ICU看護師をしていた「辞めたい!」と感じてしまう理由と、対策についてお話していきます。
辞めたくなってしまうときは、一人で考えがちになりますが、私が感じたことや考え方を共感できればと思います。
ICU看護師を辞めたいと思う瞬間とは
ICU看護師を辞めたいと思う瞬間は仕事の大変さ、ストレスの大きい環境、人間関係の悩みなどがあります。詳しく見ていきましょう。
忙しくてキャパオーバーになったとき
ICUは受け持つ人数は少ないのですが、重症度が高い分やることがたくさんあります。
スケジュールを立ててもその通りに終わることはなく、急に必要になる処置が増えたり、状態が変わってやるべきことが増えたり、仕事に追われると心のゆとりがなくなります。
仕事の大変さからICU看護師を辞めたいと感じてしまいます。
責任と緊張感のある環境によるストレス
ICUという環境は通常とは異なった世界です。
昼夜問わずいつでもアラームが鳴ります。
患者さんはいつでも状態が変わる可能性があるため24時間集中的な治療が必要になります。
最初は集中力があっても、長時間になると身体も心も疲弊していきます。
ストレスを感じた時に辞めたいと感じてしまいます。
態度の悪いスタッフとのコミュニケーション
一緒に働くのであれば、お互い気分よく働きたいものです。
緊張感やストレスが大きい職場になると、横柄な態度のスタッフがちらほらと現れます。
患者さんを救う目的のためにお互い協力する必要がありますが、いつでも不機嫌で怒っているようなスタッフへの報告、相談、連絡には負担を感じます。
働くスタッフとの人間関係に悩むとICU看護師を辞めたいと感じることがあります。
幅広い知識が必要で分からないことが多いと感じたとき
ICUでは様々な疾患の患者さんがいます。
呼吸器、循環器、消化器、脳神経…必要になる知識はとても多く、分からないことだらけで困ってしまいがちです。
どれだけ経験を積んでも最先端の医療・看護を提供するために日々学習していく必要があり、負担を感じたときに辞めたいと感じてしまいます。
インシデント・アクシデントの発生
ICU看護師に限らないことですが、看護師として働く中でインシデント・アクシデントが発生するととても落ち込みます。
ICUでは取り返しのつかない大きな事故に繋がることもあります。
私は実際に大きなアクシデントに携わったことがありますが、とても落ち込み、辞めたいと思った瞬間がありました。
起きたことは仕方がないと励ましの言葉をかけてもらったり、次に同じことが起きないように周りのスタッフと対策を考えたりと、一人ではなく他人に頼ることで乗り越えることができました。
看護ができていないと感じたとき
ICUの患者さんは意識がなく、人工呼吸器を装着しているため会話をすることはあまりありません。
命を救うためには治療が最優先になることもあり、点滴の準備や処置に追われて看護らしい看護ができないときはこんな関わりで良いのだろうか?と悩むことがあります。
ICU看護師は患者さんの声にならない声を聴き、患者さんの状態にあわせて必要なことを先回りして実施していく力が求められます。
自分で考えて実践していかないと、看護ではなく治療がメインになりがちです。
看護ができていないときに辞めたいと感じてしまいます。
やりがいを見失ったとき
ICUに入る患者さんは急に発症した大きな病気で運ばれてきた方や、一般病棟で突然
心停止するなど急変した方など、重症で状態が不安定です。
高齢な方も多く、ICUに入ると長期間寝たきりで過ごすことが多くなります。
患者さんの命を救うことができても元通りには戻らないと感じたときに私はやめたいと感じました。
- こんなに最先端の医療を使って命を伸ばすことになんの意味があるのだろう?
- 命は救ったけれど、本人はこんな姿を望んでいただろうか?
- 家族はこれからどうするのだろうか?
- 高額な医療費を使って、ただ生きているだけの状況を作ったのではないか?
と考えたとき、ICU看護師を辞めたいと感じてしまう事があります。
ICU看護師を辞めたいと思った時の対策
ICU看護師をやめたくなったらどうしたら良いのでしょうか?
選択肢はそのまま続けるか、異動を希望するか、転職をするかのどれかになるのではないでしょうか?
