潜在看護師 復職支援

看護師 免許証 資格 白衣の探偵

 

潜在看護師という言葉をご存じでしょうか。

潜在看護師とは看護師という資格を持っているが、看護師として就業していない人のことを指します。

 

2014年厚生労働省「看護職員の現状と推移」では潜在看護師は71万人と多く、再就業している看護師は約14万人と潜在看護師の半数にも追いつきません。

参考 看護職員の現状と推移より

 

なぜ再就業しない潜在看護師が多いのか、その理由は様々ですが、厚生労働省は2017年の広報誌にて「2025年には団塊の世代が75歳以上となり、医療や介護の需要が一段と高まり、看護師など専門職のニーズが高まることが予想される」と発表しました。

参考 厚生労働省より

 

そこで、潜在看護師等の復職支援を強化するべく、2015年には改正看護師等の人材確保の促進に関する法律が施行され、復職への働きかけを行うことになりました。

そして、この潜在看護師の復職支援を受けて多くの看護師資格保持者が復職できたという結果を残しています。

 

では、どのように国や自治体が潜在看護師の復職を支援しているのか、復職支援を受けるためにはどうしたら良いのか解説していきます。

 

潜在看護師の復職支援とは

 

復職支援 潜在看護師

 

白衣2

復職支援というのは、企業側が復職を望む人に対して行う支援をするサービスやプログラムのことをいいます

 

身体や精神に何かしらの疾患を持ったことで、就業困難となった人が事業に戻れるよう促すことを目的としていますが、潜在看護師の復職支援というのは少々異なります。

 

復職を望む看護師資格を持つ人を対象としていますが、潜在看護師の復職支援というのは国を始めとし、日本看護協会や都道府県の自治体が協力して復職を支援している形態です。

 

前述でもお伝えしたように、看護師をはじめとする医療従事者が少ない今、何らかの理由で復職できないという看護師に対し、よりよい環境を提供し、定職に就いてもらうことが目的で行われているので、復職を希望する看護師にとっては良いサービスとなるでしょう。

 

では、どのような機関が復職支援を行っているのか、どのような内容なのか紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

ナースセンターや各自治体と連携を取っている

 

潜在看護師の復職支援は国を始めとし、都道府県のナースセンターから各自治体やハローワークなどの就業を促す機関と協力し、潜在看護師を対象に取り組んでいます。

 

ナースセンターは看護師等免許保持者を把握するために届け出制度を創設したことで、どれだけの資格保持者が就業に就いているのかということを把握しています。

 

離職時には医療機関等がナースセンターへ申し出をしているため、どれだけの看護師が離職したか、何が理由なのかなどを把握しています。

 

そして離職者が復職しやすいようにニーズに応えて積極的にアプローチを行い、自治体や医療機関との連携を元に支援を強化しているという形を取っています。

 

 

復職支援セミナー

 

看護師 復職支援セミナー

 

白衣2

復職支援は各都道府県自治体によって形は異なるものの、復職支援セミナーや研修が医療機関で行われていることが多くあります

 

これは、離職したことでブランクが空いてしまい、復職に不安を抱いている人、資格取得後に就業していない人に対して再就業しやすいよう支援をするというものです。

 

医療というのは日々新しい機械や情報が多く、コロコロ変わってしまうということが特徴であるため、やはりしばらく医療に携わっていない人にとっては復職することに不安しかありませんよね。

 

しかしセミナーや研修を通すことで、現代の医療器具であったり、情報を提供してもらえるため、参加した多くの資格保持者は安心して再就業できるでしょう。

 

このようなセミナーは日本看護協会の「e-ナースセンター」から研修日やイベント情報が掲示されているので確認することができます。

気になる方はぜひ一度そちらを確認して頂き、問い合わせてください。

参考 e-ナースセンターお知らせ検索より

 

 

医療機関を見学

 

医療機関 見学

 

白衣2

セミナー先の医療機関や就職希望先がある場合は、そちらの医療機関を見学することができます

 

病院の構造や、どのような仕事をするのかなど日程を組まれた上で見学会があるので、気になった就職先がある場合には、そちらを利用してみることがオススメです。

 

就職希望者も見学できますが、医療機関によっては看護師を目指そうとしている高校生など学生を対象に見学会が行われていることも。

 

見学会では、セミナーや研修では聞くことがなかった病院の支援内容や、方針を聞くことができるということはもちろん、仕事の風景や雰囲気を知ることもできるので安心できます。

 

他にも看護ケアや食事介助など些細な医療行為を通して学ぶ、看護体験などもあるので、しばらく看護職から離れていた人はもちろん、これから目指すという人にとって理想的な支援ではないでしょうか。

 

 

 

潜在看護職員復職支援奨励金とは?

 

潜在看護職員復職支援奨励金

 

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潜在看護師職員復職支援は、働きやすい環境の提供や支援のみだけではなく、支援奨励金というものも準備しています

 

これは全国で行われる潜在看護師の復職支援で行われているわけではなく、各都道府県によって異なります。

 

これから紹介する所は神奈川県の潜在看護職員復職支援奨励金についてなので、全国が同様ではないことをご理解頂き、参考にしてください。

 

神奈川県では復職支援奨励金給付に関して条件があるものの、そこまで大変な手続きは必要としていません。

では、どうしたらこの給付金を受け取ることができるのか紹介していきます。

 

 

e-ナースセンターに登録をしてある

 

潜在看護師 登録

 

e-ナースセンターは各都道府県にある看護師の就職、復職を応援・支援する機関であり、様々な研修やセミナーが行われています。

 

白衣2

復職支援奨励金を受け取るためには、まずe-ナースセンターに登録をする必要があります

 

サイトに移行すると、登録ボタンがあるため、そちらで必要情報を入力し、登録を行いましょう。

 

登録を行うことで「看護師登録番号」というものがもらえるので、そちらを給付金申請を行う際に記載してください。

 

 

決まった期間従事する

 

潜在看護師 復職支援 従事

 

白衣2

潜在看護師職員復職支援奨励金は復職支援を受けて再就職できたからと給付されるわけではありません

 

復職支援奨励金を給付している都道府県によって条件は異なりますが、給付している多くの都道府県は、決まった期間従事していることが求められます。

 

今回例として上げている神奈川県の復職支援奨励金も決まった期間が設けられており、期間満了となることで給付されます。

 

山口県の岩国市の場合は

・決まった期間内に再就職した者

・再就職から1年間勤務

・再就職から1年以内に申請

とあり、再就職した後に申請できますが、1年以内に退職した場合は給付金の返還を行わなければいけません。

 

給付金額に関しても都道府県で異なるため、気になる方は一度お住まいの役所に確認を取ってみましょう。

 

 

 

まとめ

 

潜在看護師というのは今もまだ増えており、看護師が足りない現状です。それを補うためにも潜在看護師復職支援というのは重要であり、国を挙げての政策となっています。

 

潜在看護師の多くは結婚や出産、育児などの問題で復職できないという人がおり、復職を希望したくてもできないという人のために、環境を整え、ニーズに合った支援が行われているので、復職したいという人にとっても良い支援ではないでしょうか。

 

自治体によっては奨励金を給付してくれるということもあり、活用して復職できた看護師も多くいます。

 

ぜひ看護師として復職したいという人は、セミナーや研修に参加し、自分の理想に合った医療機関を見つけてください。