ナースコールが鳴り、「トイレに行きたい」と言われればすぐに対応しなければならない。

ようやく座ったと思ったら電話が鳴り、家族対応や医師からの指示変更、さらに別の患者の状態変化…。

結局、記録は進まず、「なぜ私はここに戻ってきたのか?」と虚無感に襲われることになります。

 

ナースステーションに戻ることで、「対応可能なスタッフが増えた」と認識されるのも問題の一つ。

特にスタッフが少ない時間帯では、戻った瞬間に「ちょうどよかった、これお願い!」と仕事を振られることも多く、それが積み重なることで記録時間が削られてしまうのです。

このような状況を避けるために、一部の看護師は電子カルテを持ち歩き、病室の中で記録を進める方法を取っています。

 

実際に、電子カルテが導入されたことで、病棟のどこでも記録ができるようになったため、ナースステーションに戻るタイミングを工夫することで効率化を図ることも可能。

しかし、それでも「看護師が記録をしている=暇」と思われることがあり、記録中に「この漢字の読み方わかる?」と患者さんに聞かれるなど、仕事を中断せざるを得ない場面もあります。

 

 

 

「記録する時間」が確保されない現実…これって構造的な問題?

 

看護師の業務は、患者対応だけではなく、多くの記録業務も含まれます。

しかし、現場では「記録する時間」が確保されることはほぼありません。

そもそも「看護師は常に動いているべき」という文化が根付いているため、記録のために席についていると「暇そうにしている」と誤解されがちです。

 

実際、「記録が余裕で書けそうなときほど邪魔が入る」と感じたことはありませんか?

 

予定通りに業務を進め、「今日は早く記録が終わるかも」と思った瞬間に急患対応が入ったり、別の看護師から仕事を頼まれたりして、結局記録が進まない。

これが続くと、「記録は残業してやるもの」という考えが当たり前になってしまい、サービス残業が常態化する原因にもなります。

 

こうした状況は、個人の業務の進め方だけでは解決できません。

病棟の業務フローや役割分担を見直し、記録の時間を確保する仕組みを作らなければ、いつまで経っても「記録が終わらないから残業する」という負のスパイラルから抜け出すことはできないでしょう。

 

 

 

「早くラウンドを終えること=効率的」ではない?働き方を見直すべき時

 

看護師の仕事は「スピード」だけでは測れません。

確かに、早めにラウンドを終えてナースステーションに戻ることは、業務を効率よく進めるための一つの方法かもしれません。

しかし、それが結果的に「ナースコールや雑務対応に追われて記録が進まない」状況を生むのであれば、本当に効率的なのか疑問が残ります。

 

むしろ、現場の看護師たちが本当に働きやすい環境を作るためには、記録をするための時間や場所を確保し、業務の流れを見直すことが必要ではないでしょうか?

例えば、ナースステーションに戻らず、電子カルテを持ち運びながら病室で記録を進める、あるいはシフトの中に「記録専用の時間」を設けることで、仕事の効率を改善することができるかもしれません。

 

 

 

まとめ

 

早めにラウンドを終えても、ナースステーションに戻ると結局仕事が増えてしまい、記録が進まない。

この状況は、決して私たち看護師の「効率が悪い」から起こるわけではなく、むしろ「記録する時間を確保できない病棟のシステム」に問題があるのではないでしょうか?

 

結局、現場の看護師がどれだけ効率的に動こうとしても、病院の環境がそれを妨げている限り、業務の負担は減りません。

管理職や病院の経営陣が現場の状況を理解し、記録の時間を確保するための対策を講じなければ、「記録が進まないから残業する」という悪循環は続くでしょう。

 

ナースステーションに戻ることが「仕事を増やす行為」になってしまうこの状況、看護師の皆さんはどう思いますか?