
看護師として働く中で、時には「もう辞めたい」と思うほど辛い時期や、「この仕事を選んでよかった」と感じる瞬間が交互に訪れますよね。
どちらの感情も真剣に向き合うべき大切なものです。
ただ、ここで覚えておきたいのは、「看護師になると決めたのは自分自身」であり、「辞めるか続けるかを決めるのもまた自分」という事実です。
誰かに決めてもらうのではなく、自分の人生を自分で選ぶこと。
それこそが本当に大切なことなのです。
この記事では、「辞めるか続けるか」というテーマを掘り下げ、自分らしい選択をするためのヒントをお伝えします。
「看護師になった理由」を振り返ることから始めてみる
あなたが看護師を目指した理由は何ですか?
人それぞれ異なる理由があると思います。
「患者さんの役に立ちたい」「手に職をつけて安定した生活を送りたい」「家族や友人に背中を押された」など、どの理由も立派な動機です。
しかし、働き始めてから日々の忙しさやストレスの中で、初心を忘れてしまうこともありますよね。
私もかつて、自分が看護師を選んだ理由を忘れかけていました。
新人時代、日々の業務に追われ、理想と現実のギャップに苦しみ、「何でこんなに辛い仕事を選んだんだろう」と何度も思ったものです。
それでも一度立ち止まり、「私がこの仕事を選んだのは誰のためでもなく、自分の意思だった」と思い出すと、不思議と心が軽くなりました。
看護師を続けるか辞めるかを考えるとき、まずは自分がなぜこの道を選んだのか、そして今その理由にどう向き合っているのかを見つめ直してみましょう。
それがあなたの今後を考えるための第一歩になります。
辞めたいと思う気持ちは「悪いこと」ではない
「もう辞めたい」と思うことに罪悪感を抱いていませんか?
看護師として働いていると、「患者さんを置いて辞めるなんて無責任ではないか」「こんなことで辞めるなんて自分は甘いのではないか」と自分を責める気持ちが湧くことがあります。
特に、周囲からの期待やプレッシャーを感じると、自分の本当の気持ちを抑え込んでしまうこともあるでしょう。
しかし、「辞めたい」という感情そのものは悪いことではありません。
それどころか、今の働き方や職場に疑問を持つことは、むしろ健康的で自然なこと。
その感情に蓋をしてしまうと、自分が本当に何を求めているのかが見えなくなってしまいます。
私は一時期、「辞めるなんて逃げだ」と思い込んでいましたが、ある先輩看護師に「辞めたいと思うのは、今の環境が自分に合っていないってことだよ。合わない場所に無理にいる方が、自分にも患者さんにも良くない」と言われ、心が軽くなりました。
その言葉をきっかけに、自分に合った職場を探すことを決意しました。
続けるなら「どう楽しむか」を考える
辞めるか続けるかを迷ったとき、もし「やっぱり続けたい」と思うなら、次に考えるべきは「どうやって楽しむか」です。
看護師の仕事は肉体的にも精神的にもハードですが、その中にも喜びややりがいを見つけることはできます。
例えば、患者さんからの「ありがとう」の一言や、チームで協力して困難なケースを乗り越えたときの達成感。
そういった小さな成功体験を積み重ねることで、仕事に対する満足感を高めることができます。
また、自分なりの楽しみを見つけることも大切です。
私の場合、忙しい日々の中でも患者さんと少し会話をすることで心が癒され、それがモチベーションになっていました。
さらに、職場の人間関係や働き方を改善する方法を模索するのも一つの手。
例えば、休憩の取り方を工夫したり、同僚とお互いを支え合う環境を作ることで、仕事への負担を軽減できます。
「楽しむために何ができるか」を考えることが、続ける選択をする上で重要です。
辞める選択も「勇気ある決断」
辞めるという選択には、不安や恐れがつきものです。
次の職場でうまくやれるのか、経済的に大丈夫なのか、周りにどう思われるのか――こうした不安が頭をよぎるのは当然のことです。
しかし、辞めることを「逃げ」と捉える必要はありません。
むしろ、自分の人生をより良い方向に進めるための「勇気ある決断」として捉えるべきです。
私自身も、辞めるかどうか悩んでいた時期がありました。
職場の人間関係が原因で毎日が憂鬱で、「このままでは自分の心が壊れてしまう」と思ったからです。
転職後、新しい環境では人間関係も良好で、自分のスキルを活かせる場が広がり、毎日が充実しました。
「辞める決断をしてよかった」と心から思っています。
「他人の意見」は参考程度に
看護師を辞めるか続けるかを考えるとき、親や友人、上司、同僚など周りの意見が気になることもあるでしょう。
特に、「せっかく資格を取ったのに」「辞めたらもったいない」といった声を聞くと、どうしても迷いが生じますよね。
もちろん、他人の意見を参考にするのは悪いことではありません。
ただし、最終的に決めるのは自分自身です。
自分の人生を生きるのは他の誰でもなく、自分なのです。
周りの期待や価値観に振り回されるのではなく、自分がどうしたいのかを優先して考えることが大切です。
まとめ
看護師になるのを決めたのは自分。辞めるか続けるかの選択もまた、自分の意思で決めるべきです。
愚痴になりますが、私は以前、「辞めるなんて自分にはできない」と思い込み、長い間不満を抱えたまま働いていました。
その結果、心身ともにボロボロになり、やっと転職を決断しました。
あのとき、もっと早く自分の気持ちに正直になればよかったと今でも思います。
看護師として働くことは素晴らしいことですが、それが全てではありません。
自分の気持ちや健康を第一に考え、自分らしい選択をしていきましょう。
それが、後悔のない人生を歩むための第一歩です。