「転職したいけれど、転職回数が多くなってしまう」
「転職の志望動機はどうしよう」
看護師という職種は転職が多い仕事の一つでもあります。
転職の理由は人それぞれ違いますが、中には片手では数えられないほど転職を繰り返す方もいるほどです。
この記事では看護師の転職回数が多い人の特徴と志望動機に焦点を当て、転職回数が多くても転職できるような志望動機についてお伝えしていきます。
看護師の転職回数が多い人の特徴
看護師の転職回数が多い人の特徴は、3つあります
- スキルアップを目的とした転職
- 職場の不満を解消するための転職
- 自分自身の体調や家庭の事情での転職
一つずつ解説していきましょう。
スキルアップを目的とした転職
看護師になると決めた時に、あなたは「この分野で働きたい」と考えていた分野や領域はありませんでしたか?
もしくは看護師として働く中で「この分野の勉強をもっとしたい」と考えるようになった人も、少なからずいるはずです。
現在勤めている職場が、勉強したい領域や分野の専門的な病院であれば、問題ないかもしれません。
しかし全てがそうとは限りませんよね。
私自身も1社目の病院を退職、転職した理由はスキルアップを目的としたものでした。
私の場合、目的の部署は同じ病院内にあったのですが、残念ながらその部署はパートもしくは時短勤務の方でないと異動できないところだったのです。
このまま勤めていても、いつその部署に異動できるのかもわからない。
それならいっそのこと専門病院に転職しても良いのではないか、と転職サイトに登録したことを覚えています。
看護師として将来のビジョンや勉強したい分野が決まっているのならば、スキルアップを目的とした転職を検討しても良いかもしれませんね
職場の不満を解消するための転職
職場の不満を理由した転職は、実は意外と多い理由の一つです。
みなさんは勤務している中で、職場に不満を感じたことはありませんか?
「人手が足りない」「給料が安い」「人間関係がドロドロ」など。
少なからず不満を感じている方は多いはずです。
上記で挙げた職場への不満は、転職をすることで解消されることがあります。
その不満は時間の経過とともに消失するものか、または時間がたっても解決しないものなのか。
見定めた結果、転職という選択をしてもいいかもしれません。
自分自身の体調や家庭の事情での転職
この転職理由に関しては、致し方ないところがありますね
看護師という職業は、非常に激務なことが多いです。
職場にもよりますが、マルチタスクが恒常化し、残業もほぼ毎日。
さらには夜勤業務などもあって、生活リズムが狂いやすい。
そこに職場への不満、例えば人間関係のトラブルなどがあれば、心身ともに疲弊してしまうのは、当たり前とも言えるでしょう
他にも「妻や夫の転勤が決まった」「親の介護のために実家に帰ることになった」など、さまざまな家庭事情で転職する方は意外と多いのです。
転職回数が多い看護師の志望動機はコレだ!
転職回数が多い方の志望動機は、人によって違います。
厚生労働省が2014年に発表した看護職員の現状と推移によると、転職理由として出産・育児のため(22.1%)が最も多く、次いでその他 (19.7%)、結婚のため(17.7%)、他施設への興味(15.1%)となっています。
志望動機 | 割合 | 詳細説明 |
---|---|---|
出産・育児のため | 22.1% | 家庭環境の変化により、子育てと仕事の両立を図るために転職を選択するケースが多い。新たな働き方を求める動機が大きい。 |
その他 | 19.7% | 個人のライフスタイルや状況の変化、住まいの移動など、多様な理由により転職を決意する。 |
結婚のため | 17.7% | 結婚による姓の変更や、夫婦での働き方の調整などが転職の背後にある。夫婦共に働きやすい環境を求めるケースもある。 |
他施設への興味 | 15.1% | 現在の職場でのスキルや経験を活かしながら、他の医療施設や専門分野でのキャリアを追求するために転職を選択する動機が存在。 |
出産・育児が転職するときの志望動機
出産・育児のために転職を選択する看護師たちは、家庭と仕事のバランスを取るための新たな職場を求めています。
育児と看護業務を両立させるためには、柔軟な勤務体制や充実した育児休暇制度などが必要とされます。
そのため、これらの要素を提供する職場を選択することが多く、出産・育児の段階に合わせて働ける環境を求める傾向があります。
また、「その他」の志望動機には、多種多様な要因が含まれています。
個人のライフスタイルの変化や住まいの移動、健康状態の変化、家族の状況変化などがこれに該当します。
これらの要因により、新たな環境でのスタートを切ることが選択肢となり、新たなチャレンジへの意欲を示すことがあります。
結婚によるライフスタイルの変化
結婚による夫婦の働き方が転職の場合、家族との連携やパートナーとの協力を重視しています。
夫婦共に働きやすい職場を選ぶことで、より円滑な生活を実現しようとする意図があります。
他施設への興味を持って転職を選択する看護師たちは、自身のスキルや経験を広げることを目指しています。
異なる医療施設や専門分野での経験を積むことで、幅広いスキルを磨き、キャリアの幅を広げることができます。
看護師の転職回数が多い場合、出産・育児、ライフスタイルの変化、結婚や家族の事情、スキル向上やキャリアの追求など、多様な志望動機が数字から見ても分かります
実は看護師は転職回数が多い職業
看護師は転職回数が多い職業としても有名です。
私の働いていた病院でも転職する人が多く、なんと病院の離職率は50%を超えていました
毎年100人近くの新人が入社していく中、数十人の看護師が辞めていき、同じ病棟に配属された同期6人のうち、1年が終わる頃には3人になっていたほどです。
看護師が転職回数が多い理由とその背景について詳しく見ていきましょう。
労働環境が転職回数を増やす原因?
