今現在介護士をやっていて、「看護師になってみたい!」
そう考えている方はいらっしゃるのではないでしょうか?
私の周りにも現に介護士をしていて、将来看護師を目指している方がいます。
看護師を目指す理由は人それぞれですが、看護師になりたいプロセスから、実際に看護師になることのメリットなどをご紹介していきます。
介護士から看護師になるには
介護士が看護師になるためには、看護専門学校や看護大学に入り看護技術や看護論、疾患や各分野の特徴を学び、看護師国家試験に合格し国家資格を得る必要があります。
後ほどご紹介しますが、介護士と看護師には役割や仕事の内容に違いがありますが、介護士として学んだことや仕事での経験は全く無駄にはなりません。
むしろ介護士の経験があるからこそのメリットがあります。
看護師でも、食事・排泄・入浴・睡眠などの日常生活の援助を含めた基本的なことを学びます。
看護の分野は一から学ぶことになりますが、介護士は日常生活の援助には長けているので実習や国家試験において優位であると言えます。
介護士の中で国家資格である介護福祉士が看護師を目指す場合、従来よりも1年短いカリキュラムで資格取得が可能になる制度が話題になっています。
それは、2021年より導入予定の新制度です。
医療・福祉人材の最大活用のための養成課程の見直し
【対応の方向性】
複数の医療・福祉資格を取りやすくし、医療・福祉人材のキャリア・パスを複線化。具体的な取組
○ 医療・福祉の複数資格に共通の基礎課程を創設し、資格ごとの専門課程との2階建ての養成課程へ再編することを検討。
○ 資格所持による履修期間の短縮、単位認定の拡大を検討。厚生労働省 地域包括ケアの深化・地域共生社会の実現より
医療や福祉の現場において明らかなマンパワー不足により、すでに介護の知識を持つ介護士が看護師の資格を取りやすいように考えられています。
介護と看護、両方の知識と技術を得ることは今後の働き方に大きくプラスとなること間違いありません。
慢性的な人材不足の業界です。
2~3年の期間で自分のキャリアアップに繋がるため、看護師の資格を取ることはメリットが大きいでしょう。
自分のキャリアを考え、なりたい姿を目指してくださいね。
介護士と看護師の違いを知ろう
介護士と看護師は働く場所や役割、仕事の内容に違いがあります。
介護士が看護師になるには知っておくべきこと詳しくお話していきますね。
介護士と看護師の働く場所の違い
まずは働く場所の違いについてお話していきます。
介護士は、高齢者施設、デイサービス、身体障がい者療護施設、在宅などで働くことがほとんどです。
一方で看護師は、主に大学病院やクリニックなどの医療施設で働くことが多い他に、介護施設、障がい者施設(心身、精神など)、保育園や幼稚園、学校、行政など様々な場でも働くことができます。
つまり、介護士は日常生活で困っている人をサポートする役割があるのに対し、看護師は医療・保健・福祉の分野で人々の健康をサポートする役割があることが分かりますよね。
介護士と看護師の仕事の内容の違い
次に仕事内容の違いについてお話していきます。
介護士は、日常生活を自分で送るには支障がある人の食事、排泄、入浴、身の回りの整理などを介助することが主な仕事です。
一方で看護師は医師の指示の下で注射や採血、検査や処置などの医療行為を行うことが主な仕事。
もちろん、介護士と同じように日常生活の援助をすることも仕事の1つです。
働く場によって仕事内容が異なるので、色々な場所で働きながら自分のやりたい仕事を見つけられる魅力があります。
つまり、どちらの職業も対象となる人が「自分らしく生きる」ために、サポートすることが大きな役割であると言えます。
介護士と看護師で大きく違うことは、医療行為ができるか・できないかという事。
介護士は医療行為ができないけれども対象の方にとって生活の一部となることで信頼されます。
看護師は医師よりも近い存在として命を守ってくれる頼れる職業。
介護士の中には看護師のように幅広い仕事をしたいと思い資格を取る方や、看護師の中には介護の仕事で働きたくケアマネージャーの資格を取る方も多く、お互いが魅力を感じる職業だと言えるでしょう。
介護士から看護師になる理由
介護士が働く高齢者施設などの職場には、多くの介護士と共に1~2人の看護師が働いています。
毎日一緒に働く看護師の姿を見て、介護士の仕事に不満を抱き「このまま終わりたくない」と思い、看護師になろうと決意する方は多い。
そして、具体的に介護士が抱く不満として挙げられるのは、「収入」「業務内容」「立場」この3つです。
それぞれ詳しくお話していきますね。
介護士が看護師になる理由が収入面
まずは1つ目の収入への不満についてお話していきます。
