ツアーナースという働き方が看護師にあることも現在は有名になりつつあります。
しかし、このツアーナースという働き方の詳細を知らない人も少なくありません。
そのため、ツアーナースと聞くだけで「いいなあ」と思う看護師もいるのではないでしょうか。
そのような方へ向けてツアーナースとはどのような仕事なのか詳しく紹介していきます。
ツアーナースの仕事内容の他にツアーナースをする上で必要な持ち物は何なのか、給料面についても詳しく紹介していきましょう。
ツアーナースになりたいと考えている人や、詳細が気になるという人はぜひ参考にしてください。
ツアーナースになるには?
ツアーナースになるには、まず看護資格を必要とし、正看護師又は准看護師であることが絶対条件となります。
そして、医師の代わりとして旅先で急病人がいた場合対応を求められることから、臨床経験がある方が優位ではあるでしょう。
国家試験を取得したばかりの新卒やあまり臨床経験がない看護師はツアーナースに適していません
子どもを相手にすることも多くあるため、場合によっては小児科経験をしておくと、ツアーナースとして働く際に有利になってくることもあります。
またツアーナースに向いている看護師として、いくつか特徴を上げていきます。
・新しい環境で働きたい
・体力に自信がある
・コミュニケーション能力がある
・責任感が強い
この4つが主となるでしょう。
ツアーナースでは医師の変わりとして看護師が旅行に同行するため、同行するグループの人と交流を持つことを必要とし、何かがあった際にすぐ対応できるだけの能力も求められます。
ツアーナースの仕事内容は?
次にツアーナースの仕事内容について紹介していきます。
ツアーナース=旅行への同行というのは簡単に分かっている人もいますが、詳細については知らない人もいるので、ぜひ参考にしてください。
イメージと実際のギャップは大きい
何度かお伝えしましたが、ツアーナースに対してプラスの印象だけを持っている人は少なくありません。
実はツアーナース=楽しいというのは大きな間違いです
看護師の仕事をする上で、正直楽な仕事というのはありません。
ツアーナースも同様で、ツアーナースは確かに旅行先へ同行するというものですが、その多くは小学校の林間学校や修学旅行、部活動の合宿などになり、そこまで楽しいものではありません。
他にも社会人の研修旅行や海外旅行への添乗などもありますが、多くは学校関係と思っておくと良いでしょう。
健康管理を主としているので、旅先でどこでも行けるという事はなく、場合によっては子どもの相手をしなければいけないこともあります。
では実際に詳しい仕事内容について紹介していきます。
服薬管理
もし旅行へ行く人の中にアレルギーや喘息、基礎疾患や障害による服薬を必要をしている人がいる場合、その服薬管理も必要とする時があります。
自分で服薬管理ができる年代であれば問題ありませんが、もし小学生などで自己管理が困難であると判断された場合には旅行責任者である人と共に連携を取りつつ管理を行わなければなりません。
適切なタイミングで服薬を促し、しっかりと服薬した所まで対応を必要となるでしょう。
健康状態の把握
旅行へ参加する人の健康状態を管理することがツアーナースの仕事でもあるため、書類などを渡された場合には一通り目を通した上で持病の把握をし、最悪な事態まで想定して行動しなければいけません。
学生などの場合には、毎朝健康管理チェックとして検温や体調の確認などを行うこともあるので、カードなどに記載した上で責任者への提出を求められることもあります。
年配の人が対象であれば、血圧や脈拍などのバイタルチェックを必要とすることもあり、参加者全員が元気で過ごせるであろうとあまり考えていないと、症状を見逃す危険性もあるため、気を抜くことはできないでしょう。
病気や怪我への対応
もし参加者が病気や怪我をした場合にはツアーナースの出番となります。
軽度の怪我はもちろん、重症の場合には病院へ連れていくべきかどうかという判断も促されるでしょう
時期や地域には感染症などが流行してくる場合もあるため、嘔吐や下痢、発熱など何かしら怪しい場合にも適切な処置を必要としてきます。
ツアーナースでは看護師一人ということもあり、他に助言を求める相手がいないということを十分と理解した上で参加しなければいけません。
何が起きるかなど様々なシミュレーションを頭の中で起こし、しっかりと臨機応変に対応できるだけの余裕をもってツアーナースとして同行するようにしておきましょう。
ツアーナースに必要な持ち物は?