まず、労働環境の変化が看護師の転職回数の増加に影響を与えています。
現代の医療現場は、高度な技術や知識を要する一方で、長時間の勤務や過度な負担も伴うことがあります。
看護師たちは、これらの労働条件に対して不満を抱くことがあり、働きやすい職場を求めて転職を検討することがあります。
例えば、過密なシフトや人手不足による負担が大きい職場から、労働環境が改善された職場への転職を選択するケースは普通にあるのです。
スキルアップを目指す傾向にある
看護師はキャリアの成長やスキルアップを目指している方も多いです。
医療技術や知識は絶えず進化しており、新たな治療法や診断方法が登場することがあります。
看護師は自身のスキルを最新のものに保ちたいと考え、新しい病院や施設での経験を積むことで成長を図ることがあります。
ライフスタイルの変化で転職
家庭やライフスタイルの変化も看護師の転職回数の増加に影響を与えています
結婚や出産、家族の介護などの変化が生じた場合、働き方を見直す必要が出てきます。
これにより、家庭との両立を図るために転職を検討する看護師が増えています。
例えば、子育てが忙しくなったため、勤務時間や勤務地が合う職場への転職を選択するケースが見受けられます。
看護師が転職回数が多い背景には、労働環境の変化、キャリアの成長、家庭やライフスタイルの変化などさまざまな要因が絡み合っています。
これらの要因は、看護師たちの個々の状況や価値観に合わせて影響を与えており、多様な転職動機が存在することを示しています。
希望を叶えるために、看護師の転職回数が多くなっていくのは仕方のないことかもしれませんね。
看護師が転職するなら回数は少ない方が良い?
看護師が転職するなら回数は少ないに越したことはありません。
転職を何回もしている看護師より、今まで転職したことがなく一つの職場で働いてきた看護師の方が、長く働いてくれそうですよね。
採用する側としても、長期的に働いてくれる方を雇いたいはずです。
では転職回数が多い看護師は採用されないのでしょうか。
そんなことはありません。
看護師は転職回数が多い人でも転職できます。
ただし転職の理由は一貫している必要があります
転職できる志望動機について、次章でみていきましょう。
看護師が転職回数が多くても、転職できる志望動機とは?
転職回数が多い方の場合、志望動機をどうしようか悩まれると思います。
もちろん転職するからには理由がありますよね。
スキルアップ、職場への不満、家庭の事情。
基本的に、志望動機は転職したいと考えた理由に基づくものがいいでしょう。
実際に私が転職の際に使った転職理由をご紹介します
「私が転職した理由はスキルアップのためです。
私が勤務していた病院でも希望の分野はあったのですが、その分野は時短勤務の方もしくはパートでないと異動できないと言われました。
私自身、いつ異動できるかわからない病院で働き続けるよりも、より専門性の高い病院でスキルを身に付けたいと考えたため、転職しました。」
これはスキルアップを目的とした転職理由です。
転職理由に納得していただけると思います。
これが一貫性のないものだったらどうでしょうか。
「私が転職した理由はスキルアップのためです。
勤務していた病院でも希望の分野はありました。
異動希望も出せたのですが、別の病院でスキルを磨きたいと考えたため転職しました。」
少し文面を変えています。
「異動希望を出せたのに出さなかった?」と疑問に思いませんか?
面接官はそういうツッコミどころを見逃しません。
間違いなく「どうして?」と聞いてくるでしょう。
もちろん異動希望を出さなかった背景には、さまざまな事情があったのかもしれません。
例えば「異動先の人間関係が悪いと噂があった」や「残業が多く就業条件が厳しいと言われている」など。
いくら希望の分野でも、そういうところで働くのは嫌ですよね。
でもこれはあくまで噂の範囲で、実際にあなたが体験したわけではありません。
こういう風に聞いていたから、勤務していた病院では異動希望を出さずに転職したというのは志望動機としても弱いでしょう。
私が転職回数が多くても一緒に働きたいと感じるのは、一貫した転職理由を持っている方です
逆に転職理由が曖昧な方は、仕事をしていても「この人大丈夫かな?」と考えてしまいます。
一貫性を持った、相手を納得させられるような転職理由をお持ちの方は、転職回数が多くても転職できるでしょう。
まとめ
看護師の転職回数が多い人の特徴と志望動機についてご紹介してきました。
いかがでしたでしょうか。
- 転職理由には「スキルアップ」「不満解消」「自分や家庭の事情」がある
- 看護師は転職回数が多い職種
- 転職回数が多くても転職するためには一貫性のある志望動機が必要
看護師の働き方が多様化していることで、自分の希望を叶えるために転職をする看護師は増えています。
転職回数が多い方でも、看護師においては問題ありません。
ご自身の志望動機を見直して、ご希望が叶う転職ができることをお祈りしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。