クリニックは病棟勤務と大きく異なる職場です。
病棟勤務は準夜勤や夜勤など働き方にばらつきがあり、場合によっては長期休暇などが取りにくいこともあります。
病棟勤務から転職したいと考えている人の中には、クリニック勤務の方が楽なのだろうと思っている人もいるでしょうが、実はそんなに簡単な仕事ではありません。
クリニック勤務をしたことのある私が、勤めていてのメリットやデメリット、今までにクリニックがつらくて辞めた人の理由などを紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
クリニックに勤めてわかった「つらい」と思う5つの理由
クリニックは看護師にとっていくつかメリットがあり、働きやすければその環境に居心地の良さも覚えるような仕事です。
しかし、クリニックとは言え職場でつらいと感じる程のデメリットも多く、実際に看護師の出入りが多いというのも事実。
何故、クリニックは楽だというイメージが強いのに、辞める人が多いのでしょうか。
その理由をクリニックで働いたことのある私が紹介していきます。
院長との距離が近すぎる
クリニックでは院長と看護師の距離がとても近くにあります。
クリニックが少人数であればある程距離は尚近くなるでしょう。
そうなれば指導や注意を受けるのは院長からということが多くあり、また患者さんに対しての治療方針など自分と何かしら合わないと思うとそこからの仕事はきつくなってきます。
中にはクセの強い医者や他者からの意見を受け入れない医者などもおり、それが原因でつらい気持ちになり辞めてしまう看護師もいます。
看護師長が院長の妻だったら最悪!
クリニックの中には家族経営の所もあります。
その場合奥様が看護師というパターンが多く、それに対して嫌な気持ちを抱いている看護師も多くいます。
何がそこまで嫌なのか。
一番多い理由としては、院長夫人ということで威張っている、自分が主導権を握っていると認識し、命令ばかりしてくるということが周囲の空気を悪くさせます。
それに対して院長に関係のない相手であれば注意を促すこともできますが、さすがに院長夫人ともなると周囲は何も言えず黙っているしかありません。
それがつらいと感じ辞めてしまう看護師も多くいます。
自分の力不足を感じてしまうのがクリニック!?
クリニックは専門的分野に特化した医師が多く経営しています。
そのため専門分野を極めたい人にとってはオススメできますが、もっと色んな技術や病気について学びたいという人にとっては不満が募るでしょう。
クリニックが主な看護経験の場所となった人にとっては、様々な科で経験を積んだ看護師が自分のところに来ることで、自分は力不足なのではないかと不安を感じ、それが不満へと変わります。
また友人が同じ看護師で自分より知識が多いのを実感すると、自分の力不足を痛感する瞬間が来ます。
そして最終的にはもっと経験を積める病院に行こうという考えになり、辞めてしまう看護師もいます。
その反対もあります。
多忙な病院から転職してきた看護師にとってはクリニックで学べることが限られてしまうので、物足りないと感じ再度転職をする人もいます。
ICU看護師は適性を見極めて配属したり、私のように新卒者を教育しながら配属をしていきます。 他の看護師からは「優秀だね」とか言われることもありましたが、新卒でICU看護師になったばかりのころは、まったく自分 …
クリニックは楽でない!
