看護師は朝と夕方に必ず申し送りが行われます。
この申し送りに苦手意識を持っている看護師は多く、上手く話せないと悩む人も少なくありません。
そんな申し送りですが、実は重要なポイントを掴んでいれば、そこまで緊張をすることも指摘されることもなく、スムーズに行うことができます。
ここでは、看護師の一つの悩みでもある申し送り時に大切なポイントについて紹介していきます。
ぜひ上手くいかない、毎回不安だという人は参考にしてください。
申し送りで大切な8つのポイント
申し送りは看護師が業務を始める前に自分の受け持ち患者の状態を把握する大切な時間となります
患者の状況や症状はもちろん、何をしなければいけないのかなど重要なことが多く、伝え忘れてしまうと問題視されかねません。
しかし、何を伝えるべきなのか、どのように話せばよいのかなど把握できていないと、それに慌ててしまい、うまく申し送りができずに先輩看護師に指摘されてしまうことも。
では、何に視点を置き、どのように話すべきなのか申し送り時に必要なポイントを解説していきます。
伝わりやすいように順序を決めておく
最初に、何から伝えるべきか順番を決めておきましょう
申し送り時に必要なことは、伝えなければいけないことは何なのか把握し、それを順序立てて伝えるだけで、相手に重要なことは伝わります。
患者の現状を伝える際に、まずは結論から伝え、そこからいきさつや説明などを行うと、相手の頭に入りやすくなるでしょう。
話があっちこっち飛んでしまっては、伝えられている側も伝えている側も混乱してしまい、最終的に何を伝えたかったのか分からないということも少なくありません。
簡潔にはっきりと伝える
患者の状況や何を必要とするのか話す際には簡潔にまとめておくことが大切
現状問題がなければ、「問題はない」。
何か悪化した場合には何がどのような症状なのか。
それに対しての医師の指示が何なのかなど。
その際に、早口になったり、遅すぎる話し方をしてしまうと相手にうまく伝わらないこともあります。
先輩看護師に突っ込まれることを怖がる看護師もいますが、まずは相手に伝えるという意思を持ってはっきりと一定のテンポで話してください。
要点を抑えておく
これは、前述の順序を決めて伝えることと似ていますが、伝えたい内容の要点を抑えておくと、話す際に自分が楽になります
これは一例ですが、例えば以下のように
・バイタルサイン
・病状や経過状態
・お願いしたい処置
だけでもまとめておくと、自分が何を伝えるべきなのか分かるでしょう。
その日にした処置や病状、結果など時間列で話そうとする人もいますが、その場合にはいらない情報も入ってきてしまい、うまく伝わらないことも少なくありません。
患者によって要点というのは変わっており、優先順位も異なります。その患者にとって何が重要なのか、相手看護師に次はどのように動いてほしいのかなど自分の中で要点をまとめておくだけで、話やすさは変わってくるでしょう。
不必要な情報は消す
自分の持っている受け持ち患者のボードや電子カルテにその都度症状や患者の訴えなど記載をしている人もいますが、それでは最終的に何が必要なことで、何が伝えなくて良い情報なのか分からなくなることもあります。
その都度メモに残すことは大切で、次の処置や医師に伝えなければいけないことなど自分が把握する上では重要となってきますが、申し送り時には必要ないことまで残ってしまいます。
そうなると、申し送り時に「これは何だったかな」と自分で疑問と残り、伝えて良いものなのか、伝えなくて良いものなのか把握できなくなるでしょう。
そうならないためにも、必要な情報と不必要な情報は分けておくか、横線を引くなど消しておくと後で困ることはありません。
メモに整理しておく
カルテや受け持ち板に記載するのではなく、後で申し送りしやすいように自分のメモとして残しておくことも一つです
申し送りに慣れない新人の場合は特に、何を伝えるかすぐ分からなくなってしまい、長く話してしまうことがあります。
それを防ぐためにも、どのような情報を伝えるべきなのか、何を話したほうが良いのかなど把握するためにも別でメモを取っておくと良いでしょう。
また、申し送り時に何か指導を受けたとしても、そのメモに直接記載することができるので、後で振り返ろうと思った際に役立ちます。
思いつくまま話さない
これは申し送りを行う上で最も重要です。
申し送りは重点をまとめて、簡潔に伝えることができるようにすることが求められます
そのため、頭に浮かんだ言葉と収集した情報や書いてある内容を伝えようととっさに並べても、最終的には何が言いたかったのか、必要な情報なのか分からず、後で注意されるということもあるでしょう。
思いついた言葉を並べて話すのではなく、なぜ重要なのか、なぜ伝える必要があるのかなど頭の中でまとめてから話すようにしてください。
上手い先輩の真似をする
どのような職種でもそうですが、手技や話し方などを学ぶ際、自分が上手にやっていると思う先輩の真似をすることが一番取得する近道となります。
申し送りに関してもコツを掴むには、一番聞き取りやすく、要点をまとめて話している先輩の真似をしてみてください。
そうすることで、何を優先して伝えているのか、どのように伝えると分かりやすいのか、自分との違う部分は何か、と学べる点が多くあるでしょう。
そして、それを真似するだけで自然と自分の技と変わっていき、取得することができます。
頭の中で復唱する
申し送りの際に自分の発言に緊張をしてしまうという場合や、その際に頭が真っ白になって混乱してしまい、発言ができないという人は要点などをまとめた後に、何度も自分の中で復唱してみてください。
これに関しては時間に余裕がないとできないので、ある程度の仕事を終えた場合に限りますが、何度も復唱することで、自然と体に言いたいことが入ってくるでしょう。
私はこのタイプで、ある程度要点をまとめてメモに書いても発表時に真っ白になってしまい上手く話せないことがありました
それからは何度も復唱し、頭に無理矢理入れ込んだことで、比較的スムーズに言えるようになりました。
申し送りが苦手と感じる看護師の特徴
申し送りなど、多くの人の前で発言するというのは誰しも緊張してしまいます。
しかし、このような申し送りはその場の空気や雰囲気に慣れることで、普通にできるようになる人がほとんどでしょう。
しかし、中には慣れずに緊張がいつまでも続いてしまい、上手く話せないという看護師は少なくありません。
なぜそのような人がいるのでしょうか。
実はこれは看護師の実力や頭脳の問題ではなく、その人の性格にあるのです。
私は何度やっても慣れないタイプで、いつも頭が真っ白になっていました。
場合によっては緊張のあまり足や手が震えることも。
これは、
・人前で話すことが苦手
・極度の緊張型
・不安症
など、様々なことが原因です。
このタイプの人達にとってはただの申し送りと言っても、通用はしません。
そのような人は特に上記のようなポイントをまとめ、自分なりにまとめておくだけでも緊張はしても、うまくいくので安心してください。
まとめ
申し送りは要点や自分の伝えたいことをまとめるだけでも、スムーズに相手に伝えることができます。
申し送り時に、上手く伝えられるか不安、先輩に何を言われるか分からなくて怖いという看護師も少なくありませんが、ポイントさえ掴み、しっかり発言できれば何も問題ではありません。
スムーズに連携力のある看護師を目指すためにも、紹介した申し送りのポイントを参考に実施してみてください。