看護師になると一度は聞く『慢性期』『急性期』という言葉があります。多くの病院が慢性期病棟と急性期病棟があり、一度は必ず配属され、経験をするでしょう。
しかし、看護師全ての人がその病棟に対応できるかと言うとそういうわけではありません。
看護師にも向き不向きというものがあり、それは病棟によっても異なります。
慢性期と急性期に関してもあまり知らないという人の場合は移動や配属指示が出た時に不安に感じることも。
では、慢性期病棟と急性期病棟はどのような所なのか、また業務内容や向き不向きについて比較解説していきます。
あなたは慢性期科と急性期科のどちらに向いている?
中規模な病院などの場合は、主に慢性期、急性期で病棟が分かれます。
大きな総合病院であればそれ以外の病棟もありますが、多くの看護師は慢性期や急性期の病棟へ行くこととなるでしょう
そのときに何も知らずに病棟に行き、勤務をしていると徐々に不安が募り、自分に向いているのかと悩む人もいます。
では、どのような人が慢性期、急性期に向いているのか、自分の性格を考慮した上で向き不向きの参考にしてください。
慢性期に向いている看護師とは
慢性期病棟というのは、主に回復期であることや症状が変わらず、長期間の看護を必要としている患者が多くいます。
そのため、ゆっくりと患者とコミュニケーションを図りたい、深く関わって行きたいという看護師には慢性期病棟が向いています。
主に慢性期に向いている人の特徴として
・人と交流することが好き
・残業したくない
・一人の患者に密な看護を提供したい
・考える時間が欲しい
など、気持ちに余裕を持ちたいと望む人に向いているでしょう。
夜勤時にもそこまで忙しくはなくゆっくりした時間を過ごすことができるので、忙しい環境が苦手という人も慢性期に向いています
ゆっくりとした時間を得たい、プライベートの時間も確保したいという人は慢性期がストレスなくできるのではないでしょうか。
急性期に向いている看護師とは
急性期というのはスピードが命です。
いつ容態が変わるかも分からない、目を離すことができない状態なので、緊張感が高い仕事であると言えるでしょう。
そのことから
・テキパキ動く仕事が好き
・体力に自信がある
・感情の切り替えが早い
・高度な知識やスキルを身につけたい
という人が最も急性期病棟に向いています。
急性期病棟というのは、とても忙しく余裕はありません。
多くの病院の急性期で働く看護師は残業も当たり前となっているでしょう。
しかし、もっと看護知識を得たい、スキルを磨きたいなど向上心の高い看護師には向いており、様々な疾患も学べるでしょう
慢性期と急性期の業務内容とは
次に慢性期と急性期病棟の業務内容がどのようなものなのか紹介していきます。
もちろん、その病棟で働いたことがある人もいるでしょうが、やはりどの病棟でも経験のない場合には流れを把握しておくことが自分の向き不向きに関して理解しやすくなるでしょう。
どちらも同じ日勤夜勤でどれだけ違うのか、業務内容に関して知る機会にもあるでしょう。
まずは、業務内容を理解した上でどの病棟を選ぶか参考にしてください。
そして、気になる場合には移動願いを出してみることも一つなのでぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
慢性期の業務内
慢性期の業務内容は最初にお伝えしたように、緩やかな進み具合を想像していただければ良いです。
主に急性期ほど患者の入れ替えが激しいことなどもないので、比較的落ち着いた環境ではあるでしょう。
ただし、それは患者の疾患スピードが緩やかであって、看護師の業務が緩やかであるというわけではありません
慢性病棟であっても患者の受け持ちは多く、一人一人にかける看護量は多いので、あっという間に時間は過ぎていくでしょう。
慢性期病棟にいる患者さんは主にリハビリ型や療養型の医療を中心に行っており、患者の入院期間というのは基本長期的になります。
その中で看護師は患者の容態の回復や維持に努め、サポートや介助が中心となることが多いです。