クリニックの業務が楽だと思っている人も多くいますが、決してそうではありません。
クリニックの業務というのは病棟や施設業務とは全く異なった忙しさがあります。
クリニックによっては業務が楽な所もあるでしょう。
しかし、全てがそうだと思っていると転職、入職した際に思っていたよりも忙しくて辞めてしまうことも多いです。
私が勤めていたクリニックでは、看護師の技術的仕事に加えて検査、医師診療の補助、問診、栄養や病気の指導など一日が目まぐるしく動いていました。
一種の体力勝負のような部分もあるので、それがつらいという人にはオススメできませんが、内視鏡や手術を行うクリニックであれば、その処置や技術も求められるのでそのような経験をしたいという人にはオススメでしょう。
人間関係が難しいクリニック
クリニックは人数が少ないので、毎日と言っていいほど同じ人達と仕事をします。
そして、医療事務、総務とも距離が近く、必ず会話をすることもあるでしょう。
そして、看護師だけれど医療事務の手伝いをすることもあります。
医療事務が看護師の補助に入るということも多くあるでしょう。
このように他の課の人間とも交流を図る必要があるので、院長や看護師との関係が問題ないとしても、他の課で少しでも合わないという人がいると、それだけで仕事に支障をきたすこともしばしばあるのです。
それが理由でつらい気持ちになった看護師、医療事務の人はたくさんいました。
クリニックに向いている看護師とは
クリニックは楽だからという理由を持つ人や、多くを学びたいという人には向きませんがクリニックで働くことが向いている人もいます。
それはどのような人なのでしょうか。
中には上記で記したようなクリニックだと続かないという人もいますが、全てのクリニックがそうではありません。
ぜひクリニックで働くことに興味がある人は自分がクリニックで働くことが向いているのか参考にしてみてください。
子供がいる人がクリニックをオススメする理由
子供がいる人は病棟勤務が厳しい時があります。
夜勤を求められたり、残業ができないということも多々あるでしょう。
しかし、クリニックはまず残業がありません。
そしてクリニックによっては18時に診療が終わるなど保育園や学童に預けることで働きやすいでしょう。
昼休憩が長いクリニックもあるので、自宅が近ければ一度帰宅して夜ご飯の準備をするということも可能です。
家庭と仕事の両立がしやすいという点ではクリニックがオススメです。
看護師という職は子供がいると続けていくことが本当に難しくなります。 結婚前から出産まで作り上げたキャリアを手放すことにもなり、それが嫌だからと結婚や出産を諦めてしまう人も少なくないです。 また、出産後に子供 …
夜勤が苦手な人ならオススメ
病棟に勤めている看護師の中には夜勤が苦手という人も多くいます。
看護師の夜勤は定期的に回ってくるものではなくランダムということもあり、その夜勤によって生活習慣が乱れることもあるでしょう。
睡眠欲が強い人や夜勤による精神的負担を感じている人はクリニックがオススメです。
クリニックは入院施設がなければ夜勤はないので、おおよそ決まった時間に帰宅することができます。
皆さんは「看護師の夜勤はきつい」といった話をよく耳にしませんか? 看護師として働く中で避けては通れない夜勤ですが、忙しすぎてまともに休憩が取れないということもよくある話です。 「 …
人とコミュニケーションを取ることが好きな人
クリニックには多くの患者さんが来院します。
そして、看護師が一番多く患者さんと接するため、色んな話をしたり病気の指導などをすることもあるのでコミュニケーションを取ることに負担を感じていない人はクリニック勤務がオススメです。
クリニックで勤めていた経験のある私としては、予想以上に患者さんと話すことが多いのでコミュニケーション能力は求められます。
緊張している患者さんに対してどのように接しその緊張を解くのか、またどのような話をして情報収集を行うのかなどが問われることも。
クリニックは休みの予定がわかりやすい
クリニックは基本休みが決まっています。
多くは日祝日休みになり、他の平日曜日が休みというパターンが多いです。
そのため、お盆休みや連休、年末年始などカレンダー通りの休みが欲しいという人にはオススメ。
場合によっては午前午後で勤務が分かれていることもあるので、よく平日に病院へ行きたいけれど休みが合わないという人にとっても休みを取りやすいでしょう。
一つの専門分野を極めたい人
前述でも記載をしていますが、クリニックは基本専門分野に特化した医師が経営しています。
例えば、糖尿病などを含む内科に特化したクリニックもあれば、皮膚科や整形外科などもあります。
看護師として病棟で働いていた際に、この専門分野を極めたいという人にとってはクリニックもオススメです。
希望する専門分野のクリニックに勤めることで必ず希望していた分野を極めることができるでしょう。
場合によって認定看護師の資格を取ることもできます。
他のクリニックに転職するときのポイント
現在クリニックに働いていて、どうしても今のクリニックがつらいのであれば、再度どのような条件下で探したいのかまとめておきましょう。
時間や専門分野、仕事内容や休みの取り方などをまとめておくことで、転職サイトを利用した際もある程度希望するクリニックに絞ることができます。
また、近場のクリニックなどであれば同僚の看護師や医療事務の人から院長やクリニックの様子を聞いておくことも一つです。
クリニック同士であれば、患者さんからの情報などを得ることもできるので、そのクリニックの様子も把握しやすいでしょう。
まとめ
クリニックに勤めて「つらい」と感じる理由を解説してきました。
ここまでお話してきて分かってきた方も多いと思いますが、「つらい」と感じるのは人に寄り切り。
やりがいを感じて楽しく働く方も入れば、同じクリニックでも「つらい」と感じる看護師もいます。
自分に合ったクリニックを探しているのであれば、転職サイトのアドバイザーと相談するといいでしょう。
アドバイザーなら、そのクリニックの内情まで知っているので、自分になったクリニックを見つけることが出来ます。