ツアーナースとして旅行へ同行する際、持ち物は自分だけの物だけというわけではありません
ツアーナースは仕事として同行するため、自分の仕事道具は自身で準備していく必要があるでしょう。
では、ツアーナースが旅行へ同行する際の持ち物とは何があるのでしょうか。
ツアーナースが持っていくと良いものをいくつか紹介していきます。
聴診器は持参?
合宿先などの保健室があれば、そこにある聴診器を用いることもできますが、保健室があっても聴診器が必ずしもあるとは限りません。
もしなかった時を考慮して聴診器と体温計などは持参した方がよいでしょう。
聴診器を用いて呼吸音や腸音などの確認をする時がないとも言えません。
時計
時計はツアーナースとして必需品というわけではなく、いかなる時にも必要な物となります。
時計を持参する時は秒針がついたものにしてください。
看護師であればその理由も把握しているとは思いますが、秒針があることで呼吸音や脈拍を測定する際にも役立ちます。
ビニール手袋・マスク
ビニール手袋は参加者側が準備をしてくれることもありますが、数が少ないことや、準備されていないこともあります
看護師が看護や処置を行う上で素手というのは避けたいものです。
嘔吐等の処置をする際にもビニール手袋がない場合には感染リスクを伴う可能性も否めません。
ツアーナースが体調不良になってしまっては元も子もないため、最大限感染の予防、清潔操作を徹底しなければいけません。
そのため、マスクとビニール手袋は必ず持ち物リストに入れて下さい。
ビニール袋やウェットティッシュ
小学生に限った話ではありませんが、車酔いをした場合や何か病気になり嘔吐をしたという時に、ビニール袋とウェットティッシュを持っていると便利でしょう。
もちろんバスの場合などはエチケット袋として準備されていることもありますが、数には限りがあります。
念のために多めに持っていくようにしておくと、必要な時に出せるため安心です。
筆記用具とメモ帳
もし体調不良の人や怪我人の対応を必要とした際に、対象者の名前や処置したこと、怪我の箇所などを全て把握しておくことはできません。
そのため、処置をした人の名前や部位、処置内容をメモ帳に記載しておくことで、症状確認や再度処置を必要とした時なども対応ができます。
他にも何かメモをする必要のことが出てくる可能性もあるので、持っていって損はありません。
携帯電話用モバイルバッテリー
携帯を必ず持っていくと思いますが、携帯は確かに連絡を取る上で重要な持ち物となります。
それだけではなく、何か自分の知識だけでは追いつかない時に、調べるものとしても十分な役割を担ってくれます
そのため、絶対に携帯の充電を切らすわけにはいかないため、屋外で充電が亡くなりそうなときにすぐ充電できるよう持参しておくと便利でしょう。
救急バッグ
保健室が宿泊場所にあればそこまで必要とはなりませんが、ガーゼや消毒液、包帯や絆創膏など何かあった時にすぐ出せるように常備しておくと良いです。
場合によっては持ち運びできる簡単なものに、上記でも記載したビニール袋や手袋などを少し入れておくのも良いでしょう。
給料はどのくらい貰えるの?
ツアーナースはどれくらいの給料がもらえるのか気になりますよね。
看護師という仕事は比較的給料面は安定していますが、仕事の仕方一つで大きく異なります。
高収入なのではないかと思う人もいますが、実際にツアーナースで生計を立てようと考えている人は待ってください!
ツアーナースは1日で約12,000~15,000円と常勤看護師と比べても少な目になります。
そのため、フリーランスとしてツアーナースだけで生計を立てることは厳しく、多くの看護師はツアーナースを副業としていることが多くあります。
お小遣い稼ぎや、他の仕事として併用することは可能ですが、ツアーナース1本となると簡単ではないことを頭に入れておきましょう。
まとめ
ツアーナースは考えている程甘い仕事ではなく、実際は看護師としての業務以外にも子どもの相手をすることも多く、そこまで簡単な仕事ではありません。
また一人で多くの人数の健康管理を任せられることから、責任感も重く、判断力も求められるため、ツアーナースをする際には実務経験を得ておくことや、ツアーナース先の情報を十分に取っておくようにしましょう。
決して甘くない仕事ではありますが、環境を変えたい人や、多くの経験をしたいという人にはとてもオススメの働き方になるため、ぜひ挑戦してみてください。