
看護師という仕事は、患者さんの命を預かり、常にチームで連携しながら業務を進める責任重大な職種です。
しかしその一方で、看護師自身も家庭を持ち、時には子どもの看病などで職場を離れざるを得ない状況が生じることがあります。
特に、子どもが体調を崩した時に仕事を休むママナースに対して、職場が理解を示さない場合、その環境は看護師にとって大きな負担となります。
「また休むの?」「今日忙しいの分かってるよね?」など、ママナースの心を傷つけるような言葉を浴びせられることも少なくありません。
このような発言が職場にどのような影響を与えるのか、そしてママナースが抱える現状を詳しく掘り下げ、改善策について考えてみたいと思います。
子どもの病気は避けられない現実
子どもはまだ発達途上にあり、特に保育園や幼稚園に通っている年齢では、しょっちゅう風邪やインフルエンザ、胃腸炎などをもらってきます。
これらの病気は予防の努力だけでは完全に防ぐことができません。
看護師としての知識があっても、子どもの病気をすべて防げるわけではないのです。
体調を崩した子どもには親の看病が必要!
しかし、これが頻繁に起こると、職場で「また休むの?」と言われるような空気が生まれます。
看護師の仕事は常に人手不足が叫ばれる中、休むことで同僚に迷惑をかけるのは確かです。
それでも、子どもを看病するために休むという行動は、親として当然の責務であり、避けられない現実です。
小さな子どもは病気で苦しんでいるとき、一人では十分に状況を伝えられず、親がそばについている必要があります。
それなのに、職場で「もう少し我慢させれば?」や「家で休ませておくだけで大丈夫じゃない?」と言われることがあります。
特に5歳の子どもに対して「留守番させたら?」などと言われると、それがどれほど危険で無責任な発言なのか、改めて考えさせられます。
看護師同士の「お互い様」の意識が薄れ?
看護師の職場ではチームワークが不可欠です。
患者さんへのケアや緊急対応など、スタッフが協力して働くことで成り立っています。
しかしながら、子どもの体調不良で休む看護師に対して、責めるような言葉をかける職場があるのも現実です。
「あなたが休むと、他のスタッフが大変なんだから」という言葉を浴びせられると、ママナースは罪悪感に苛まれます。
一方で、「お互い様だよ」と受け入れてくれる職場では、スタッフ同士の信頼関係が強まり、結果的に職場全体の雰囲気が良くなります。
看護師にとって子育てと仕事の両立は簡単なことではありませんが、それを支える職場環境があれば、ママナースは安心して働けます。
職場の雰囲気が悪化する原因の一つに、スタッフ間の負担の不均衡があります。
例えば、子どもの病気で休む看護師が多い時期には、ほかのスタッフが長時間労働を強いられることがあります。
このような時、「また休むの?」と非難されるのではなく、「大変だね」と共感される職場であれば、ママナースも気兼ねなく働けるでしょう。
子どもの看病を優先することは当然の責務
看護師としての責任は患者さんの命を守ることですが、それと同じくらい重要なのが、自分の家族を守ることです。
特に、体調を崩している子どもは親の助けを必要とします。
看護師という職業だからこそ、病気の子どもを放置する危険性や、悪化した場合のリスクを十分に理解しているはずです。
それにもかかわらず、職場では「仕事を優先するべき」というプレッシャーをかけられることがあります。
例えば、5歳の子どもが発熱している状況で、「今日忙しいから出勤して」と言われることがあれば、親としても看護師としても心が引き裂かれる思いをします。
看護師として働いている以上、職場での責任は大きいですが、それ以上に親としての責務も重要です。
また、子どもが病気の時に親がそばにいないと、精神的な不安が子どもの回復を遅らせる可能性もあります。
看護師が家庭を優先することは、決して「甘え」ではなく、子どもの健康を守るために必要不可欠な選択なのです。
上司の考え方が職場環境を左右する
職場環境が働きやすいかどうかは、上司や師長の考え方に大きく左右されます。
例えば、ある師長が「子どものことで休むなんて、他のスタッフに迷惑だ」と言えば、その言葉が職場全体の空気を作ります。
結果として、ママナースは肩身の狭い思いをしながら働くことになります。
一方で、「子育てと仕事を両立するのは大変だよね」と理解を示してくれる上司の下では、スタッフ全体の士気が高まります。
上司が率先して「お互い様だから大丈夫」と声をかけることで、他のスタッフも同様の態度を取るようになるでしょう。
職場のリーダーがどのような価値観を持っているかは、働く看護師にとって非常に重要です。
子育て中の看護師が安心して働ける職場を作るためには、上司が子育てに理解を示し、柔軟な働き方をサポートする姿勢を持つことが求められます。
看護師としてのキャリアと子育てを両立するには
看護師として働きながら子育てをすることは、想像以上に大変!
しかし、職場がその両立を支援してくれる環境であれば、長く働き続けることができます。
例えば、子どもの体調不良時に柔軟に休める制度があれば、ママナースは安心して子育てに集中できます。
また、職場の同僚や上司が「子育て中の看護師をサポートすることが全体のメリットになる」という意識を持つことも重要。
そうすることで、ママナースが働きやすい環境が整い、結果として患者さんへのケアの質も向上します。
さらに、子どもが成長するにつれて、看護師としてのキャリアアップを目指す余裕も出てきます。
そのためには、子育て中の時期に職場からのサポートを受けられることが必要不可欠です。
看護師が安心して働ける職場を目指して
結論として、子どもの体調不良で仕事を休むことは、親として当然の行動です。
しかし、職場の理解が不足していると、看護師は大きな精神的負担を抱えることになります。
特に、「また休むの?」などの心ない言葉をかけられると、仕事への意欲を失うだけでなく、子育てにも悪影響を及ぼしかねません。
私たち看護師が安心して働ける職場を作るためには、「お互い様」という精神を大切にし、子育て中の看護師をサポートする姿勢が必要です。
職場全体で協力し合い、理解を深めることで、働く看護師の負担を軽減し、より良い環境を作り出すことができます。
もちろん、現場の看護師だけでなく、管理職や施設全体の仕組みを見直すことも重要です。
例えば、子どもの体調不良時に急な休みが発生しても対応できるようなサポート体制を整えることや、代替スタッフを確保する仕組みを構築することが求められます。
また、日頃からスタッフ同士が助け合えるような風土を育むことも重要です。
看護師として、そして親として、どちらの役割も大切にできる環境を目指して、職場全体で取り組んでいく必要があります。
それが、働く看護師の幸せにつながり、患者さんへの質の高いケアにも結びつくと信じています。
まとめ
愚痴っぽい話になりましたが、正直なところ、「子どもの病気で休むなんて仕方ないじゃないか」と言いたくなる時があります。
それを理解せず、責めるような態度を取る人を見ると、看護師という職業の持つ本来の「人を思いやる心」を忘れているのではないかと思うことさえあります。
私たちは患者さんだけでなく、自分自身や仲間、そして家族を大切にしながら働けるよう、今一度職場環境について考えていきたいものです。
このような課題を乗り越えるためには、看護師全体の意識改革と、職場の制度改革が必要です。
そして何よりも、「お互い様」の心を持つことが、すべての基盤になるでしょう。