介護士の月収は厚生労働省による平均月収が約30万円、年収にすると約360万円。それに対して看護師は年収450万円ほどで、看護師の方が明らかに収入面では高いと知られています。
養う家族がいる場合は、介護士の低い収入では厳しいこともありますよね。
このような収入の差が理由となり、介護士が看護師になろうと考えます。
介護士が看護師になりたい業務内容の違いとは
次は2つ目の業務内容への不満についてです。
前述しているように、介護士は食事・排泄・入浴など日常生活の援助が主な仕事ですよね。
それに比べて看護師は、介護士の仕事が出来る上に、医師の指示の下で点滴や服薬管理、健康管理など介護士には出来ない医療行為が可能です。
介護士の中には、出来る業務が限定されてしまうことが不満となり、幅広い業務内容の看護師になろうと考えます。
介護士と看護師の立場の違い
最後に3つ目の立場への不満について。
職業による上下関係はあってはならないはずなのに、介護士と看護師の間には昔から確執がある職場は少なくない。
経験が浅く若い看護師であれば、ベテラン介護士には逆らえないという場合はあります。
しかし、なぜか介護士を見下してしまう看護師がいることも事実です。
それは看護師の指示の下で介護士が実施する業務があるからでしょう。
自分が働く職場に、自分の仕事しかせずに威張り散らすような看護師がいる場合や、医療の知識など看護師には勝てないことで立場の違いが感じられる場合、看護師になろうと考えるきっかけになります。
これら3つの不満が積み重なり、介護士から看護師になろうと思う大きな理由になっていきます。
どのような理由であれ、看護師の資格を取ることは自分自身の技術や知識の向上に繋がるため、「看護師になろう」と決めた気持ちはいつまでも大事にして欲しいものですね。
看護師になるメリットは?
介護士として働いてきた以上、看護師になるためには看護系の学校に入り国家試験に合格する必要がありますよね。
キャリアアップを決めた年齢にもよりますが、若い看護学生の中に混ざって数年間学び、試験を受けることは並大抵のことではありません。
それでも、介護士から看護師になるメリットがあるので知っておくと良いでしょう。
ここでは高齢者施設で働くことに限らず、看護師という職業全般に関するメリットについて3つ、詳しくお話していきますね。
看護師になるメリットは収入の違い
看護師になる1つ目のメリットは、収入の良さです。
看護師の平均年収450万円は、同じ働く女性の中でも高い年収と言われています。
もちろん収入の中には、夜勤手当や特殊勤務手当などが含まれており、不規則な勤務で懸命に働くことで得られる収入。
働く場所によっては夜勤がないクリニックで時給2000円ほど、手当が貰えなくても高い収入になることも可能です。
介護士とは年収100万円ほど差があり、看護師になり高い収入を得たいと考える人も多くいますよ。
看護師になった時のやりがいって?
2つ目のメリットは、仕事のやりがいです。
看護師は医療職であり、医師とは違う立場で人の命に寄り添います。
看護師として働ける場所は多岐にわたり、どこで働いたとしても必ず「ありがとう」と感謝されることが仕事の大きなやりがいです。
人が産まれても亡くなってしまっても、精一杯の看護をする。
そして必ず人の役に立つことができます。
介護士の仕事も感謝されることが多いですが、福祉の場と医療の場では違った嬉しさがありますよ。
毎日多忙でクタクタになり、自分のことを後回しにして仕事をする看護師もいますが、中には日々やりがいを感じながら仕事をしている看護師もいます。
看護は転職に困らない
3つ目のメリットは、看護師の求人は常にあり余程のことがない限り「仕事が無くて生活に困る」といった状況は起きないことです。
介護士の仕事をしてから、苦労して取得した看護師の資格は一生もの。
自分の気持ちや体力次第では、いつでもどこでも働くことができる職業です。
ハローワークや求人サイトには常に看護師を募集している職場をたくさん見かけます。
自分のライフスタイルに合わせて多様な働き方を選ぶことができ、必要ならば転職することも珍しくありません。
最前線の大学病院で働くのではなく、健診機関で70歳近い年齢で看護師として働く女性もいます。
何歳になっても働くことができるのは、看護師になるメリットと言えるでしょう。
まとめ
介護士から看護師になると、福祉と医療両方の知識を持った貴重な人材となります。
自分の働き方の選択肢が広がり、看護師の資格を取って良かったと実感できるはずです。
介護士の経験と看護師の知識があれば、沢山の方のためになる存在と言えますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。