朝の検温を始め、処置や点滴、食事介助など。
他にも下の世話など、身の回りに関することは全て看護師がサポートしていきます。
受け持つ患者が多ければ多い程、この作業は増えるので暇とは言えません。
急性期の業務内容
急性期は本当にめまぐるしく動くイメージを持ってもらうことが一番早いでしょう。
病気の症状が急激に変動し、患者の状態を常に把握しておくことや、早い処置や対応を求められます。
患者の命を守るためにも24時間気を抜けない状況になので、夜勤でもとても忙しいということを理解しておくと良いでしょう。
小さなミスも患者の命取りになるので、慎重でかつスピーディーな対応となると頭の回転が速い人が最も急性期の看護師としては向いているのではないでしょうか。
これを聞くだけでは不安な看護師もいるでしょうが、急性期というのは多種多様な患者がいるので、多くの疾患を学ぶこともでき、見て回復していく様子が分かるので、やりがいがあります
また時間の流れがとても速く感じるので、業務のやり残しによる残業というのも特徴です。
急性期から慢性期へ転職する看護師もいる
慢性期から急性期へ、急性期から慢性期へと様々な理由をもって病院内で移動する看護師もいれば、転職する看護師もいます。
これは自分での向き不向きを考えてという看護師もいれば、向き不向きではなく、自分なりに考えて移動を希望する看護師も少なくないことから試行錯誤していることは間違いないでしょう。
では向き不向きの問題ではなくその他の理由で移動を望む看護師はどのような理由で移動や転職をするのでしょうか。
環境を含めてその理由について解説していきます。
急性期は家庭との両立が難しい
急性期は何度も言うように残業も多く、めまぐるしく回る病棟になっています。
そのため、家族を持つ人で育児を必要とした場合の両立はとても難しいでしょう。
ストレスも感じやすく、仕事でもばたばたしている上に家で育児や家事でもばたばたしていると身がもたなくなることもあります。
このように主婦業と看護師の両立というのはただでさえ難しいにも関わらず、勤めている病棟が急性期となると体力も精神力も全て持っていかれるので落ち着いた職場を求めて慢性期で移動する看護師が多くいます。
激務から逃れたい看護師は慢性期へ
自分からの希望ではなく、急性期病棟に配属になった場合の多くは急性期がどのような業務かあまりはっきりしておらず、初めて急性期病棟の激務に驚く看護師は多くいます。
新人の場合であれば必死について行こうとする看護師もいますが、徐々に疲労もたまり、頭が追いつかないということも少なくはないでしょう。
そして、慣れない環境下にくわえて激務な状態にストレスを感じ慢性期への移動を希望する看護師もいます。
場合によっては看護師という職種を辞めることもあるので、新人看護師に関しては周囲がどれだけフォローできるかということもかかってくるでしょう。
そして、これは新人に限った話ではなくある程度慣れてきている看護師でも、何年か同じ病棟で勤務をしていると看護の在り方について考えることがあり、そのことが理由で急性期から慢性期に移る看護師もいます。
多くを学びたい人は急性期がおすすめ
最初にお伝えしたように急性期から慢性期に行く人もいれば、慢性期から急性期へ自分の希望で行く人もいます。
慢性期は確かに患者と関わることも多く、落ち着いて看護ができる環境ではありますが、疾患や処置についてなど多くを学べるかというと、そういうわけではありません
疾患について学びたい、技術を取得したいとスキルアップを強く望む看護師には慢性期よりも急性期が良いため、移動を希望する人が少なくないでしょう。
まとめ
今回は慢性期科と急性期科を比較してみました。
今回の記事で、あなたはどちらが向いていると感じたでしょうか?
実際には勤務してみないとわからないこともあるかとおもいますでの、慢性期科と急性期科両方を経験してみるのも良いと思います。
その中で自分の事情や考え方が決まってからでも選ぶのは遅くないと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。