最近、医療現場にいると、「私たち看護師って補助金があるときだけ大事にされるの?」と感じることが多くなりました。
コロナ禍のピーク時には“命を守る最前線”と称えられた私たちですが、いざ補助金が削減された途端、待遇の悪化や経営の赤字を理由にしわ寄せが看護師に来ている現実があります。
これっておかしいですよね。
この記事では、補助金頼みの医療経営、そしてそれに振り回される看護師の現状について掘り下げてみますので一緒に考えてみませんか?
コロナ禍で露わになった補助金頼みの医療経営
コロナ禍では、病院は国からの補助金でなんとか経営を保っていました。
コロナ病棟を開設し、通常の診療を抑えざるを得ない状況の中、補助金がなければ病院は立ち行かなかったと言っても過言ではありません。
しかし、コロナ禍が収束するにつれて補助金が縮小されると、多くの病院が経営難に陥り、赤字に転落しています。
病院経営の問題が表面化すると、最初に削減されるのが人件費です。
そしてその影響を真っ先に受けるのが看護師たちです。
ボーナスの減額や給与の据え置きが当然のように行われ、過酷な労働環境に対する見直しも進みません。
「病院の経営状況が悪化したら私たちの生活が直撃する」というこの構図、一体いつまで続くのでしょうか?
コロナ禍で「医療従事者に感謝」と拍手を送られたこともありましたが、あの拍手は一時的なもので、今は誰も見向きもしません。
補助金が切れた今、看護師の存在意義を改めて考えさせられる現状です。
看護師の人手不足は慢性化しているのに負担は増すばかり
医療現場では看護師の人手不足が常態化しています。
夜勤明けで十分な休養を取る間もなく次の勤務に入ることも珍しくなく、業務過多に追われる毎日です。
補助金が出ていた時期には、一時的に人員を増やすことができた病院もありましたが、補助金がなくなれば当然人件費は削減されます。
その結果、人手不足はさらに深刻化し、現場で働く看護師の負担は増える一方です。
ある看護師仲間が話してくれた話ですが、以前勤めていた病院がずっと看護師を募集しているそうです。
その理由を尋ねると「みんなすぐ辞めるから」とのこと。
労働環境が改善されない限り、新しい人材が入ってきても長く働き続けることが難しいのが現状です。
このような職場環境では、現場での教育もままならず、経験不足の新人に仕事を任せざるを得なくなる悪循環が続きます。
補助金がなくなった途端に現場の崩壊が進むのは、医療システム全体が補助金頼みで成り立っている証拠とも言えるでしょう。
私たち看護師がこうした不安定な環境で働き続けることは、本当に正しいのでしょうか?
診療報酬改定と赤字の関係を考える
病院の赤字経営が続く背景には、診療報酬の改定も大きく関わっています。
診療報酬は、病院が患者を診察・治療する際に国から受け取る収入の基盤となるもので、これが削減されるたびに病院の収益は減少します。
特に急性期病院では、患者の在院日数を短縮することが求められるDPC制度(包括支払い制度)の影響で、効率よく患者を回すことが重視されています。
しかし、現実には患者を早期退院させることで、在宅や施設でのケアが十分に行き届かず、再入院するケースが後を絶ちません。
例えば、誤嚥性肺炎で入院した高齢者が、自宅に戻った後に再び誤嚥を繰り返して再入院する例などがあります。
このような現状では、診療報酬の見直しによる医療費削減がかえって無駄な医療費を生む結果につながる可能性があります。
診療報酬の改定が看護師の労働環境に直接影響を及ぼすという事実を、もっと多くの人に知ってもらいたいものです。
看護師と医師の待遇格差に対する不満
医療現場で働いていると、看護師と医師の待遇の差を痛感することがあります。
医師の給与は高額である一方、私たち看護師の報酬は医師の数分の一以下。
もちろん、医師の責任や専門知識の重要性は理解していますが、それにしても待遇の差が大きすぎると感じることがしばしばです。
例えば、ある病院では医師たちの学会参加費や宿泊費が病院負担なのに対し、看護師にはそういった支援が一切ないとの話を聞きました。
また、医学生が病院内のチケットで無料の定食を食べる一方、看護師は自腹で昼食を購入しているケースもあります。
このような不公平な状況では、看護師のモチベーションが下がるのも無理はありません。
医師と看護師がチームとして協力し合うためには、もう少し公平な待遇を目指すべきではないでしょうか。
患者の在宅復帰が現場に与える影響
病院経営を安定させるためには、患者を早期に在宅復帰させることが重要視されます。
しかし、現実には在宅ケアがうまく機能せず、患者が再入院を繰り返す状況が多発しています。
例えば、高齢者が退院後に適切な嚥下食を摂取できず、誤嚥性肺炎を再発するケースがあります。
どれだけ退院時に家族へ指導しても、その通りに実践されないことも少なくありません。
このような状況が続く限り、看護師がどれだけ頑張っても、病院の赤字や患者の負担を減らすことはできません。
在宅ケアをもっと充実させることで、医療現場の負担を軽減する方法を模索する必要があります。
コロナ禍で見えた“感謝”の限界
コロナ禍では、一時的に「医療従事者への感謝」が広まりました。
看護師として働いている私たちも、その言葉に励まされた時期がありました。
しかし、コロナ対応が収束に向かうとともに、その感謝の言葉はすっかり聞かれなくなりました。
コロナ対応病棟の設置や患者のケアに追われたあの時期、補助金があったからこそ病院も医療現場も維持されていました。
しかし、その補助金がなくなった途端、まるで“用済み”のような扱いを受ける現状には、怒りすら覚えます。
医療従事者への感謝とは一体何だったのでしょうか。
経営陣の努力不足を見直すべき
病院が赤字だからといって、そのしわ寄せが看護師や他の医療スタッフにばかり来るのはおかしいと思いませんか?
経営陣が自らの報酬を削減したり、経費を見直す努力をしている話をほとんど聞かないのは不思議でなりません。
例えば、ボーナスが減額された年でも、経営陣の報酬はそのままだったという話を聞いたことがあります。
こうした状況が続く限り、現場の看護師が不満を抱えるのは当然のことです。
経営陣ももっと現場の声に耳を傾けてほしいものです。
現場の声を届けることの重要性
看護師として現場で働いていると、国や経営者に声を届けることの難しさを感じます。
しかし、それでも声を上げ続けることが重要です。
私たちが意見を発信し続けることで、少しずつでも医療制度の改善や現場の環境改善につながる可能性があります。
現場の看護師たちが自分たちの声を上げることで、「看護師なんて補助金があればいい」と思われないようにしたいですね。
まとめ
最後に、補助金がなくなった途端に看護師の労働環境が悪化するこの状況をどうにかしなければなりません。
病院経営の在り方、診療報酬制度の改善、現場の待遇見直しなど、やるべきことは山積みです。
この状況に対し、「結局、補助金がないと私たちは不要なのか?」と感じざるを得ませんが、それに甘んじていては何も変わりません。
一人一人が声を上げ、変化を求めることで、少しでも働きやすい環境を目指していきましょう。
医療は人間の命を守る仕事です。
現場の看護師を大切にしない制度や経営は、長期的には誰のためにもならないのです。
この現状をどう思いますか?あなたの意見を聞かせてください。