看護師の働き方には色々ありますが、その中に「応援ナース」と「派遣ナース」があります。
看護師というと病棟勤務のイメージを持つ人も多く、応援ナースや派遣ナースについて知らない人も少なくありません。
では、この応援ナースと派遣の違いとはどのようなものなのでしょうか。
こちらでは応援ナースと派遣の違い、どのような仕事なのか詳しく解説していきます。
これから応援ナースや派遣ナースをしようと考えている人はもちろん、応援ナースと派遣の違いについて知りたいという人はぜひ参考にしてください。
応援ナースと派遣ナースの雇用形態の違い
応援ナース | 応援先の病院や施設 |
派遣ナース | 派遣会社 |
最初に雇用形態の違いについて解説していきます。
応援ナースと派遣の違いの一つ雇用形態は大きく分かれます
応援ナースの場合、雇用形態主は勤務場所の病院となるため全ての要望等も雇用先でもある病院等に伝える必要が出てくるでしょう。
また応援ナースの場合は、短期雇用と言っても期間は3ヶ月~6ヶ月程になるため、そちらも理解しておかなければいけません。
派遣ナースの場合は雇用先が派遣会社になるので、勤務日数や休み希望などはそちらへ伝えることが必要となります。
派遣の場合はひと月更新が多く、短期間に色々な派遣先へ行くことも少なくありません。
短期間で色々な職場を見たいという人や、色々な職場で看護師経験を積みたいという人には派遣という形もおすすめです。
応援ナースと派遣ナースの給料の違いは?
応援ナース | 月給制が基本 |
派遣ナース | 時給制 |
こちらも応援ナースと派遣の違いとして謙虚に表れています。
応援ナースの場合は雇用先が派遣先の病院や施設となり、そちらの契約に従う必要があり、常勤看護師と同様に月給制となることが多いでしょう。
派遣ナースの場合は、派遣会社が雇用先となるため、時給であることも多く、どれだけ働いたかなどの記載をその日に記し、締め日にまとめて送るという形を取っていることも多くあります。
時給であるため、残業などの場合にはその分の請求も可能となり、派遣先である勤務状態によってはその月に多く受け取るこということもできるでしょう。
応援ナースの場合は、どこで働いたとしても基本給は全国一律となり、正看護師で45~50万円、准看護師で37~40万円(どちらも夜勤含む)となっているため、常勤よりも月給は高くなります。
しかし、賞与や退職金などはなく、総合的に見ると常勤より少なくなることもあるため、必ずしも高収入かと言われると悩む所です。
私は以前派遣で訪問入浴の仕事をしており、その際に週3回8時間程の勤務で20万円程頂いていたこともありますが、もちろん賞与はありませんでした
夜勤はあるの?
応援ナース | あるところが多い |
派遣ナース | 派遣先による |
応援ナースと派遣の違いとして夜勤もあります。
応援ナースの場合は夜勤を含む給与を渡すということもあるので、勤務先が病棟である場合は夜勤も必然的にこなさなければいけない状況になるでしょう
しかし、派遣の場合は勤務先が病院であっても夜勤はなく日勤だけのことが多いです。
これは勤務先側の意向ではなく、派遣会社が派遣の場合高時給であるが故に、超勤加算をつけることができないということも理由としてあるでしょう。
その代わり、夜勤をしたいという看護師には夜勤のみの派遣というのもあり、そちらも高時給であるため、派遣として夜勤専属ナースという形で働く人もいます。
派遣ナースとして日勤+夜勤ができるのではないかと考える人もいますが、日勤の派遣の場合週何日という指定がある所もあり、そちらを考慮すると夜勤をプラスすると疲労が重なることもあるのでオススメできません。
残業の有無は?