精神的にも身体的にも限界を感じた時は、冷静に物事を考える期間を持つためにまずは休職をすることをおすすめします。
そのままICU看護師を続ける場合
ICU看護師を辞めたいけれどそのまま続ける場合はそれまでの気持ちを切り替えていきましょう。
辞めたい気持ちを抱えてただ働くのは心と身体に負担がかかります。
なぜICUで働くのか、自分の気持ちに向き合い、ICU看護師で居続けることの意味を考え、納得して働き続けることが大切です。
異動を申し出る
ICU看護師を辞めたいけれど転職をするほどではないと感じる場合はまず師長さんなど上の人に異動をしたいことを伝えましょう。
「異動できないならやめます」と強気に伝えることがポイントです。
同じ病院内で異動する場合は気になることもでてくるかもしれませんが、周りの目を気にせずに自分の思いを優先していきましょう。
転職する
ICU看護師を辞めたい、病院を辞めたいと感じている場合は転職を検討しましょう。
ICU看護師としての経験があるとアピールポイントとなり、転職する際に有利になる可能性があります。詳しく見ていきましょう。
ICU看護師が転職するならどんな職場?
看護師はやめたくないけど転職をしたい!そう思っている方にオススメの転職先はこちらです。
・外来看護師
・手術室看護師
・美容看護師
・重症心身障害児施設看護師
・産業看護師(保健師)
・訪問看護師
外来看護師
ICU看護師として働いていると、医師の診察の補助や創部の処置の経験があります。
また、急な対応が必要になったときに即座に判断して必要なことをしていく力があります。
外来看護師はそんな経験を活かすことができます。
夜勤はなく、日勤のみなので夜勤をやりたくないけれどICU看護師としてのスキルも使いたいという方には外来看護師が向いているのではないでしょうか
手術室看護師
ICUは手術後の方が入ることが多いです。
ICUに入る前の患者さんはどのような状態にあるのか学ぶことができます。
それまで見えていなかった患者さんの経過を知ることができるのではないでしょうか?
看護師と手術室看護師はまったく違う仕事内容になりますが、ICUで身に着けたモニター管理や薬剤管理、変化を医師に伝える力が活かされるでしょう。
美容看護師
病院以外で働きたい!そんな方におすすめなのは美容クリニックでの看護師です。
美容クリニックはとても人気があり、「外科や手術室の経験が3年以上」という条件のところもあります。
ICUで外科的な処置の経験をしている場合はアピールできるポイントになり、美容クリニックの転職に有利になります。
重症心身障害児施設看護師
病院以外で働きたい!という方には重症心身障害児(者)施設の看護師もおすすめです。
生まれつき、もしくは後天的に身体と精神に障害を抱えた方が過ごす重症心身障害児(者)施設は時間の流れがゆっくりです。
人工呼吸器を使用している方も多く、自分で身体を動かすことができない子ども達の全身状態の管理はICU看護師としての経験が役立ちます。
産業看護師
産業看護師は働く人々の健康管理、会社の健康経営などに携わります。
病院とはまったく異なった働き方になります。
日勤のみで残業はほとんどなく、OLのような働き方に憧れる方もいるでしょう。
産業看護師(保健師)は1つの企業に1人のことが多く、自分で考えて実践していける力が不可欠です。
ICUでの経験が直接活かされる部分は少ないかもしれませんが、健康相談・指導で説得力のある指導に繋げることができるでしょう。
訪問看護師
患者さんにとってICUが1番初めに来る場所だとすると、在宅は1番最後にくるところでしょう。
訪問看護は病気を発症した後、回復期の病院や施設を経て、在宅に戻ってきた方と関わることができます。
病院とは違った看護になるためやりがいがあります。
ICUで身に着けた看護の経験を活かすことができ、看護師としてのキャリアも継続できます。
まとめ
ICU看護師を辞めたいと感じてしまう原因と対策について話してきました。
ICU看護師は、いつ何が起こるか予測しながら行動していかなければいけません。
そこでの緊張感やストレスは、辞めたいと感じてしまう原因となることもあります。
本記事が少しでも皆さんのお役に立てますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。