現在看護師不足に頭を抱える医療機関は少なくありません。
看護師が不足していると世間でもよく聞きますが、実は看護師資格保持者であっても働いていない潜在看護師が多くいます。
潜在看護師の中には一度医療機関で就業していたが、それぞれ個々の理由で辞め、そのまま復職していないという人や、資格を持っているが就業したことがないという人もいます。
なぜそれだけの潜在看護師が日本には存在するのでしょうか。
復職しない理由、したいけれどできないという現実の問題について解説していきましょう。
また復職するためにはどうしたら良いのかということも含めてお伝えしていきますので、ぜひ復職を考えている方は参考にしてください。
潜在看護師が復職しない理由
以前看護師として勤めていた人が潜在看護師になり、そのまま復職しない理由とは何が上がるのでしょうか。
2014年に厚生労働省が行った「看護師職員の現状と推移」という調査によると、様々な理由が挙げられていますが、そこから復職しない理由とで最も多いものとその詳細について紹介していきます。
1番の理由が育児?
看護師は男性看護師も増えつつありますが、未だに女性が多く、結婚・退職や出産を機に退職という形で病院を去る看護師は少なくありません。
産休を取る看護師ももちろんいますが、妊娠中に復職を望まない看護師もいるため、そのまま退職してしまう人の方が多いでしょう。
そして、出産後に育児に専念するため、女性はしばらく働かずに子供と一緒に家にいて家事と育児に努めるということも少なくありません。
育児が落ち着いてきたら、復職を考える人もいますが、二人目の妊娠や融通の効く仕事を選択し、看護師資格を持ちつつも看護職から離れてしまうということが現実にあります。
それによって潜在看護師もどんどん増えているということが現状でしょう
復職できない理由、人間関係
看護師という仕事は人間関係に大きく左右されがちです。
どこの職場でもありうることですが、看護師は女性だらけの職場ということにプラスして、個性的で気が強い人も多いので、うまく立ち回れずに人間関係に悩み、看護師を辞めてしまう人もいます。
特に女性だらけの職場で多いことですが、大人になっても「いじめ」というのはあり、新人時代には先輩などの上下関係に怯える人や、いじめの対象になり精神疾患を患ってしまう人もいます。
このような経験を経て看護師を辞めたという人は、潜在看護師として過ごすことが多く、そのまま看護職には就かずに、別の仕事を選択し、働いている人も少なくありません
復職できない環境
看護師をしていて、職場環境に悩まされる人も多くいます。
看護職は働いている医療機関にもよりますが、病院であれば夜勤を必要としたり、残業で定時に帰れないということも当たり前です。
他にも自分が望む働き方ができず、厳しい現実に疲れてしまい看護師を辞めてしまう人もいるでしょう。
正直にお伝えすると、看護師はブラックと言っても過言ではありません。
今でこそ看護師が少なくなったことで改善策として働きやすい環境にするために対策もなされていますが、まだまだ看護師不足によって起こる労働のきつい部分は改善されていないので、働くにもためらいというのは出てくるでしょう
潜在看護師が復職できない現実
次に潜在看護師が復職をしたいと思っていてもできない現実について解説していきます。
看護師として潜在看護師の中には、看護師として働くことを諦めた人ではなく、いつかは復職したいと望む人もいます。
復職できない現実には、現代の医療現場での働き方であったり、自分の中で医療に対しての不安を抱いている人もいます。
それはどのようなことなのか、復職したいけれどできない人の意見について紹介していきましょう。
復職が出来ない壁
病棟での勤務を望む場合に出てくる壁の一つに「夜勤」が挙げられます
復職を希望している潜在看護師の多くは出産育児により、一度医療現場から離れた人になり、復職を考えていても、夜勤となると子供の面倒を考慮した時に難しいという問題が出てくるでしょう。
祖父母や周囲の手を借りるという方法もありますが、核家族が増えている現代でそれも困難としている人も少なくありません。
看護師という職業は、給与が多くあるというイメージを持つ人もいますが、実際は日勤だけの勤務は収入も多くはなく、夜勤をこなして多少多めの給与がもらえます。
また医療機関によっては夜勤勤務をしてくれる看護師を求めている場合も多く、夜勤ができない看護師は断られてしまうこともあります。
復職しづらい現実
これも子供がいる潜在看護師に多い理由になります。
看護師不足に悩まされている医療業界で、看護師は休みというものを希望通り取れるわけではありません。
特に病棟勤務であれば、勤務人数に合わせて受け持ちというのも決まっているので、一人休むだけで他の看護師の負担になってしまうことも。
特に子供がいれば、行事で休みを取らなければいけない、発熱や風邪症状で保育園、小学校に行けないとなれば、親が休みを取らなければいけません。
看護師として働いていると、そのような急な休みも取れず、時間で早上がりできるというわけでもないので、融通が効かないというデメリットで復職を断念する方もいます
環境に対しての不安
環境に対しての不安というのは、人間関係であったり、医療機関で働くことへの不安になります。
環境というのは、前述でも述べましたが、働きやすい環境なのかどうか、休みの取りやすさ、就労時間の希望など様々な点が挙げられます。
看護職は不定休であり、長期休みもなかなか取れないことが特徴です。
そのため、自分たちの希望の通りに休みが取れれば良いのですが、看護師不足が起きている現状でそれも思うようにいかないことがあるでしょう。
また何年ぶりかに復職したけれど、人間関係や教育体制、指導内容など気になる点はいくつも出てきます。
「復職して、うまくいかなかったらどうしよう」という不安が勝り、復職ができない理由にもなってくるのでしょう
医療技術についていけるか不安
医療技術は年々進歩しています。
看護学生時代や離職して10年近く医療業界から離れていると、知識のみだけではなく、技術も大きく変わってしまい、それについていけるのか不安ということも少なくありません。
薬も新薬がどんどん出てきており、注射も様々な種類があります。
中には今まで行ってきた看護行為が間違っており、修正されたりしたことも・・・
このように以前知っていた環境と大きく異なることで、復職しても自分はついていけない、もう看護師としては働けないと復職することに対して諦めてしまう人も多いでしょう
。
看護師が復職するには?
潜在看護師が復職するには、転職サイトを利用することも一つではありますが、それでは前述で述べてきた復職しない理由、できない理由を解決できるかというとそういうわけではありません。
潜在看護師が安心して復職できるようにするためにも、「復職支援」を受けることが一番でしょう。
復職支援は、潜在看護師が復職できるようサポートするサービスになり、多くの潜在看護師が利用しています。
復職支援のサポートでは、研修やセミナーを行ってくれることや、ニーズに応えた環境を提供してくれるので、不安や心配ごとがある潜在看護師の方はぜひ利用してみてください。
詳しい事は「潜在看護師の復職支援ってなに?本当に復職できるのか?」で解説していますので、参考にしてください。
まとめ
潜在看護師は看護師として働きたくないという場合もありますが、潜在看護師の多くは復職を望んでいます。
しかし、復職できない、復職しない理由というのは明確に出ており、それが解決することで復職できるのであれば、働きたいと思っている人は少なくありません。
なかなか解決できないという場合や、いい就職先を見つけることができないという人は、諦めるのではなく、復職支援などサポートしてくれる機関があるので、ぜひ利用していただき、続けられる職場を探してみてください。