応援ナース | 派遣先規定によってはある |
派遣ナース | ほとんどなし |
残業をしたくないから応援ナースや派遣ナースとして働くことを希望する人もいますが、必ず残業がないということではありません
応援ナースの場合は何度もお伝えしているように雇用先は勤務先の病院や施設です。
もしそちらが残業を求めている場合には必要時残業をしなければいけなくなるでしょう。
しかし、派遣の場合には勤務が終了した時間を時刻シートに記載するようになっており、残業をすればその時間もしっかりと記載することでその分の給与を受け取ることができます。
そのため、残業をすれば派遣先が必要以上の費用を派遣会社に支払わなければいけないことになり、それを避けるためにも残業をさせないことがあります。
私が以前派遣されていた訪問入浴では、時間を8時から18時が勤務可能時間としていましたが、訪問入浴先によっては20時を過ぎることも多く、場所によっては7時に出勤を必要としていた時も
このことから確実に残業はないとお伝えできませんが、その分の時給は発生するため、正直に記載すると良いでしょう。
有給の扱い方に注意
応援ナースと派遣の違いは有休も大きく関係してきます。
常勤であれば何ヶ月以上働いてから有休を取れるようになり、それを消費することが労働基準法にて義務づけられています。
しかし、応援ナースと派遣ナースの場合はどうなるのでしょうか。
応援ナースの場合、6ヶ月以上の勤務を必要とします。
つまり、応援として勤めた先で6カ月以上働く必要があり、また6ヶ月経ったと同時に辞めるのではなく、その後も何日か勤めていることが条件となります
派遣ナースの場合も6ヶ月以上の勤務を必要としますが、派遣先場所は関係ありません。
6ヶ月以上派遣として働いており、尚且つ6ヶ月経ってからも1ヶ月同様派遣会社を利用することを条件としています。
ただし次の派遣先へ勤務する際に1ヶ月以上の空白がないことを条件としているため、有休が欲しい場合には再度確認をしてください。
応援ナースがオススメの人とは
上記で述べてきたように応援ナースにはいくつかメリットがあります。
しかし全ての看護師にオススメできるわけではありません。
応援ナースに向いている人、向いていない人というのもおり、応援ナースをしていても以下のことが当てはまらないと厳しいでしょう。
では、応援ナースがオススメの人とはどのような人のことを言うのでしょうか。
応援ナースをオススメする方は、主に一定の場所の勤務できない人やキャリアアップを望まない人と言えます
まず常勤として一カ所で働くことが嫌いな人や人間関係に悩みたくないというのは応援ナースが向いています。
まず、勤務期間が決められており、長くても6ヶ月であることが多く、その勤務先が気に入ればその後も勤務先によっては勤務を継続できるでしょう。
また、応援ナースの場合はキャリアアップを必要としていません。
看護師としての基礎知識や基礎技術を身に着けていることでできる仕事が主なため、特に看護師として今以上の上を目指していない人にはおすすめです。
派遣がオススメの人とは
では派遣ナースの場合はどのような人がオススメなのでしょうか。
応援ナースと派遣の違いとして、このオススメの人というのも大きく異なります。
派遣ナースの場合、自分の中でどれだけ働きたいか、いつ働けるのかなど全て自己都合で働ける所もあります。
何ヶ月間働きたいという人や、この曜日は絶対休みたいという場合には申告しておくことで可能となります
また、常勤ほど働きたくはないけど、パートなどよりも収入は欲しいという人にも派遣は魅力的になります。
通常の求人で出される看護師の求人よりも圧倒的に高時給であることはもちろん、夜勤ともなれば1ヶ月に入る回数によっては稼げます。
もう一つ派遣ナースに向いている看護師は、「多くの経験を得たい」という人です。
派遣ナースは短期間に色々な職場へ勤務することがあります。
そのため、様々な職場はもちろん、勤務先によっては自分が経験したことないことも経験できるため、知識を得ることもできるでしょう。
まとめ
応援ナースと派遣の違いをいくつか解説してきましたが、応援ナースも派遣ナースもそれぞれに魅力的な所は多くあります。
この魅力的な部分をメリットと捉え、応援ナースや派遣ナースとして看護師を続けていくことを決める人も少なくありませんが、やはり向いていない人というのもいるので、それは自分で決めていくしかありません。
しかし、少しでも気になるのであれば応援ナースと派遣の違いを再度確認しつつ、自分にはどの働き方が合っているのか照らし合わせて実際に経験の一つとして働いてみてはいかがでしょうか。